第11回
浅川の野鳥・今と昔
                          日野の自然を守る会 金子凱彦

 昔(1976年)の浅川の調査記録と現在(2021年)の記録を比べながら、浅川の野鳥たち
の変遷をみてきました、今回で10回目です。
45年前と同じ調査地とコース 
 浅川は陣馬山麓に源を発し八王子市、日野市を流れ多摩川に合流する延長30kmの一級
河川です。調査方法は浅川左岸の日野市民プール(川辺堀之内190番地先)から上流の一
番橋を通り運動場・豊田児童グランド(多摩川から4.4kmの位置)までの1.5kmを歩き
ながら野鳥の種類と数を記録する。当時の堤防は現在のように舗装されていなく、自転車
で通るのも危険という時代もあったが、浅川をとりまく自然環境は今日と比べはるかに多
様性に富んでいた。

昔の<調査>結果
1977年1月3日<7:55~9:30>日の出6:51 晴れ
①ダイサギ3 ②コサギ9 ③カルガモ29 ④コガモ101± ⑤オナガガモ64
⑥キジ1♀ ⑦イソシギ3 ⑧タシギ1 ⑨ユリカモメ174 ⑩キジバト21 ⑪カワセミ1
⑫ヒバリ8 ⑬ハクセキレイ18 ⑭セグロセキレイ12 ⑮タヒバリ39 ⑯ヒヨドリ2
⑰モズ3 ⑱ツグミ23 ⑲ホオジロ7 ⑳カシラダカ8 ㉑アオジ1 ㉒カワラヒワ296±
㉓スズメ178+ ㉔ムクドリ17 ㉕ハシボソガラス4  以上25種1023羽
<当時のNote>
〇浅川左岸から300mほど離れた竹林で30羽以上のゴイサギを見るが、浅川では本日観察
できなかった。なお1月6日にはこの竹林で43羽+を数える。

1977年1月8日<8:15~9:50>晴れ
①ゴイサギ1 ②ダイサギ1 ③コサギ8 ④カルガモ31 ⑤コガモ106 ⑥ヒドリガモ12
⑦オナガガモ102± ⑧キジ1♂ ⑨イソシギ2 ⑩タシギ1 ⑪ユリカモメ89
⑫キジバト22 ⑬ヒバリ11 ⑭ハクセキレイ21 ⑮セグロセキレイ11 ⑯タヒバリ31
⑰ヒヨドリ3 ⑱モズ4(1♂1♀) ⑲ツグミ18 ⑳ホオジロ10 ㉑ホオアカ3
㉒カシラダカ37+ ㉓アオジ2 ㉔カワラヒワ149+ ㉕スズメ332+ ㉖ムクドリ14
以上26種1022羽
<当時のNote>
〇スズメが多い、枯草に止まった一部を数えただけでも150羽、その倍はいるであろう。

1977年1月16日<7:55~9:30>晴れ
①ダイサギ1 ②コサギ8 ③カルガモ26 ④コガモ104 ⑤ヒドリガモ30
⑥オナガガモ91 ⑦キジ1♂ ⑧イソシギ4 ⑨タシギ2 ⑩ユリカモメ52 ⑪キジバト25
⑫カワセミ1 ⑬ヒバリ10 ⑭キセキレイ1 ⑮ハクセキレイ19 ⑯セグロセキレイ8
⑰タヒバリ24 ⑱ヒヨドリ2 ⑲モズ1♀ ⑳ツグミ17 ㉑ホオジロ5 ㉒カシラダカ21+
㉓アオジ2 ㉔カワラヒワ97+ ㉕スズメ46 ㉖ムクドリ9 ㉗ハシボソガラス2
以上27種609羽
<当時のNote>
〇ヒバリ5羽の群れで飛ぶ、チョット囀る。

1977年1月30日<8:10~9:40>くもり
①ダイサギ1 ②コサギ6 ③カルガモ22 ④コガモ110 ⑤ヒドリガモ42
⑥オナガガモ86 ⑦チョウゲンボウ1 ⑧キジ2♀ ⑨イカルチドリ3 ⑩イソシギ3
⑪タシギ2 ⑫ユリカモメ15 ⑬キジバト17 ⑭ヒバリ10 ⑮ハクセキレイ14
⑯セグロセキレイ11 ⑰タヒバリ24 ⑱ヒヨドリ1 ⑲ツグミ22 ⑳ホオジロ7
㉑ホオアカ1 ㉒カシラダカ32 ㉓アオジ1 ㉔カワラヒワ194+ ㉕スズメ131+
㉖ムクドリ16 ㉗ハシボソガラス2    以上27種776羽
<当時のNote>
〇スズメとカワラヒワの群れ(数百羽)やキジバト、ツグミ等が舞い上がるので注意して
観察するとチョウゲンボウの姿有り。左岸の畑の上空でホバリングを繰り返していた。本
種を見るのは久しぶりだ。
〇ユリカモメが急に少なくなった。

