第9回
浅川の野鳥・今と昔
                          日野の自然を守る会 金子凱彦

 昔(1976年)の浅川の調査記録と現在(2021年)の記録を比べながら、浅川の野鳥たち
の変遷をみてきました、今回で8回目です。
45年前と同じ調査地とコース 
 浅川は陣馬山麓に源を発し八王子市、日野市を流れ多摩川に合流する延長30kmの一級
河川です。調査方法は浅川左岸の日野市民プール(川辺堀之内190番地先)から上流の一
番橋を通り運動場・豊田児童グランド(多摩川から4.4kmの位置)までの1.5kmを歩き
ながら野鳥の種類と数を記録する。当時の堤防は現在のように舗装されていなく、自転車
で通るのも危険という時代もあったが、浅川をとりまく自然環境は今日と比べはるかに多
様性に富んでいた。

昔の<調査>結果
1976年11月6日<7:30~9:20>くもり
①コサギ9 ②カルガモ68± ③コガモ105± ④オナガガモ72± ⑤チョウゲンボウ1
⑥イカルチドリ2 ⑦イソシギ3 ⑧タシギ2 ⑨ユリカモメ32 ⑩キジバト25 ⑪カワセミ1
⑫ヒバリ1 ⑬キセキレイ10 ⑭ハクセキレイ17 ⑮セグロセキレイ21 ⑯タヒバリ26
⑰ヒヨドリ4 ⑱モズ3 ⑲ホオジロ1 ⑳ホオアカ1 ㉑カシラダカ13 ㉒アオジ7
㉓カワラヒワ153± ㉔スズメ303± ㉕ムクドリ8 ㉖ハシボソガラス3 
以上26種891羽
<当時のNote>
ユリカモメ32羽は、上流へ飛ぶ21羽、下流へ向かうが11羽であった。ダブリがあると思うが
上下を合算して記録している。

1976年11月14日<13:40~15:30>くもり
午前中雨、午後雨止んだので浅川に出る。川の水量多い。
①ゴイサギ1幼鳥 ②コサギ9 ③カルガモ52+ ④コガモ83+ ⑤オナガガモ17
⑥クサシギ1⑦イソシギ7 ⑧タシギ6 ⑨ユリカモメ20 ⑩キジバト10 ⑪カワセミ1
⑫ヒバリ3 ⑬キセキレイ2 ⑭ハクセキレイ14 ⑮セグロセキレイ23 ⑯タヒバリ68
⑰ヒヨドリ5 ⑱モズ2 ⑲ホオジロ1 ⑳カシラダカ39 ㉑アオジ6 ㉒カワラヒワ80
㉓スズメ683± ㉔ムクドリ6 ㉖ハシボソガラス11 以上26種1152羽 ←OK
<コメント>
タヒバリの68羽、現在では信じられないのだが、記録にあるのでそのまま記載した。
<タヒバリの記録・初認10/30~終認4/29まで>
10/30)7羽(初認)、11/6)26羽、11/14)68羽、11/20)46羽、11/21)42羽、12/11)42羽、
12/19)42羽、12/26)45羽
1978年1/3)39羽、1/6)36羽、1/8)31羽、1/16)24羽、1/29)11羽、1/30)24羽、2/12)21羽、
2/20)24羽、2/26)17羽、3/6)26羽、3/12)27羽、3/19)34羽、3/26)20羽、4/2)27羽、
4/10)31羽、4/17)5羽、4/23)2羽、 4/29)4羽(終認)

1976年11月20日<7:25~9:00>くもりのち雨 
①ゴイサギ1 ②コサギ10 ③マガモ5 ④カルガモ82 ⑤コガモ104 ⑥オナガガモ52
⑦チョウゲンボウ1 ⑧イカルチドリ2 ⑨イソシギ3 ⑩タシギ3 ⑪ユリカモメ34
⑫キジバト12 ⑬ヒバリ1 ⑭キセキレイ1 ⑮ハクセキレイ9 ⑯セグロセキレイ19
⑰タヒバリ46 ⑱ヒヨドリ3 ⑲モズ3 ⑳ツグミ8 ㉑ホオジロ5 ㉒ホオアカ1
㉓カシラダカ22 ㉔アオジ4 ㉕カワラヒワ137 ㉖スズメ341± ㉗ムクドリ26
㉘オナガ2 ㉙ハシボソガラス1 以上29種937羽 

今の<調査>結果
2021年11月6日<8:30~10:10>晴れ
①カルガモ3 ②キジバト2 ③カワウ1 ④アオサギ4 ⑤ダイサギ6 ⑥トビ1
➆カワセミ1 ⑧モズ2 ⑨ハシボソガラス7 ⑩ハシブトガラス2 ⑪ヒバリ1
⑫ヒヨドリ8 ⑬ムクドリ6 ⑭イソヒヨドリ1♀ ⑮スズメ18 ⑯ハクセキレイ4
⑰セグロセキレイ2 ⑱カワラヒワ4 ⑲ホオジロ2 ⑳ドバト2 ㉑ガビチョウ1
以上21種78羽 
<コメント>
45年前に浅川にはいなかったイソヒヨドリが電線に止まっていた。近年見るようになる。

2021年11月12日<8:25~10:10>晴れ
①カルガモ2 ②キジバト2 ③カワウ1 ④アオサギ3 ⑤ダイサギ7 ⑥タシギ1
⑦トビ1 ⑧モズ2(1♂) ⑨ハシボソガラス3 ⑩ヒヨドリ53 ⑪セッカ1
⑫ムクドリ15 ⑬ジョウビタキ1♂ ⑭スズメ16 ⑮ハクセキレイ6 ⑯セグロセキレイ2
⑰カワラヒワ8⑱ホオジロ3 ⑲ドバト16  以上19種95羽 
<コメント>
久しぶりにタシギが飛ぶ、45年前には毎回普通に観察で来た鳥であったが、近年は極珍し
くなった。

2021年11月20日<9:05~10:40>晴れ
①キジバト3 ②アオサギ3 ③ダイサギ5 ④トビ1 ⑤カワセミ1 ⑥モズ2♂
⑦ハシボソガラス5 ⑧ハシブトガラス2 ⑨シジュウカラ1 ⑩ヒバリ3 ⑪ヒヨドリ3
⑫ツグミ1 ⑬スズメ12 ⑭キセキレイ1 ⑮ハクセキレイ3 ⑯セグロセキレイ2
⑰カワラヒワ3 ⑱ホオジロ2 ⑲ドバト25 以上19種78羽 
<コメント>
電線に止まるツグミを今冬初めて観察する、冬到来。キセキレイを久しぶりに観察するが、
フィールドでは極少なくなった鳥である。

2021年11月25日<8:35~10:25>晴れ
①キジバト2 ②カワウ2 ③アオサギ4 ④ダイサギ4 ⑤コサギ1 ⑥タシギ1 ⑦トビ1
⑧カワセミ2 ⑨チョウゲンボウ1 ⑩モズ1♂ ⑪ハシボソガラス2 ⑫ヒバリ3
⑬ヒヨドリ3 ⑭セッカ2 ⑮ムクドリ15 ⑯スズメ16 ⑰ハクセキレイ4
⑱セグロセキレイ2 ⑲カワラヒワ2 ⑳ホオジロ3 ㉑カシラダカ6 ㉒アオジ1
㉓ドバト8
以上23種87羽 
<コメント>
この調査では市民プール前の河川敷を歩くのでヒバリとの出会いが多々ある。越冬してい
るであろう。
冬鳥のカシラダカ、アオジを観察する。45年前も定番の鳥であった。