第24回
浅川の野鳥・今と昔
                           日野の自然を守る会 金子凱彦

 昔(1978年)の浅川の調査記録と現在(2023年)の記録を比べながら、浅川の野鳥たち
の変遷をみています。
45年前と同じ調査地とコース 
 浅川は陣馬山麓に源を発し八王子市、日野市を流れ多摩川に合流する延長30kmの一級
河川です。調査方法は浅川左岸の日野市民プール(川辺堀之内190番地先)から上流の一
番橋を通り運動場・豊田児童グランド(多摩川から4.4kmの位置)までの1.5kmを歩き
ながら野鳥の種類と数を記録する。当時の堤防は現在のように舗装されていなく、自転車
で通るのも危険という時代もあったが、浅川をとりまく自然環境は今日と比べはるかに多
様性に富んでいた。

昔の<調査>結果

1978年2月5日<7:20 ~9:00>晴れ 寒い
①ダイサギ2 ②コサギ8 ③カルガモ65 ④コガモ141 ⑤ヒドリガモ28 ⑥オナガガモ348
⑦ハシビロガモ2♂♀ ⑧チョウゲンボウ1 ⑨コジュケイ1 ⑩イカルチドリ7 ⑪イソシギ2
⑫タシギ6 ⑬ユリカモメ3 ⑭キジバト50 ⑮ヒバリ3 ⑯キセキレイ1 ⑰ハクセキレイ18
⑱セグロセキレイ10 ⑲タヒバリ24 ⑳ヒヨドリ2 ㉑モズ1♀ ㉒ツグミ12 ㉓シジュウカラ1
㉔ホオジロ8 ㉕カシラダカ7 ㉖アオジ7㉗カワラヒワ190+ ㉘シメ3 ㉙スズメ100±
㉚ムクドリ5 ㉛ハシボソガラス6   
以上31種1,062羽 
<当時のNote>
〇一番橋下流側でイカルチドリ7羽が鳴きながら飛びまわる。
〇ユリカモメは上流に飛ぶ3羽のみであった。
〇年が明けてからシメを多く見る。

1978年2月21日<7:20 ~8:50>晴れ
①ダイサギ2 ②コサギ3 ③カルガモ35 ④コガモ162 ⑤ヒドリガモ28 ⑥オナガガモ303
⑦ハシビロガモ5(♂3♀2) ⑧チョウゲンボウ1♀ ⑨コジュケイ1 ⑩イカルチドリ5
⑪イソシギ4 ⑫タシギ6 ⑬ユリカモメ2 ⑭キジバト36 ⑮ヒバリ8 ⑯キセキレイ2
⑰ハクセキレイ18 ⑱セグロセキレイ10 ⑲タヒバリ18 ⑳ヒヨドリ2 ㉑モズ1
㉒ジョウビタキ1♀ ㉓ツグミ24 ㉔シジュウカラ3 ㉕ホオジロ8 ㉖カシラダカ14
㉗アオジ12 ㉘カワラヒワ98 ㉙シメ2 ㉚スズメ32 ㉛ムクドリ8 ㉜ハシボソガラス3
以上32種857羽 
<当時のNote>
〇木で休んでいるチョウゲンボウをゆっくり観察する、雌であった。
〇ユリカモメが少なくなる。

1978年2月26日<7:30 ~9:10>晴れ
①ダイサギ1 ②コサギ5 ③マガモ1♂ ④カルガモ37 ⑤コガモ134 ⑥ヒドリガモ16
⑦オナガガモ320 ⑧ハシビロガモ7(♂4♀3) ⑨チョウゲンボウ1 ⑩イカルチドリ10
⑪クサシギ1 ⑫イソシギ2 ⑬タシギ6 ⑭キジバト33 ⑮ヒバリ8 ⑯ツバメ1
⑰ハクセキレイ20 ⑱セグロセキレイ13 ⑲タヒバリ30 ⑳ヒヨドリ1 ㉑モズ3
㉒ジョウビタキ1♂ ㉓ツグミ18 ㉔ウグイス1 ㉕セッカ1 ㉖ホオジロ8 ㉗カシラダカ14
㉘アオジ10 ㉙カワラヒワ216± ㉚シメ2 ㉛スズメ45 ㉜ムクドリ19 ㉝カケス1
㉞ハシブトガラス1 ㉟ハシボソガラス6  以上35種993羽 
<当時のNote>
〇最近ハシビロガモを毎回観察する。1/29)6羽、2/5)2羽、2/21)5羽、2/26)7羽
〇水辺から飛び立つクサシギを確認する、腰の白が印象的だ。
〇前回(2/21)同様に水辺から離れたグランド付近の草地よりタシギ2羽が飛び立つ、他の草
地からも1羽飛び立つ。
〇カモ類をカウントしている際、上流に飛ぶツバメ1羽を見る、ツバメに間違いない。
〇100羽以上のカワラヒワの群れに2回出会う。スズメは少なかった。
〇左岸日枝神社から川辺堀之内の竹林に飛ぶカケスを見る、冬は珍しい。

