第7回
浅川の野鳥・今と昔
                         日野の自然を守る会 金子凱彦

 昔(1976年)の浅川の調査記録と現在(2021年)の記録を比べながら、浅川の野鳥たち
の変遷をみてきました、今回で7回目です。
45年前と同じ調査地とコース 
 浅川は陣馬山麓に源を発し八王子市、日野市を流れ多摩川に合流する延長30kmの一級
河川です。調査方法は浅川左岸の日野市民プール(川辺堀之内190番地先)から上流の一
番橋を通り運動場・豊田児童グランド(多摩川から4.4kmの位置)までの1.5kmを歩き
ながら野鳥の種類と数を記録する。当時の堤防は現在のように舗装されていなく、自転車
で通るのも危険という時代もあったが、浅川をとりまく自然環境は今日と比べはるかに多
様性に富んでいました。

昔の<調査>結果
9月4日から23日に8回以上浅川に出ていた、さらに24日からは日本野鳥の会東京支部
主催の「仙台・蒲生海岸探鳥会」に参加した。当時は元気に鳥を追いかけまわしていた。
余談ながら、当時仙台までは上野から夜行列車に乗り(新幹線なし)、早朝仙台着、駅前で
始発のバスを待ち蒲生海岸へ。一日充分鳥見を楽しめた。

1976年9月5日<7:00~8:30>くもり
①ササゴイ2 ②コサギ13 ③コジュケイ1 ④イカルチドリ24 ⑤ムナグロ25 ⑥クサシギ3
⑦キアシシギ7 ⑧イソシギ9 ⑨キジバト5 ⑩ツバメ8 ⑪セグロセキレイ12 ⑫ヒヨドリ1
⑬モズ1高鳴き ⑭セッカ1 ⑮カワラヒワ1 ⑯スズメ238 ⑰ムクドリ4 ⑱ハシボソガラス3
以上18種358羽 
<コメント>
イカルチドリ多かった、10羽ほどの群れもあった。なお現在でも秋にイカルチドリの群れ
を見ることがある、移動の途中か?

1976年9月11日<7:00~8:40>くもり
①ササゴイ1幼鳥 ②コサギ14 ③コジュケイ1 ④イカルチドリ13 ⑤ムナグロ10 ⑥クサシギ2
⑦イソシギ7 ⑧タシギ1 ⑨キジバト10 ⑩カワセミ1 ⑪ヒバリ3 ⑫ツバメ32 ⑬キセキレイ1
⑭セグロセキレイ5 ⑮ヒヨドリ5 ⑯モズ3 ⑰セッカ1 ⑱ホオジロ1 ⑲カワラヒワ1 
⑳スズメ162 ㉑ムクドリ110± ㉒オナガ2 ㉓ハシボソガラス7 以上23種393羽 
<当時のNote>より
浅川左岸の日枝神社の森でムクドリ100羽ほどを数えたのでカウントに入れた。

1976年9月12日<7:10~8:40>くもり時々小雨
①ササゴイ3 ②コサギ16 ③コジュケイ1 ④イカルチドリ18 ⑤ムナグロ2 ⑥イソシギ5
⑦キジバト10 ⑧ヒバリ2 ⑨ツバメ10 ⑩イワツバメ5 ⑪キセキレイ1 ⑫ハクセキレイ1<初認>
⑬セグロセキレイ7 ⑭ヒヨドリ2 ⑮モズ2 ⑯カワラヒワ1 ⑰スズメ146 ⑱ムクドリ6
⑲オナガ2 ⑳ハシボソガラス4 以上20種244羽 番外テンニンチョウ1♂  
<コメント>
・今回もイカルチドリ多かった
・当時ハクセキレイは冬鳥であった、9月になると姿を見るようになる。
・テンニンチョウの雄が尾を優雅にひらひらさせながら一番橋左岸を下流方向に飛ぶ、一瞬
目を疑ったが間違いなし(当時のNoteより)。

