第23回
浅川の野鳥・今と昔
                           日野の自然を守る会 金子凱彦

 昔(1978年)の浅川の調査記録と現在(2023年)の記録を比べながら、浅川の野鳥たち
の変遷をみています。
45年前と同じ調査地とコース 
 浅川は陣馬山麓に源を発し八王子市、日野市を流れ多摩川に合流する延長30kmの一級
河川です。調査方法は浅川左岸の日野市民プール(川辺堀之内190番地先)から上流の一
番橋を通り運動場・豊田児童グランド(多摩川から4.4kmの位置)までの1.5kmを歩き
ながら野鳥の種類と数を記録する。当時の堤防は現在のように舗装されていなく、自転車
で通るのも危険という時代もあったが、浅川をとりまく自然環境は今日と比べはるかに多
様性に富んでいた。


現在の浅川 Start地点から上流の一番橋を見る 2023年1月10日

昔の<調査>結果

1978年1月5日<7:30 ~9:10>はれ
1月3日の雪が残っている、富士山がきれいに見える
①ダイサギ⒊ ②コサギ5 ③カルガモ72 ④コガモ218 ⑤ヒドリガモ8 ⑥オナガガモ419 ⑦クイナ1
⑧イカルチドリ2 ⑨イソシギ2 ⑩タシギ7 ⑪ユリカモメ106(上流へ102、下流へ4) ⑫キジバト36
⑬カワセミ1 ⑭ヒバリ6 ⑮キセキレイ2 ⑯ハクセキレイ23 ⑰セグロセキレイ10 ⑱タヒバリ48
⑲ヒヨドリ5 ⑳モズ2♂ ㉑ジョウビタキ1♀ ㉒ツグミ31 ㉓ホオジロ2 ㉔カシラダカ7 ㉕アオジ13
㉖カワラヒワ179 ㉗シメ1 ㉘スズメ31 ㉙ムクドリ6 ㉚ハシボソガラス3   以上30種1250羽 
<当時のNote>
〇オナガガモ多くなる。
10/16)10羽(初認)、10/30)55羽、11/5)58羽、11/13)109羽、11/20)103羽、11/26)64羽、12/3)88羽、
12/10)183羽、12/25)316羽、1/5)419羽
⇒グランド付近でカスミアミを使用している者あり、注意をする。網にかかっていたカワラヒワ、シメ各1羽
 を放す。

1978年1月8日<7:25 ~8:55>くもり 寒い
①ゴイサギ1(幼鳥) ②ダイサギ1 ③コサギ6 ④カルガモ39 ⑤コガモ146 ⑥ヒドリガモ28
⑦オナガガモ348 ⑧チョウゲンボウ1 ⑨コジュケイ1 ⑩クイナ1 ⑪イカルチドリ2 ⑫イソシギ4
⑬タシギ3 ⑭ユリカモメ50(上流へ47、下流3) ⑮キジバト16 ⑯カワセミ1 ⑰ヒバリ2 ⑱キセキレイ4
⑲ハクセキレイ23 ⑳セグロセキレイ11 ㉑タヒバリ35 ㉒ヒヨドリ2 ㉓モズ2 ㉔ツグミ26 ㉕ウグイス1
㉖ホオジロ3 ㉗カシラダカ17 ㉘アオジ8 ㉙カワラヒワ183 ㉚シメ1 ㉛スズメ30 ㉜ムクドリ21
㉝オナガ8 ㉞ハシボソガラス7   以上34種1,032羽 