今の<調査>結果

2023年2月6日<8:20~10:00>晴れ
①カルガモ3 ②カイツブリ2 ③キジバト5 ④カワウ7 ⑤アオサギ4 ⑥ダイサギ6
⑦クイナ1 ⑧イカルチドリ1 ⑨タシギ1 ⑩トビ1 ⑪モズ3♂ ⑫オナガ2
⑬ハシボソガラス3 ⑭ハシブトガラス1 ⑮シジュウカラ6 ⑯ヒヨドリ5 ⑰ムクドリ19
⑱ツグミ5 ⑲ジョウビタキ1♂ ⑳スズメ8 ㉑ハクセキレイ6 ㉒セグロセキレイ5
㉓カワラヒワ26 ㉔ホオジロ15 ㉕カシラダカ6 ㉖アオジ4 ㉗ドバト34
以上27種180羽 
<コメント>
〇前回(1/30)と同じ水域で、潜水を繰り返しているカイツブリ2羽を見る。
〇日枝神社前の池でゆっくりゆっくり歩いているクイナをじっくり観察する。近くから
タシギも飛び立つ。
〇ツグミ5羽と多かった。やっと例年並みになったか。

2023年2月16日<8:00~9:50>晴れ 
①カルガモ2 ②カイツブリ2 ③キジバト5 ④カワウ12 ⑤アオサギ4 ⑥ダイサギ5
⑦コサギ7 ⑧イカルチドリ4 ⑨トビ2 ⑩カワセミ1♂ ⑪モズ3(♂2♀1)
⑫ハシボソガラス6 ⑬ハシブトガラス1 ⑭シジュウカラ3 ⑮ヒヨドリ6 ⑯セッカ1
⑰ムクドリ15 ⑱ツグミ10 ⑲ジョウビタキ2♂ ⑳イソヒヨドリ1♀ ㉑スズメ8
㉒ハクセキレイ4 ㉓セグロセキレイ2 ㉔タヒバリ1 ㉕カワラヒワ35 ㉖ホオジロ17
㉗カシラダカ7 ㉘アオジ10 ㉙ドバト29    以上29種205羽 
<コメント>
〇下流の高幡橋から飛来したコサギ7羽がStart地点の水辺に降りる。
〇イカルチドリ7羽と多かった。
〇モズは一組ペアができそうだ。雄が雌を追っていたが雌もまんざらではなさそうだった。
〇定番の一番橋左岸の人家の屋根で、イソヒヨドリが迎えてくれた。

2023年2月21日<8:15~10:00>晴れ 後半、強い冷たい風が吹く 
①カルガモ4 ②カイツブリ2 ③キジバト4 ④カワウ5 ⑤アオサギ3 ⑥ダイサギ9
⑦イカルチドリ3 ⑧タシギ1 ⑨トビ3 ⑩カワセミ1♂ ⑪チョウゲンボウ1 ⑫モズ2♂
⑬ハシボソガラス6 ⑭シジュウカラ3 ⑮ヒヨドリ3 ⑯セッカ1 ⑰ムクドリ25
⑱ツグミ5 ⑲ジョウビタキ2♂ ⑳イソヒヨドリ1♀ ㉑スズメ5 ㉒キセキレイ1
㉓ハクセキレイ4 ㉔セグロセキレイ2 ㉕カワラヒワ30 ㉖ホオジロ12 ㉗カシラダカ5
㉘アオジ1 ㉙ドバト46    以上29種190羽 
<コメント>
〇一番橋目指してチョウゲンボウがひらひら飛びながら消えた。
〇モズは2カ所で雄を観察するが雌の姿が見当たらなかった。
〇前回同様にイソヒヨドリが迎えてくれた。ただ10時過ぎると出会うチャンスが少ないようだ。
<45年前の2月21日と比較すると…>
〇昔(78年)34種857羽、今(23年)は29種190羽、昔はカモ類が5種533羽と圧倒的に
多かった。今はカルガモ4羽のみであった。
〇セキレイ類は昔4種48羽、今は3種7羽、昔に比べ水辺の鳥セキレイ類が少なくなっている。
ただハクセキレイが水辺から離れた市街地で多く見かけるようになった。
〇イソヒヨドリは昔浅川にはいなかった鳥である。近年海岸から内陸部に進出している。

2023年2月27日<8:20~10:00>晴れ  
①マガモ4(♂3♀1) ②カルガモ4 ③コガモ3(♂1♀2) ④カイツブリ1 ⑤キジバト6
⑥カワウ3 ⑦アオサギ5 ⑧ダイサギ8 ⑨コサギ1 ⑩イカルチドリ4 ⑪タシギ1
⑫トビ2 ⑬カワセミ1♂ ⑭チョウゲンボウ1 ⑮モズ5(♂3♀2) ⑯ハシボソガラス13
⑰ハシブトガラス2 ⑱ヒバリ1 ⑲ヒヨドリ3 ⑳セッカ2 ㉑ムクドリ20 ㉒ツグミ6
㉓ジョウビタキ1♂ ㉔スズメ20 ㉕ハクセキレイ8 ㉖セグロセキレイ2 ㉗タヒバリ1
㉘カワラヒワ25 ㉙ホオジロ17 ㉚カシラダカ19 ㉛アオジ2 ㉜ドバト47
以上32種238羽 
<コメント>
〇本調査地でマガモは珍しい。浅川から1kmほど北の黒川清流公園の池には毎年マガモが
飛来する。今年は最高18羽を数えたが、池脇の木の伐採が始まったので分散してしまった。
本日のマガモはその一部でないか。※日野の自然を守る会HP「金子凱彦の野鳥調査」参照
〇プール前の河川敷でモズの雄が雌を追いかけるのを目撃する。雌は逃げている?
一番橋上流の左岸アパートのフェンスにモズの雌雄が離れ離れに並ぶのを発見する。
前回は雄1羽であった、ペアができたか。
〇今日はホオジロが多かった、群れで行動している。まだ囀りは聞かない。