第8回
浅川の野鳥・今と昔
                          日野の自然を守る会 金子凱彦

 昔(1976年)の浅川の調査記録と現在(2021年)の記録を比べながら、浅川の野鳥たち
の変遷をみてきました、今回で8回目です。
45年前と同じ調査地とコース 
 浅川は陣馬山麓に源を発し八王子市、日野市を流れ多摩川に合流する延長30kmの一級
河川です。調査方法は浅川左岸の日野市民プール(川辺堀之内190番地先)から上流の一
番橋を通り運動場・豊田児童グランド(多摩川から4.4kmの位置)までの1.5kmを歩き
ながら野鳥の種類と数を記録する。当時の堤防は現在のように舗装されていなく、自転車
で通るのも危険という時代もあったが、浅川をとりまく自然環境は今日と比べはるかに多
様性に富んでいた。

昔の<調査>結果
76年10月3日<7:30~9:00>小雨のち晴れ
①ササゴイ2 ②コサギ13 ③カルガモ41 ④コガモ11 ⑤オナガガモ15<初認>
⑥キジ5(1♂4♀) ⑦イカルチドリ7 ⑧ムナグロ9 ⑨イソシギ4 ⑩タシギ1 
⑪キジバト10 ⑫ヒバリ1 ⑬ツバメ12 ⑭キセキレイ3 ⑮ハクセキレイ3
⑯セグロセキレイ12 ⑰ヒヨドリ1 ⑱モズ5 ⑲ホオジロ1 ⑳カワラヒワ3 ㉑スズメ137±
㉒ムクドリ36 ㉓ハシボソガラス1 以上23種333羽、番外ベニスズメ1♂ 
<当時のNote>
ベニスズメ1♂を観察する。用水付近の中州にて巣材の枯草を運んでいた。前回のセンサス
の時(9/23)も同地にてベニスズメのチーチーチーの細い声を聞いたが、姿は確認できな
かった。今回も中州まで水深が深く長靴では渡れないので近寄れなかった。

1976年10月10日<7:20~9:00>くもりのち晴れ 
昨日の雨のため水量多く長靴で渡れない所あり
①コサギ15 ②マガモ3 ③カルガモ62± ④コガモ45± ⑤コジュケイ1
⑥イカルチドリ19 ⑦ムナグロ27 ⑧イソシギ3 ⑨キジバト10 ⑩ヒバリ5
⑪ツバメ5 ⑫キセキレイ7 ⑬ハクセキレイ8 ⑭セグロセキレイ14 ⑮ヒヨドリ2
⑯モズ5 ⑰ホオジロ1 ⑱カワラヒワ1 ⑲スズメ196± ⑳ムクドリ22 ㉑オナガ1
㉒ハシボソガラス2 ㉓カケス2 以上23種456羽

1976年10月16日<7:30~9:00>小雨
調査地に着いた7:30ごろより小雨、8時より本降りになる。着ていたヤッケがびっしょりに
なった。
①コサギ16 ②マガモ2 ③カルガモ80± ④コガモ60± ⑤オナガガモ13 ⑥キジ1♀
⑦イカルチドリ15 ⑧ムナグロ20 ⑨イソシギ5 ⑩タシギ1 ⑪キジバト22 ⑫ヒバリ3
⑬キセキレイ9 ⑭ハクセキレイ16 ⑮セグロセキレイ10 ⑯モズ3 ⑰ホオジロ1
⑱カワラヒワ13 ⑲スズメ192±⑳ムクドリ42 ㉑オナガ1 ㉒ハシボソガラス2 
以上22種527羽 

1976年10月23日<7:30~9:10>うす曇り
①コサギ13 ②マガモ3 ③カルガモ96± ④コガモ72± ⑤オナガガモ9 ⑥イカルチドリ15
⑦クサシギ1 ⑧イソシギ6 ⑨タシギ3 ⑩ムナグロ19 ⑪キジバト3 ⑫カワセミ2
⑬ヒバリ22 ⑭キセキレイ4 ⑮ハクセキレイ30 ⑯セグロセキレイ16 ⑰ヒヨドリ13
⑱モズ4 ⑲ウグイス1 ⑳セッカ1 ㉑ホオジロ2 ㉒カシラダカ1 ㉓カワラヒワ171±
㉔スズメ139± ㉕ムクドリ38 ㉖オナガ1 ㉗ハシボソガラス6 
以上27種691羽
<当時のNoto>ヨリ
・本日は種数多く、久しぶりにクサシギを確認したりカワセミを2羽同時に観察したり(初
 記録)楽しいカウントであった。
・ヒバリ多い、気温が高いためか? <コメント>ただ22羽とは、現在では考えられない
 がNoteに記してあるのでそのまま載せた。
・ハクセキレイ多くなる。<今月の記録>10/3)3羽 10/10)8羽 10/16)16羽 10/23)30羽
 10/30)18羽 ⇒当時のセキレイ類の多さに驚く
・カワラヒワ急激に増える。50羽ほどの群れが舞うのでスズメかと思ったらカワラヒワで
 あった。本日はスズメより多かった。

