第22回
浅川の野鳥・今と昔
                           日野の自然を守る会 金子凱彦

 昔(1977年)の浅川の調査記録と現在(2022年)の記録を比べながら、浅川の野鳥たち
の変遷をみています。
45年前と同じ調査地とコース 
 浅川は陣馬山麓に源を発し八王子市、日野市を流れ多摩川に合流する延長30kmの一級
河川です。調査方法は浅川左岸の日野市民プール(川辺堀之内190番地先)から上流の一
番橋を通り運動場・豊田児童グランド(多摩川から4.4kmの位置)までの1.5kmを歩き
ながら野鳥の種類と数を記録する。当時の堤防は現在のように舗装されていなく、自転車
で通るのも危険という時代もあったが、浅川をとりまく自然環境は今日と比べはるかに多
様性に富んでいた。

昔の<調査>結果

1977年11月5日<7:10 ~9:00>くもり
非常に寒い(-2.5℃)、富士山きれいに見える
①ダイサギ1 ②コサギ8 ③カルガモ52 ④コガモ224 ⑤ヒドリガモ81 ⑥オナガガモ88 ⑦チョウゲンボウ1
⑧イソシギ5 ⑨タシギ2 ⑩ユリカモメ100(上流へ90、下流10) ⑪キジバト20 ⑫ヒバリ4 ⑬キセキレイ1
⑭ハクセキレイ30 ⑮セグロセキレイ17 ⑯タヒバリ37 ⑰ヒヨドリ3 ⑱モズ2 ⑲ツグミ4 ⑳ホオジロ2
㉑カシラダカ10+ ㉒アオジ3 ㉓カワラヒワ261+ ㉔スズメ100++ ㉕ムクドリ23 ㉖ハシボソガラス1
以上26種1,080羽 
<当時のNote>
〇いつもはコサギが止まっている市民プールわきの木にダイサギが止まっていた。コサギが近くまで飛来
 するが、Uターンして去ってしまった。
〇11月からチョウゲンボウをよく観察するようになった。
〇タシギは2羽のみ、11月に比べると少ない。寒さが厳しくなったので移動か。

1977年12月10日<7:15 ~8:50>はれ
①ダイサギ1 ②コサギ5 ③カルガモ51 ④コガモ190 ⑤ヒドリガモ39 ⑥オナガガモ183 ⑦トビ1
⑧クイナ2 ⑨イカルチドリ4 ⑩イソシギ4 ⑪タシギ2 ⑫ユリカモメ106(上流へ94、下流12)
⑬キジバト24 ⑭ヒバリ4 ⑮キセキレイ4 ⑯ハクセキレイ27 ⑰セグロセキレイ18 ⑱タヒバリ37
⑲ヒヨドリ3 ⑳モズ2 ㉑ツグミ8 ㉒ホオジロ1 ㉓カシラダカ27 ㉔アオジ9 ㉕カワラヒワ195+
㉖スズメ165+ ㉗ムクドリ36 ㉘ハシボソガラス4   以上28種1,152羽 
<当時のNote>
〇2カ所でクイナをじっくり観察できた。
〇タシギ2羽のみ。タシギの記録を記す。
 8/29)1羽<初認> 9/4)0 9/11)0 9/15)5羽、9/18)1羽、9/25)4羽、10/2)7羽、10/9)7羽、
 10/16)13羽、10/30)10羽、11/5)14羽、11/13)8羽、11/26)6羽、12/3)2羽、12/10)2羽
〇タヒバリ11/26)37羽、 12/3)37羽、 12/10)37羽これはまったくの偶然である。何日も同数であることは
 考えられない、ただこのくらいの数はいるのであろう。
〇グランド付近にてスズメとカワラヒワの群れが飛ぶがカウントできず、一応各100羽とする。

番外編
1977年12月11日 日野の自然を守る会主催の「多摩川探鳥会」(多摩市の京王線鉄橋→上流の浅川合
流点10:30~13:30)高野伸二さんの指導なので参加する。
①カイツブリ ②ダイサギ ③コサギ ④アオサギ ⑤カルガモ ⑥コガモ ⑦オカヨシガモ
⑧ヒドリガモ ⑨オナガガモ ⑩ハシビロガモ ⑪キンクロハジロ ⑫スズガモ1羽 ⑬ホオジロガモ♀4羽
⑭ミコアイサ ⑮トビ ⑯イカルチドリ ⑰シロチドリ ⑱ハマシギ ⑲イソシギ ⑳ユリカモメ
㉑セグロカモメ ㉒キジバト ㉓ヒバリ ㉔キセキレイ ㉕ハクセキレイ ㉖セグロセキレイ ㉗タヒバリ
㉘ヒヨドリ ㉙モズ ㉚ツグミ ㉛ホオジロ ㉜カシラダカ ㉝カワラヒワ ㉞ムクドリ ㉟ハシブトガラス
㊱ハシボソガラス 以上36種であった。
余談ながら、12月30日で3歳になる長男を初めて探鳥会に連れて行く。
最後まで歩き通したが野鳥にはまだ興味がないようだった。