今の<調査>結果
2022年1月3日<8:35~10:20>晴れ

①キジバト4 ②カワウ2 ③アオサギ2 ④ダイサギ5 ⑤タシギ1 ⑥トビ2 ⑦カワセミ1
⑧チョウゲンボウ1 ⑨モズ3(1♂1♀) ⑩ハシボソガラス6 ⑪シジュウカラ2
⑫ヒヨドリ6 ⑬セッカ1 ⑭ムクドリ4 ⑮ツグミ1 ⑯ジョウビタキ3(2♂1♀)
⑰スズメ8 ⑱ハクセキレイ3 ⑲セグロセキレイ1 ⑳カワラヒワ18 ㉑ホオジロ3
㉒カシラダカ3 ㉓ドバト18  以上23種98羽
<コメント>
〇一番橋の真下を上流から下流にチョウゲンボウが通過する、幼鳥のようであった。なお
翌4日には橋近くの電線に長時間止まる幼鳥を見ている。
〇今日もタシギを観察する、今年は1羽がフィールド内で越冬しているようだ。

2022年1月12日<8:35~10:15>晴れ
①キジ1♂ ②カルガモ1 ③キジバト3 ④カワウ8 ⑤アオサギ4 ⑥ダイサギ3
⑦イカルチドリ1 ⑧トビ1 ⑨モズ5(4♂) ⑩ハシボソガラス6 ⑪ヒバリ5
⑫ヒヨドリ4 ⑬ムクドリ18 ⑭ツグミ1 ⑮ジョウビタキ1♂ ⑯スズメ29
⑰ハクセキレイ3 ⑱セグロセキレイ2 ⑲タヒバリ1 ⑳カワラヒワ13 ㉑ホオジロ3
㉒ドバト6  
以上21種119羽
<コメント>
〇グランドで採食しているツグミを1羽観察するが、今冬ほとんど見ない、声も聞かない。
〇タヒバリをやっと?1羽河川の中州で確認する。付近を探すが1羽のみであった。45年
前は毎回多くのタヒバリが観察されていたが、浅川で激減したセキレイの仲間である。

2022年1月22日<8:50~10:30>晴れ
①キジバト6 ②カワウ10 ③アオサギ5 ④ダイサギ6 ⑤トビ1 ⑥カワセミ2(1♂)
⑦モズ5(4♂) ⑧ハシボソガラス7 ⑨ヒバリ5 ⑩ヒヨドリ7 ⑪メジロ2
⑫ムクドリ10 ⑬スズメ82+ ⑭ハクセキレイ4 ⑮セグロセキレイ3 ⑯カワラヒワ4
⑰ホオジロ2 ⑱カシラダカ15 ⑲ドバト22  以上19種200羽
<コメント>
〇カワウは上下に飛ぶ姿をたびたび観察するがフィールド内の着水個体はなかった。潜水
をして餌をとっている姿を見ることはなかった。
〇スズメの群れに混じるカシラダカの姿を見る。やっと観察できた!との感がある、減っ
ている冬鳥?

2022年1月28日<8:50~10:40>晴れ
①キジバト4 ②カワウ60 ③アオサギ5 ④ダイサギ7 ⑤トビ1 ⑥モズ2(1♂)
⑦ハシボソガラス4 ⑧ハシブトガラス2 ⑨ヒバリ3 ⑩ヒヨドリ5 ⑪ムクドリ13
⑫ツグミ4 ⑬ジョウビタキ2♀ ⑭スズメ7 ⑮ハクセキレイ3 ⑯セグロセキレイ2
⑰タヒバリ1 ⑱カワラヒワ6 ⑲ホオジロ1 ⑳カシラダカ1 ㉑ドバト24  
以上21種104羽
<コメント>
〇市民プール下流側の空き地でヒバリがせっせと採食していた。前回は4羽であったが今
日は3羽の姿を見る。越冬個体が毎日ここに飛来しているようである。
〇ツグミが増えた。11月20日1羽(初認)、25日ゼロ、12月15日ゼロ、25日2羽、
1月3日ゼロ、12日1羽、19日1羽、22日ゼロ、そして本日29日は5羽になる。
〇タヒバリ1羽を確認する、今冬2回目の観察である。
〇カシラダカは1羽で行動していた。