1976年9月15日<7:00~8:40>晴れ
①ササゴイ4 ②コサギ16 ③カルガモ3 ④イカルチドリ12 ⑤ムナグロ21 ⑥クサシギ1 
⑦キアシシギ1 ⑧イソシギ6 ⑨タシギ1⑩キジバト5 ⑪カワセミ1 ⑫ヒバリ2 ⑬ツバメ3
⑭セグロセキレイ8 ⑮ヒヨドリ2 ⑯モズ1 ⑰セッカ1 ⑱ホオジロ1 ⑲カワラヒワ2 
⑳スズメ132 ㉑ムクドリ7 ㉒オナガ1 以上21種231羽 

1976年9月18日<7:10~8:40>晴れ
①ササゴイ2 ②チュウサギ1 ③コサギ19 ④カルガモ52 ⑤コガモ9<初認> 
⑥イカルチドリ27 ⑦ムナグロ8 ⑧クサシギ1 ⑨イソシギ7 ⑩タシギ1 ⑪キジバト15
⑫カワセミ1 ⑬ヒバリ6 ⑭ツバメ6 ⑮セグロセキレイ8 ⑯ヒヨドリ2 ⑰モズ2 ⑱セッカ2
⑲シジュウカラ1 ⑳ホオジロ1 ㉑カワラヒワ2 ㉒スズメ223 ㉓ムクドリ10 ㉔オナガ1
㉕ハシボソガラス2 以上25種409羽
<コメント>
チュウサギを観察する、現在でも9月になると数は少ないが本種の観察がある。

1976年9月23日<7:30~9:00>晴れ
富士山がきれいに見える、初冠雪は9月22日。今年(2021年)は9月26日であった。
①コサギ14 ②カルガモ52 ③コガモ35 ④キジ3 ⑤イカルチドリ13 ⑥ムナグロ15 
⑦イソシギ7 ⑧キジバト9 ⑨ヒバリ9 ⑩ツバメ3 ⑪キセキレイ2 ⑫セグロセキレイ5
⑬ヒヨドリ1 ⑭モズ3 ⑮ホオジロ2 ⑰カワラヒワ1 ⑱スズメ231 ⑲ムクドリ5 ⑳オナガ1
㉑ハシボソガラス1  以上21種412羽 
<コメント>
・9月のイカルチドリが多かった。5日24羽、11日13羽、12日18羽、15日12羽、18日27羽、
23日13羽。なお10月まで多かった。現在では想像できない数である。
・9月のムナグロも多かった。来月(10月)にまとめて報告する。この種も現在では極少
数になった。

今の<調査>結果
45年前の9月には6回のセンサスの記録が残っている、浅川に出るのがよほど面白かった
のであろう。これに挑戦して今月は同じ回数、同じ日に近づけるようにしたが、天気不順
な日が多くうまくいかなかった。

2021年9月6日<8:25~9:50>くもり
①キジバト6 ②カワウ4 ③ゴイサギ1(幼鳥) ④ササゴイ1(幼鳥) ⑤アオサギ6
⑥ダイサギ4 ⑦コサギ5 ⑧イソシギ1 ⑨モズ1 ⑩ハシボソガラス5 ⑪ヒバリ2 ⑫ツバメ1
⑬コシアカツバメ1 ⑭ヒヨドリ2 ⑮ムクドリ1 ⑯スズメ20 ⑰ハクセキレイ1 
⑱セグロセキレイ1 ⑲ホオジロ1 ⑳ドバト3 以上20種67羽 
<コメント>
久しぶりに45年前と同じようにササゴイの幼鳥を日枝神社前の水門で観察する。そしてゴ
イサギの幼鳥も久しぶりであった。