1978年1月22日<7:45 ~9:10>晴れ
①ゴイサギ1(幼鳥) ②ダイサギ1 ③コサギ6 ④カルガモ36 ⑤コガモ104 ⑥ヒドリガモ22
⑦オナガガモ348 ⑧チョウゲンボウ1 ⑨キジ1♂ ⑩イソシギ3 ⑪タシギ7 ⑫ユリカモメ68(上流へ)
⑬キジバト27 ⑭ヒバリ2 ⑮キセキレイ2 ⑯ハクセキレイ17 ⑰セグロセキレイ8 ⑱タヒバリ27
⑲ヒヨドリ4 ⑳モズ1♀ ㉑ジョウビタキ1♀ ㉒ツグミ21 ㉓シジュウカラ1 ㉔ホオジロ5 ㉕カシラダカ46
㉖アオジ11 ㉗カワラヒワ121+ ㉘シメ2 ㉙スズメ13 ㉚ムクドリ13 ㉛ハシボソガラス2
以上31種922羽 

1978年1月29日<7:30 ~9:10>晴れ
非常に寒い、富士山きれいに見える
①ダイサギ1 ②コサギ4 ③カルガモ35 ④コガモ177 ⑤ヒドリガモ49 ⑥オナガガモ420
⑦ハシビロガモ6(♂4♀2) ⑧チョウゲンボウ1 ⑨イカルチドリ1 ⑩イソシギ5 ⑪タシギ8 ⑫ユリカモメ3
⑬キジバト21 ⑭カワセミ1 ⑮ヒバリ4 ⑯キセキレイ3 ⑰ハクセキレイ18 ⑱セグロセキレイ11
⑲タヒバリ34 ⑳ヒヨドリ2 ㉑モズ2 ㉒ジョウビタキ1♀ ㉓ツグミ20 ㉔ホオジロ4 ㉕カシラダカ35
㉖アオジ8 ㉗カワラヒワ165+ ㉘スズメ200+ ㉙ムクドリ7 ㉚ハシボソガラス2  以上30種1248羽 
<当時のNote>
〇はるか上空をオナガガモ52羽、30羽の群れが下流に飛ぶ、多摩川に帰るのか。最近本種が多く
 なった。
〇南平付近で水に浮かぶユリカモメ3羽を確認したのみで、上流に飛ぶ個体は1羽もなかった。
 前回(1/22)は68羽だったが、どうしたか。



今の<調査>結果

2023年1月3日<8:15~10:00>晴れ
①カルガモ2 ②キジバト8 ③カワウ11 ④アオサギ4 ⑤ダイサギ7 ⑥タシギ1 ⑦トビ1 ⑧カワセミ1♂
⑨モズ5(♂4♀1) ⑩ハシボソガラス12 ⑪シジュウカラ3 ⑫ヒヨドリ16 ⑬ムクドリ38 ⑭ツグミ1
⑮イソヒヨドリ1♀ ⑯スズメ77 ⑰キセキレイ1 ⑱ハクセキレイ3 ⑲セグロセキレイ4 ⑳カワラヒワ17
㉑ホオジロ4 ㉒カシラダカ8 ㉓ドバト24  以上23種235羽 
<コメント>
〇タシギ健在、日枝神社前の水門より飛び立つ姿を観察する。今年も越冬しているか。
〇電線に止まるムクドリと並ぶツグミ1羽を確認する。なかなか会えなかった本種に会えてホッとした、
 年明けのお年玉か。
〇一番橋左岸の人家の屋根に飛来したイソヒヨドリを久しぶりで観察する。ここはイソヒの定番の場
 所だ。
〇今日が浅川ニューイヤーカウントになる、年初の野鳥たちとの出会いと挨拶になった、
 今年もよろしく。そして日枝神社で初詣をする。