1976年10月30日<記載なし>晴れ
①コサギ12 ②カルガモ53+ ③コガモ79± ④オナガガモ7 ⑤ムナグロ4 ⑥イソシギ6
⑦タシギ4 ⑧ユリカモメ59± ⑨キジバト20 ⑩ヒバリ13 ⑪キセキレイ5 ⑫ハクセキレイ18
⑬セグロセキレイ12 ⑭タヒバリ7(初認) ⑮ヒヨドリ2 ⑯モズ4 ⑰セッカ1 ⑱ホオジロ2
⑲カシラダカ2 ⑳カワラヒワ85± ㉑スズメ92± ㉒ムクドリ52 ㉓オナガ20
㉔ハシボソガラス4 以上24種563羽
<当時のNote>ヨリ
・ユリカモメは川を上下しており、水面で休んでいる個体もあるのでダブりがあると思う。
 上流へ飛ぶ31羽、下流へ17羽、休息11羽合計59羽 ※初認は10月21日であったがカウント
 では本日が初めてである。
<コメント>
1970年代ムナグロが多かったのでまとめた。現在浅川では少ない旅鳥であるが、昔は10月ま
で観察できた。1980年代になるとどう変わるか?

 
●今の<調査>結果
2021年10月4日<8:20~9:50>晴れ
①キジ1 ②カルガモ2 ③キジバト6 ④アオサギ3 ⑤ダイサギ5 ⑥コサギ1 ⑦トビ2
⑧モズ2 ⑨ハシボソガラス4 ⑩ツバメ2 ⑪ヒヨドリ7 ⑫ムクドリ31 ⑬スズメ22
⑭ハクセキレイ1 ⑮セグロセキレイ2 ⑯カワラヒワ5 ⑰ホオジロ1 ⑱ドバト3
以上18種100羽 

2021年10月11日<8:50~10:25>晴れ
①キジバト3 ②アオサギ4 ③ダイサギ ④コサギ2 ⑤ミサゴ1 ⑥トビ1
⑦モズ4(3♂、1♀) ⑧シボソガラス3 ⑨ハシブトガラス2 ⑩ヒバリ1 ⑪ヒヨドリ13
⑫ムクドリ2 ⑬スズメ12 ⑭ハクセキレイ2 ⑮セグロセキレイ2 ⑯ドバト3 
以上16種59羽 
<コメント>
市民プール上空をミサゴがゆっくり旋回し北に姿を消した。秋の青空をバックに下面の白
と黒の模様が鮮やかであった。本種は先月9/15にも観察をしている。

2021年10月21日<8:40~10:20>くもり
①キジバト3 ②アオサギ4 ③ダイサギ7 ④コサギ1 ⑤トビ1 ⑥カワセミ1♂
⑦モズ3(1♂) ⑧ハシボソガラス10 ⑨ヒバリ1 ⑩ヒヨドリ83± ⑪ムクドリ60±
⑫スズメ8 ⑬ハクセキレイ4 ⑭セグロセキレイ1 ⑮カワラヒワ2 ⑯ホオジロ1
 ⑰ドバト3 以上17種193羽
<コメント>
ヒヨドリの秋の渡りを観察する。左岸から右岸(南)に40羽ほどの群れと30羽の群れが
浅川を横切る。45年前の10月には渡りらしき記録はないが‥…。

2021年10月30日<8:25~10:10>晴れ
①キジバト1 ②カワウ1 ③ゴイサギ1幼鳥 ④アオサギ6 ⑤ダイサギ3 ⑥トビ2
➆カワセミ1♂ ⑧モズ2(1♂) ⑨ハシボソガラス5 ⑩ヒバリ2 ⑪ヒヨドリ18
⑫エナガ8 ⑬セッカ2 ⑭スズメ14 ⑮ハクセキレイ6 ⑯セグロセキレイ1
⑰ホオジロ2 ⑱ドバト5 ⑲ガビチョウ1 以上19種81羽
<コメント>
・水辺から離れた草地からゴイサギがふわっと飛び出す。
・左岸の日枝神社前をエナガの群れが通過する。45年前はもちろん現在でも初記録である。