2021年9月15日<8:30~9:55>晴れ
①キジ8 ②キジバト6 ③カワウ1 ④アオサギ4 ⑤ダイサギ6 ⑥コサギ1 ⑦ミサゴ1
⑧トビ1 ⑨モズ3(高鳴き2) ⑩シボソガラス3 ⑪ヒヨドリ1 ⑫ムクドリ4 ⑬スズメ5
⑭ハクセキレイ2 ⑮セグロセキレイ3 ⑯ドバト5 以上16種54羽 
<コメント>
近年浅川でもミサゴが観察されるようになっている。45年前はどうだったのか。

2021年9月19日<8:25~9:50>晴れ
①キジバト4 ②カワウ1 ③アオサギ4 ④ダイサギ3 ⑤コサギ1 ⑥モズ1♂ 
⑦ハシボソガラス2 ⑧ヒバリ1 ⑨ツバメ1 ⑩ヒヨドリ4 ⑪ムクドリ17 ⑫スズメ38
⑬ハクセキレイ3 ⑭セグロセキレイ3 ⑮ドバト7 以上15種90羽 
<コメント>
ツバメをかろうじて1羽観察する。前回(9/15)ゼロであった、例年9月にはまだツバメ
を見るのだが…。

2021年9月23日<8:30~9:50>晴れ
①キジ1♂ ②キジバト3 ③カワウ2 ④アオサギ4 ⑤ダイサギ4 ⑥コサギ2 ⑦モズ2(1♀)
⑧ハシボソガラス3 ⑨ヒバリ5 ⑩ヒヨドリ2 ⑪セッカ1 ⑫スズメ10 ⑬ハクセキレイ2
⑭セグロセキレイ1 ⑮カワラヒワ1 ⑯ドバト3 ⑰ガビチョウ1   以上17種47羽 
<コメント>
・今年生まれの若いアオサギが水辺の木立の日陰にたたずんでいた。市内の多摩動物公園
では今年もアオサギの営巣があったようだ。
・浅川左岸の日枝神社でモズの高鳴きを9/15同様に聞くが姿確認できず、ただ隣接する人
家のTVアンテナで雌の姿を見る、神社の個体ではないか。後日確認する。

2021年9月日27日<8:30~10:00>くもり
①キジ3 ②カルガモ2 ③キジバト5 ④アオサギ4 ⑤ダイサギ7 ⑥チュウサギ1
⑦コサギ2 ⑧モズ2♂ ⑨ハシボソガラス6 ⑩ヒバリ2 ⑪ヒヨドリ1 ⑫ムクドリ55
⑬スズメ70 ⑭ハクセキレイ2 ⑮セグロセキレイ3 ⑯カワラヒワ3 ⑰ホオジロ2
⑱ドバト11 以上18種181羽 
<コメント>
・サギ4種が揃う、今の季節(秋)だからだ。
・ムクドリは40羽ほどの群れが電線に並ぶ、スズメは20羽ほどの群れが幾つかあった。2種
で合計125羽を数えたので、9月で最も多い数になった。とはいえ45年前の比でない。

2021年9月日30日<8:20~9:55>くもり
①カルガモ3 ②キジバト4 ③アオサギ3 ④ダイサギ8 ⑤コサギ1 ⑥トビ1 ⑦カワセミ1
⑧モズ4(2♂1♀) ⑨ハシボソガラス8 ⑩ハシブトガラス3 ⑪ヒバリ4 ⑫ヒヨドリ15
⑬ムクドリ15 ⑭スズメ30 ⑮キセキレイ1 ⑯ハクセキレイ1 ⑰セグロセキレイ3
⑱カワラヒワ16 ⑲ドバト8 以上19種159羽 
<コメント>
・モズは始点のプールから上流の一番橋の区間(約1000m)で♂、♀、♂、♂の4羽を観察
している、まだこれからテリトリーは変わるか。45年前と違い堤防わきまで人家があるの
でモズは見つけやすい。
・やった!45年前同様に9月に6回のセンサスを完了する。暇だなあ~?いや努力賞だ。