第4回
浅川の野鳥・今と昔
                                日野の自然を守る会 金子凱彦

昔(1976年)の浅川の調査記録と現在(2021年)の記録を比べながら、浅川の野鳥たち
の変遷をみてきました、今回で4回目です。

45年前と同じ調査地とコース 
 浅川は陣馬山麓に源を発し八王子市、日野市を流れ多摩川に合流する延長30kmの一級
河川です。調査方法は浅川左岸の日野市民プール(川辺堀之内190番地先)から上流の一
番橋を通り運動場・豊田児童グランド(多摩川から4.4kmの位置)までの1.5kmを歩き
ながら野鳥の種類と数を記録する。当時の堤防は現在のように舗装されていなく、自転車
で通るのも危険という時代もあったが、浅川をとりまく自然環境は今日と比べるとはるか
に多様性に富んでいた。

昔の<調査>結果
 何故か?1976年5月30日から7月4日までの間の観察記録がポッコリ!消えている。1か月
間も浅川に行かないはずがないのだが、今となっては原因不明。よって翌1977年6月の記
録を記します。

1977年6月4日<6:25~8:00>くもり
①ササゴイ1 ②コサギ1 ③カルガモ10 ④コジュケイ2 ⑤キジ3 ⑥コチドリ5
⑦イカルチドリ3 ⑧イソシギ2 ⑨キジバト9 ⑩ヒバリ9 ⑪ツバメ14 ⑫イワツバメ5
⑬キセキレイ2 ⑭セグロセキレイ1 ⑮ヒヨドリ1 ⑯アカモズ1 ⑰セッカ3
⑲カワラヒワ2 ⑳スズメ145 ㉑ムクドリ26 ㉒オナガ5 ㉓ハシボソガラス2 
以上23種252羽
<コメント>浅川にも夏鳥のササゴイが毎年渡来する時代があった、懐かしい。アカモズ
は移動の途中なのであろう、現在でも極稀にフィールドで観察することがある。

1977年6月26日<6:20~8:40>くもり時々小雨
①ササゴイ3 ②カルガモ12 ③トビ1 ④コジュケイ3 ⑤キジ1 ⑥クイナ2
⑦コチドリ3 ⑧イカルチドリ4 ⑨イソシギ9 ⑩キジバト15 ⑪ヒバリ8 ⑫ツバメ33
⑬イワツバメ50 ⑭セグロセキレイ3 ⑮ヒヨドリ2 ⑯モズ1 ⑰セッカ2
⑱シジュウカラ2 ⑲ホオジロ2 ⑳カワラヒワ1 ㉑スズメ100 ㉒ムクドリ51
㉓オナガ1 ㉔ハシボソガラス10 以上24種319羽
<コメント>ササゴイ同様にクイナも当時定番の夏鳥であったが、環境の変化のためか近
年見る機会が少なくなった。小雨のためかツバメ類が多かった。

今の<調査>結果
2021年6月3日<8:20~10:00>晴れ
①キジ1 ②カルガモ11 ③キジバト3 ④カワウ4 ⑤アオサギ4 ⑥ダイサギ3
⑦コサギ3 ⑧トビ2 ⑨オナガ1 ⑩ハシボソガラス5 ⑪ヒバリ2 ⑫ツバメ8
⑬イワツバメ40± ⑭ヒヨドリ2 ⑮セッカ3 ⑯ムクドリ52 ⑰イソヒヨドリ1♂
⑱スズメ23 ⑲ハクセキレイ3 ⑳セグロセキレイ2 ㉑カワラヒワ3 ㉒ホオジロ2
㉓ドバト3   以上23種181羽 
<コメント>種数は77年6月4日と同じであったが、今は水辺の鳥が寂しい。カワウ、
アオサギ、ダイサギ、コサギなどの大型の鳥が目立つがシギチドリの姿がない。

2021年6月10日<8:15~9:55>晴れ
①キジ2 ②カルガモ9 ③キジバト3 ④カワウ1 ⑤アオサギ4 ⑥ダイサギ3
⑦イカルチドリ1 ⑧コチドリ3 ⑨トビ2 ⑩モズ1♂夏羽 ⑪ハシボソガラス6
⑫ヒバリ4 ⑬ツバメ14 ⑭イワツバメ35± ⑮ヒヨドリ3 ⑯ウグイス1
⑰セッカ6(幼鳥3) ⑱ムクドリ24 ⑲スズメ15 ⑳ハクセキレイ1 ㉑セグロセキレイ2
㉒カワラヒワ3(幼鳥) ㉓ホオジロ2 ㉔ドバト6 以上24種151羽 
<コメント>モズは浅川で越夏の記録があるが、今年はどうか。ウグイスの繁殖は不明。

2021年6月18日<8:15~9:45>晴れ
①キジ2♂ ②カルガモ5 ③キジバト4 ④カワウ2 ⑤アオサギ5 ⑥ダイサギ2
⑦コサギ1 ⑧トビ1 ⑨ハシボソガラス4 ⑩ヒバリ1 ⑪ツバメ5 ⑫イワツバメ40±
⑬ヒヨドリ8 ⑭ウグイス1 ⑮セッカ3 ⑯ムクドリ12 ⑰スズメ7 ⑱ハクセキレイ1
⑲セグロセキレイ2 ⑳カワラヒワ6(幼鳥5) ㉑ホオジロ2 ㉒ドバト4 
以上22種118羽 

2021年6月26日<8:05~9:30>晴れ 
①キジ2♂♀ ②カルガモ5 ③キジバト3 ④カワウ2 ⑤アオサギ3 ⑥ダイサギ3
⑦コサギ1 ⑧トビ1 ⑨カワセミ1 ⑩オナガ2 ⑪ハシボソガラス4 ⑫ヒバリ2
⑬ツバメ9 ⑭イワツバメ35 ⑮ヒヨドリ1 ⑯ウグイス2 ⑰セッカ1 ⑱ムクドリ43
⑲スズメ10 ⑳ハクセキレイ2 ㉑セグロセキレイ2 ㉒ホオジロ2 ㉓ドバト7
㉔ガビチョウ1 以上24種144羽 
<コメント>44年前の6月26日に比べると、当時定番のササゴイは現在は見ることので
きないサギになってしまった。それに比べサギ類では大型のアオサギ、ダイサギが元気だ。
今日はコチドリ、イカルチドリ、イソシギの姿がなかった、特にイソシギは年明けてから見ていない。