1977年12月25日<7:30 ~9:10>くもり
①ダイサギ2 ②コサギ4 ③カルガモ70 ④コガモ173 ⑤ヒドリガモ86 ⑥オナガガモ316 ⑦トビ1
⑧イソシギ4 ⑨タシギ5 ⑩ユリカモメ68(上へ53、下へ15)⑪キジバト15 ⑫ヒバリ3 ⑬セキレイ4
⑭ハクセキレイ26 ⑮セグロセキレイ28 ⑯タヒバリ48 ⑰ヒヨドリ11 ⑱モズ2 ⑲ツグミ14 ⑳ホオジロ4
㉑ホオアカ2 ㉒カシラダカ22+ ㉓アオジ14 ㉔カワラヒワ383+ ㉕スズメ148+ ㉖ムクドリ18
㉗ハシボソガラス7   以上277種1,478羽 
<コメント>
〇12月になり毎回ダイサギがカウントされている。ちなみに9月は5回のカウントで1回(1羽)、10月は4回
 でゼロ、11月は4回でゼロであった。なお12月以降1978年1月、2月は毎回観察されている。当時は冬の
 サギだったようだ。
〇オナガガモが急に多くなる。12/3)88 羽、12/10)183羽、 12/25)316羽になる。
〇調査終了後、左岸300mの竹林でゴイサギ50羽+、コサギ2羽をカウントする。



今の<調査>結果

2022年11月5日<8:00~9:45>くもり時々日が差す
①カルガモ⒊ ②キジバト10 ③カワウ10 ④アオサギ4 ⑤ダイサギ52 ⑥コサギ1 ⑦カワセミ1
⑧チョウゲンボウ1 ⑨モズ1♂ ⑩ハシボソガラス⒊⑪ハシブトガラス1 ⑫シジュウカラ2 ⑬ヒバリ1
⑭ヒヨドリ6 ⑮ムクドリ9 ⑯スズメ45± ⑰ハクセキレイ3 ⑱セグロセキレイ5 ⑲カワラヒワ3
⑳ホオジロ2 ㉑ドバト12  以上21種175羽 
<コメント>
〇上流から飛来したチョウゲンボウがグランド上空をしばらく旋回し(時々ホバリング)、左岸の豊田方向
に消える。浅川で狩りをしていなかった。

2022年12月12日<8:05~9:50>晴れ
①カルガモ2 ②キジバト4 ③カワウ2 ④アオサギ2 ⑤ダイサギ41 ⑥コサギ1 ⑦トビ1 ⑧カワセミ1
⑨モズ2(♂1) ⑩ハシボソガラス5 ⑪ハシブトガラス2 ⑫シジュウカラ2 ⑬ヒバリ1 ⑭ヒヨドリ3
⑮セッカ2 ⑯ムクドリ13 ⑰スズメ10 ⑱ハクセキレイ2 ⑲セグロセキレイ4 ⑳カワラヒワ20
㉑ホオジロ3 ㉒ドバト14  以上22種142羽 
<コメント>
〇ヒバリが飛び立つが、それほど遠くに行かず河川域内に降りる。
〇河川敷で飛び立つセッカを確認する、まだいたか、越冬か。
〇調査終了後、市民プールから下流の「ふれあい橋」へ足を延ばす。ダイサギ45羽、カワウ5羽が中州で
 休息中。他にオオバン5羽、コガモ12羽、ヒドリガモ1♂を数える。残念なことに調査地の市民プールま
 でやって来ない。

2022年12月19日<8:15~10:00>晴れ
①カルガモ2 ②キジバト3 ③カワウ52 ④アオサギ4 ⑤ダイサギ21 ⑥イカルチドリ1 ⑦トビ2
⑧カワセミ1 ⑨モズ3(♂1♀2) ⑩ハシボソガラス4 ⑪ヒバリ1 ⑫ヒヨドリ5 ⑬セッカ2 ⑭ムクドリ60
⑮スズメ90 ⑯ハクセキレイ2 ⑰セグロセキレイ4 ⑱カワラヒワ41 ⑲ホオジロ4 ⑳カシラダカ3
㉑ドバト3 以上21種227羽

<コメント>
〇一番橋上流よりカワウとダイサギの群れが飛来し、橋下流側に着水する。その数は50羽と17羽であ
 った。
〇河川敷で枯草から飛び立つカシラダカを確認するが、見つけるのが難しい、まだ極少ないようだ。

2022年12月26日<8:15~10:00>晴れ
①キジバト3 ②カワウ11 ③アオサギ4 ④ダイサギ12 ⑤トビ1 ⑥カワセミ2♂♀ ⑦モズ5(♂3♀1不明1)
⑧ハシボソガラス6 ⑨ハシブトガラス1 ⑩シジュウカラ6 ⑪ヒバリ1 ⑫ヒヨドリ8 ⑬クドリ65± ⑭スズメ7
⑮ハクセキレイ5 ⑯セグロセキレイ5 ⑰タヒバリ1 ⑱カワラヒワ13 ⑲ホオジロ6 ⑳ドバト8
以上20種171羽
<コメント>
〇モズ多かった、7回観察するがダムリもあるので5羽であろう。2カ所で追尾を観察するが、恋の季節
 にはまだ早いであろう。
〇いつもカワセミの雄の見る日枝神社の水門前で、雌が朝日を浴びゆっくり?休息していた。しばらくする
 と近くに雄が現れる(帰って来た?)、恋の季節が始まるか?