第5回
浅川の野鳥・今と昔
                         日野の自然を守る会 金子凱彦

昔(1976年)の浅川の調査記録と現在(2021年)の記録を比べながら、浅川の野鳥たち
の変遷をみてきました、今回で5回目です。
45年前と同じ調査地とコース 
 浅川は陣馬山麓に源を発し八王子市、日野市を流れ多摩川に合流する延長30kmの一級
河川です。調査方法は浅川左岸の日野市民プール(川辺堀之内190番地先)から上流の一
番橋を通り運動場・豊田児童グランド(多摩川から4.4kmの位置)までの1.5kmを歩き
ながら野鳥の種類と数を記録する。当時の堤防は現在のように舗装されていなく、自転車
で通るのも危険という時代もあったが、浅川をとりまく自然環境は今日と比べはるかに多
様性に富んでいました。

昔の<調査>結
1976年7月4日<6:30~8:00>くもり
①ゴイサギ1 ②ササゴイ1 ③コサギ1 ④カルガモ26 ⑤コジュケイ4 ⑥キジ1
➆コチドリ4 ⑧イソシギ1 ⑨キジバト15 ⑩カワセミ1 ⑪ヒバリ15 ⑫ツバメ6
⑬イワツバメ21 ⑭セグロセキレイ7 ⑮ヒヨドリ4 ⑯セッカ3 ⑰ホオジロ1
⑱カワラヒワ2 ⑲スズメ111 ⑳ムクドリ7 ㉑ハシボソガラス2 以上21種234羽
<コメント>現在ではあまり見られなくなった夏鳥のササゴイが健在であった。

1976年7月25日<6:30~8:00>晴れ 梅雨明け7/21
①カルガモ29 ②コジュケイ2 ③コチドリ2 ④イカルチドリ1 ⑤キアシシギ2
⑥イソシギ3 ➆キジバト22 ⑧ヒバリ7 ⑨ツバメ3 ⑩イワツバメ1 ⑪キセキレイ3
⑫セグロセキレイ5 ⑬ヒヨドリ3 ⑭セッカ2 ⑮カワラヒワ1 ⑯スズメ86
⑰ムクドリ15 ⑱ハシボソガラス2 以上18種189羽

今の<調査>結果
2021年7月6日<8:25~9:50>くもり
①キジ2 ②カルガモ11 ③キジバト6 ④カワウ1 ⑤アオサギ3 ⑥ダイサギ2
⑦カワセミ1♂ ⑧オナガ2 ⑨ハシブトガラス1 ⑩ハシボソガラス9 ⑪ヒバリ3
⑫ツバメ7 ⑬イワツバメ30 ⑭ヒヨドリ5 ⑮ウグイス1 ⑯セッカ1 ⑰ムクドリ5
⑱スズメ9 ⑲ハクセキレイ1 ⑳セグロセキレイ2 ㉑カワラヒワ12 ㉒ホオジロ2
㉓ドバト12 以上23種128羽

2021年7月25日<8:00~9:40>晴れ 梅雨明け7/16
①キジ4(成鳥雌1、幼鳥3) ②カルガモ2 ③キジバト5 ④カワウ1 ⑤アオサギ5
⑥ダイサギ5 ⑦コサギ1 ⑧イカルチドリ2 ⑨モズ1♂若鳥 ⑩ハシボソガラス4
⑪ヒバリ4 ⑫ツバメ9 ⑬イワツバメ6 ⑭ヒヨドリ5 ⑮ウグイス1 ⑯ムクドリ7
⑰スズメ22 ⑱ハクセキレイ4 ⑲セグロセキレイ3 ⑳カワラヒワ2 ㉑ホオジロ1
㉒ドバト8 以上22種97羽 
<コメント>同日の45年前と比べると…、
コチドリ、イカルチドリ、キアシシギが確認できなかったが、現在でも見ることができる
シギチです。
カワウ、アオサギは45年前には見ることができず、ダイサギはまだ珍しいサギでした。
グランドのフェンスに現れた今年生まれのモズの雄の若鳥(翼紋の白が鮮やか)は、嘴を
開けて夏の猛暑を耐え忍んでいました。近年浅川での越夏が記録されるようになっていま
す。

2021年7月29日<8:05~9:30>くもり
①カルガモ2 ②キジバト3 ③カワウ2 ④アオサギ5 ⑤ダイサギ3 ⑥ハシボソガラス6
➆ハシブトガラス3 ⑧ヒバリ2 ⑨ツバメ9 ⑩イワツバメ3 ⑪ヒヨドリ8 ⑫ウグイス1
⑬ムクドリ25 ⑮スズメ12 ⑯ハクセキレイ1 ⑰セグロセキレイ2 ⑱ホオジロ2
⑲ドバト5 以上19種95羽 
<コメント>
イワツバメは一番橋での繁殖が終わり、そろそろ浅川周辺では終認になるでしょう。
春先からウグイスの囀りを毎回聞いています、フィールドで繁殖をしているのでしょう。
45年前には夏の浅川のウグイスの記録はありませんでした。