第13回
浅川の野鳥・今と昔
                           日野の自然を守る会 金子凱彦

 昔(1977年)の浅川の調査記録と現在(2022年)の記録を比べながら、浅川の野鳥たち
の変遷をみています。
45年前と同じ調査地とコース 
 浅川は陣馬山麓に源を発し八王子市、日野市を流れ多摩川に合流する延長30kmの一級
河川です。調査方法は浅川左岸の日野市民プール(川辺堀之内190番地先)から上流の一
番橋を通り運動場・豊田児童グランド(多摩川から4.4kmの位置)までの1.5kmを歩き
ながら野鳥の種類と数を記録する。当時の堤防は現在のように舗装されていなく、自転車
で通るのも危険という時代もあったが、浅川をとりまく自然環境は今日と比べはるかに多
様性に富んでいた。

昔の<調査>結果
1977年3月6日<7:40~9:25>快晴、風ないが寒い 
※4日に小雪、水溜まりや川のふちに氷が張っている
①コサギ27 ②カルガモ68 ③コガモ134 ④ヒドリガモ3 ⑤オナガガモ165 ⑥コジュケイ1
⑦イカルチドリ6 ⑧イソシギ1 ⑨タシギ1 ⑩ユリカモメ1 ⑪キジバト38 ⑫ヒバリ12
⑬ハクセキレイ15 ⑭セグロセキレイ4 ⑮タヒバリ26 ⑯ヒヨドリ1 ⑰モズ1♂ ⑱ツグミ41
⑲ウグイス1 ⑳シジュウカラ1 ㉑ホオジロ6 ㉒ホオアカ1 ㉓カシラダカ40 ㉔アオジ4
㉕カワラヒワ116 ㉖スズメ192+ ㉗ムクドリ15 ㉘ハシボソガラス6  以上28種927羽
<当時のNote>
〇コサギが27羽と多かった。先月は2月12日9羽、20日13羽、26日8羽であった。
〇ヒバリ、ウグイス、シジュウカラ、ホオジロが囀っていた、アオジは藪の中でなく明る
い所や高い枯草の上を活発に飛び回っていた。本日は快晴であるが、まだ寒い。
〇スズメ、カワラヒワは小さな群れになっている。

1977年3月12日<7:25~9:10>くもりのち晴れ 寒い
①コサギ13 ②カルガモ54 ③コガモ77 ④ヒドリガモ39 ⑤オナガガモ222±
⑥チョウゲンボウ1 ⑦コジュケイ1 ⑧クイナ1 ⑨イカルチドリ4 ⑩イソシギ1 ⑪タシギ2
⑫ユリカモメ1 ⑬キジバト32 ⑭ヒバリ11 ⑮ハクセキレイ15 ⑯セグロセキレイ1
⑰タヒバリ27 ⑱ヒヨドリ1 ⑲モズ2♂ ⑳ツグミ36 ㉑ホオジロ14 ㉒ホオアカ1
㉓カシラダカ54+ ㉔アオジ3 ㉕カワラヒワ158+ ㉖スズメ141+ ㉗ムクドリ14
㉘ハシボソガラス12   以上28種938羽  
<当時のNote>
〇久しぶりにクイナを観察する。昨年12月26日以来である。
〇浅川左岸から300mほどの離れた竹林でゴイサギ67羽ほど、コサギ16羽を数える。
(10時ごろ浅川センサスの帰りに寄る)