2023年1月10日<8:00~9:50>晴れ 風あり、寒い
①キジバト4 ②カワウ11 ③アオサギ5 ④ダイサギ8 ⑤タシギ ⑥トビ3 ⑦カワセミ1♂
⑧チョウゲンボウ1 ⑨モズ3♂ ⑩ハシボソガラス12 ⑪ハシブトガラス2 ⑫シジュウカラ3 ⑬ヒバリ1
⑭ヒヨドリ8 ⑮ムクドリ60 ⑯ツグミ2 ⑰スズメ30 ⑱ハクセキレイ3 ⑲セグロセキレイ7 ⑳タヒバリ1
㉑カワラヒワ13 ㉒ホオジロ6 ㉓カシラダカ2 ㉔ドバト25  以上24種212羽 
<コメント>
〇地面で採食しているムクドリとドバトの群れにチョウゲンボウが飛来し、飛び立たせるが狩りは失敗
 する。
〇頭上をツグミ2羽が飛ぶが、これ以外に本種を確認できなかった。今冬は少ない。
〇タヒバリは辛うじて?1羽確認する。45年前には想像できないほど多い数であったが、近年は少なく
 なっている。
〇市民プール下流側のStart地点(多摩川合流点から2.8k)から400mほど下流の高幡橋(合流点から2.4k)、
 さらに下流のふれあい橋(合流点から1.8k)周辺ではカルガモはもち
 ろんコガモ、ヒドリガモのカモ類やオオバンの姿がいつもあるが、調査地まで上がってこない、いささか
 残念である。

2023年1月19日<8:30~10:30>晴れ 
①カルガモ2 ②キジバト11 ③カワウ1 ④アオサギ4 ⑤ダイサギ5 ⑥コサギ4 ⑦タシギ1 ⑧トビ1
⑨カワセミ1 ⑩モズ5(♂4♀1) ⑪ハシボソガラス14 ⑫ハシブトガラス2 ⑬シジュウカラ3 ⑭ヒヨドリ13
⑮ムクドリ63 ⑯ジョウビタキ1♂ ⑰イソヒヨドリ1♀ ⑱スズメ33 ⑲ハクセキレイ3 ⑳セグロセキレイ4
㉑タヒバリ3 ㉒カワラヒワ34 ㉓ホオジロ12 ㉔カシラダカ2 ㉕アオジ1 ㉖ドバト15    
以上26種234羽
<コメント>
〇Start地点左岸、人家の上を下流より2羽のサギが飛来し、電線に止まり並ぶ。足指が黄色、コサギで
 あった。
〇東豊田水門(日枝神社前)よりタシギ飛び立ち、すぐ近くに降りる、タシギ健在。
〇モズを8回確認するが(♂7回♀1回)、ダブリがあるので調査地内は5羽であろう。
〇久しぶりにジョウビタキを見る、ツグミはダメであった。
〇イソヒヨドリは1月3日以来である。
〇今日は風もなく太陽が出て、鳥見日和であった。いつもより長い時間浅川にいて楽しい時が過ごせた。

2023年1月30日<8:05~9:50>晴れ 
①カルガモ3 ②カイツブリ2 ③キジバト6 ④カワウ6 ⑤アオサギ5 ⑥ダイサギ8 ⑦コサギ27
⑧ヒメアマツバメ2 ⑨イカルチドリ5 ⑩タシギ1 ⑪カワセミ1 ⑫モズ4(♂3♀1) ⑬ハシボソガラス5
⑭シジュウカラ1 ⑮ヒヨドリ9 ⑯ムクドリ15 ⑰ツグミ1 ⑱ジョウビタキ2♂ ⑲スズメ20 ⑳ハクセキレイ3
㉑セグロセキレイ6 ㉒カワラヒワ30 ㉓ホオジロ11 ㉔カシラダカ5 ㉕アオジ1 ㉖ドバト38
以上26種217羽
<コメント>
〇数年ぶりにカイツブリ2羽を観察する。
〇調査終了後であったが、下流側からコサギが次から次へと飛来し27羽も数えた。貴重な記録なので
 記載した。
〇イカルチドリ2羽が鳴きながらもつれ合うように飛び水辺に降りる、繁殖行動か?
〇ヒメアマツバメ2羽が日枝神社前の上空を旋回する。45年前には日野にはいない鳥だったが、現在
 高幡橋で繁殖をしている。いつから日野に姿を現すようになったのか?ご存じの方はお教えいただきたい。
〇陽の光を浴び木の枝で休んでいる?ツグミをやっと1羽見つけた、今冬は少ない。