1977年3月19日<7:40~9:20>くもり
昨日雨、今日も雨が降りそう、焦った。
①ダイサギ1 ②コサギ9 ③マガモ2♂♀ ④カルガモ52 ⑤コガモ179 ⑥ヒドリガモ15
⑦オナガガモ162 ⑧ハシビロガモ2♂♀ ⑨コジュケイ2 ⑩クイナ1 ⑪イカルチドリ4
⑫イソシギ3 ⑬タシギ3 ⑭ユリカモメ6 ⑮キジバト30 ⑯カワセミ1 ⑰ヒバリ11
⑱ツバメ3 ⑲ハクセキレイ14 ⑳セグロセキレイ2 ㉑タヒバリ34 ㉒ヒヨドリ1
㉓モズ1♂ ㉔ジョウビタキ1♂ ㉕ツグミ42 ㉖ウグイス1 ㉗セッカ1 ㉘ホオジロ9
㉙ホオアカ1 ㉚カシラダカ17+ ㉛アオジ3 ㉜カワラヒワ51+ ㉝スズメ146+
㉞ムクドリ21 ㉟ハシボソガラス3   以上35種834羽 
<当時のNote>
〇水面を上流に飛ぶツバメを確認する、浅川での初記録だ。
〇まだ囀っていないがセッカが盛んに飛ぶ。
〇一番橋上流側でアオジが囀っていた、付近で3羽は確認した。

1977年3月26日<7:15~8:45>晴れ 
①コサギ4 ②カルガモ22 ③コガモ101 ④ヒドリガモ13 ⑤オナガガモ19
⑥ハシビロガモ8 ⑦コジュケイ1 ⑧クイナ1 ⑨タマシギ2♂♀ ⑩コチドリ2
⑪イカルチドリ4 ⑫タシギ1 ⑬ユリカモメ12 ⑭キジバト21 ⑮カワセミ1
⑯ヒバリ20 ⑰ツバメ1 ⑱キセキレイ2 ⑲ハクセキレイ14 ⑳セグロセキレイ1
㉑タヒバリ20 ㉒ヒヨドリ3 ㉓モズ1♂ ㉔ツグミ40 ㉕シジュウカラ1 ㉖ホオジロ2
㉗カシラダカ13 ㉘アオジ4 ㉙カワラヒワ36 ㉚スズメ63 ㉛ムクドリ14
㉜ハシボソガラス1  以上32種448羽
<当時のNote>
〇プール脇の用水に散歩の犬が入り、私は頭にきていると、犬に驚いて2羽のタマシギが
飛び立ち、川を越え右岸の平山側の草地に降りる。犬が入り込まなければ詳しく観察でき
たのに!残念だ。

今の<調査>結果
2022年3月3日<8:25~10:00>くもり
①キジ2(♂1) ②キジバト2 ③カワウ3 ④アオサギ3 ⑤ダイサギ5 ⑥コサギ1
⑦トビ2 ⑧カワセミ1♂ ⑨チョウゲンボウ1 ⑩モズ4(♂3♀1) ⑪ハシボソガラス5
⑫ハシブトガラス2 ⑬ヒバリ5 ⑭ヒヨドリ2 ⑮ムクドリ23 ⑯ツグミ7
⑰ジョウビタキ2♂ ⑱スズメ5 ⑲ハクセキレイ4 ⑳セグロセキレイ5 ㉑タヒバリ1
㉒カワラヒワ35 ㉓ホオジロ12 ㉔カシラダカ3 ㉕ドバト33  以上25種168羽
<コメント>
〇コサギは単独で採食、時々ダイサギのそばに寄るがダイサギに嫌われたかすぐ離れ孤高
を通していた。
〇カワセミをたびたび観察する、同じ雄であろう。フィールド内で今年も営巣するであろ
うか。
〇プール脇の空き地でヒバリ4羽がせっせと食事中、ここで毎回4~5羽の姿を見ている。
時にはツグミも仲間に入る。

2022年3月11日<8:20~10:00>晴れ
①キジ2 ②カルガモ2 ③コガモ2 ④キジバト4 ⑤カワウ1 ⑥アオサギ1 ⑦ダイサギ5
⑧イカルチドリ3 ⑨トビ2 ⑩モズ4(♂3) ⑪ハシボソガラス9 ⑫シジュウカラ1
⑬ヒバリ1 ⑭ヒヨドリ2 ⑮ムクドリ14 ⑯ツグミ7 ⑰ジョウビタキ2♂♀ ⑱スズメ3
⑲ハクセキレイ5 ⑳セグロセキレイ3 ㉑タヒバリ1 ㉒カワラヒワ12 ㉓ホオジロ5
㉔カシラダカ5 ㉕アオジ3 ㉖オオジュリン1 ㉗ドバト35 
以上27種135羽
<コメント>
〇上流に飛ぶコガモを2羽見る、最近では珍しい。なお3月15日、フィールド下流のふれ
あい橋で本種を10羽ほど見る。ヒドリガモとともに長期滞在しているようだ。
〇今冬浅川でオオジュリンの観察を多々聞いていたが、やっと本種に会えた。

2022年3月19日<8:45~10:30>晴れ
①キジ1 ②マガモ3(♂2♀1) ③カルガモ7 ④キジバト1 ⑤カワウ4 ⑥アオサギ4
⑦ダイサギ6 ⑧イカルチドリ1 ⑨トビ2 ⑩カワセミ1♂ ⑪モズ6(♂3♀3)
⑫ハシボソガラス6 ⑬シジュウカラ1 ⑭イワツバメ30± ⑮ヒヨドリ1 ⑯ウグイス2
⑰ムクドリ27 ⑱ツグミ2 ⑲ジョウビタキ1♂ ⑳スズメ2 ㉑ハクセキレイ8
㉒セグロセキレイ4 ㉓カワラヒワ9 ㉔ホオジロ8 ㉕アオジ5 ㉖ドバト16
以上26種158羽

<コメント>
〇日枝神社でモズの求愛給餌を観察する。上流のグランドでも2羽が一緒に行動していた。
また一番橋上流100mほどでもモズの雄を観察する。一番橋下流側で2番~3番、上流側で
2番ができているのではないか。
〇前回観察できなかったイワツバメが大挙して?一番橋周辺を飛んでいた。浅川で会った
「日野の自然を守る会」の小久保さんによると5月13日に一番橋で20羽ほどが飛んでいた
とのことである。
〇グランド周辺2カ所でウグイスの元気が囀りを聞く。

2022年3月25日<8:35~10:20>晴れ
①キジ2 ②カルガモ8 ③キジバト3 ④カワウ2 ⑤アオサギ3 ⑥ダイサギ6
⑦コチドリ1 ⑧タシギ1 ⑨ミサゴ1 ⑩トビ2 ⑪モズ3♂ ⑫ハシボソガラス3
⑬シジュウカラ1 ⑭ツバメ1 ⑮イワツバメ30± ⑯ヒヨドリ1 ⑰ウグイス1
⑱ムクドリ27 ⑲ツグミ5 ⑳ジョウビタキ1♀ ㉑スズメ2 ㉒ハクセキレイ5
㉓セグロセキレイ3 ㉔ホオジロ4 ㉕ドバト5  以上25種119羽
<コメント>
〇浅川で一緒になった小久保さんにコチドリを教えてもらう。初認は3月17日であったと
聞く。
〇水辺から鳴き声とともにタシギが飛び立つ。
〇はるか上空をミサゴが下流に向けて飛ぶ。
〇今日もモズが多かった。スタート地点、日枝神社前の水門前、グランドわきで各雄を観
察する。前回会った一番橋上流側の雄の姿はなかった。
〇グランドを低空で旋回する1羽のツバメを確認する。まだJR豊田駅周辺ではツバメの姿
を見ていない。

2022年3月30日<8:30~10:10>晴れ
①キジ2♂ ②カルガモ2 ③キジバト3 ④カワウ3 ⑤アオサギ5 ⑥ダイサギ4
⑦コサギ25 ⑧トビ1 ⑨モズ2♂ ⑩ハシボソガラス5 ⑪ヒバリ3 ⑫イワツバメ20±
⑬ヒヨドリ2 ⑭ウグイス1 ⑮ムクドリ14 ⑯ツグミ3 ⑰ハクセキレイ2
⑱セグロセキレイ3 ⑲カワラヒワ1 ⑳ホオジロ2 ㉑ドバト23  以上21種126羽
<コメント>
〇下流からコサギの群れが日枝神社前の水辺に飛来する。25羽ほど数えるが、これだけの
群れは久しぶりである。少数カワウも混じる。
〇ヒバリが2羽で競うように天空で囀る。
〇スズメをカウントできなかった、いなかった?