第25回
浅川の野鳥・今と昔
                           日野の自然を守る会 金子凱彦

 昔(1978年)の浅川の調査記録と現在(2023年)の記録を比べながら、浅川の野鳥たち
の変遷をみています。
45年前と同じ調査地とコース 
 浅川は陣馬山麓に源を発し八王子市、日野市を流れ多摩川に合流する延長30kmの一級
河川です。調査方法は浅川左岸の日野市民プール(川辺堀之内190番地先)から上流の一
番橋を通り運動場・豊田児童グランド(多摩川から4.4kmの位置)までの1.5kmを歩き
ながら野鳥の種類と数を記録する。当時の堤防は現在のように舗装されていなく、自転車
で通るのも危険という時代もあったが、浅川をとりまく自然環境は今日と比べはるかに多
様性に富んでいた。

昔の<調査>結果

1978年3月5日<7:10 ~8:40>くもり 寒い
①ダイサギ2 ②コサギ12 ③カルガモ27 ④コガモ185 ⑤ヒドリガモ9 ⑥オナガガモ259
⑦ハシビロガモ4(♂2♀2) ⑧トビ1 ⑨クイナ1 ⑩イカルチドリ2 ⑪クサシギ1 ⑫イソシギ4
⑬タシギ3 ⑭ユリカモメ17 ⑮キジバト20 ⑯カワセミ1 ⑰ヒバリ6 ⑱キセキレイ1
⑲ハクセキレイ17 ⑳セグロセキレイ5 ㉑タヒバリ25 ㉒ヒヨドリ2 ㉓モズ1♂ ㉔ツグミ33
㉕ホオジロ5 ㉖カシラダカ19 ㉗アオジ10 ㉘カワラヒワ81+ ㉙シメ1 ㉚スズメ40 ㉛ムクドリ16
㉜オナガ13 ㉝ハシボソガラス8 ㉞ハシブトガラス4   以上34種835羽 
<当時のNote>
〇一番橋下で子供がカモ類に投石して飛び立たせていた(3~4回ほど)、多少カウントに
 不正確さが生じるか。
〇ユリカモメ8羽、7羽の群れが上流に飛ぶ。1/5)106羽、1/8)50羽、1/22)68羽、1/29)3羽、
 2/5)3羽、2/21)2羽、2/26)0羽、3/5)17羽
〇久しぶりにクサシギ1羽を確認する。
〇ホオジロの囀りを聞く。
〇調査終了後(9:45)、左岸のゴルフ練習場裏の<竹林>でゴイサギ30羽以上、コサギ5羽
 を確認する。

1978年3月12日<7::50 ~8:30>くもり時々小雪
①コサギ27 ②カルガモ40 ③コガモ268 ④ヒドリガモ24 ⑤オナガガモ183 ⑥ハシビロガモ4(♂2♀2)
⑦コジュケイ1 ⑧キジ1♂ ⑨クイナ1 ⑩イカルチドリ2 ⑪イソシギ2 ⑫タシギ8 ⑬キジバト17
⑭カワセミ2 ⑮ヒバリ5 ⑯キセキレイ3 ⑰ハクセキレイ24 ⑱セグロセキレイ7 ⑲タヒバリ29
⑳ヒヨドリ28 ㉑ジョウビタキ1♀ ㉒ツグミ31 ㉓シジュウカラ1 ㉔ホオジロ15 ㉕カシラダカ4
㉖アオジ7 ㉗カワラヒワ80+ ㉘シメ2 ㉙スズメ74 ㉚ムクドリ19 ㉛ハシボソガラス2   
以上31種912羽
<当時のNote>
〇左岸のゴルフ練習場裏の<竹林>にコサギ18羽が降りる。
〇オナガガモ(183羽)よりコガモ(268羽)が多くなる。
〇一番橋上流でクイナと思われる個体が、糞をしながら飛んで枯草の中に逃げ込む。瞬間
 であるが場所と姿でクイナに間違いない。
〇カワセミを調査始点(6:50)と一番橋上流側(8:16)で観察するが、別個体かどうか不
 明なのでカウント1羽とした。⇒当時の手書き地図や現在の推測だと別個体でないか、
 2羽に訂正する(2023年3月25日記)
〇3月19日の記録であるが、左岸のゴルフ練習場裏の<竹林>上空をゴイサギ40羽+が
 舞う(17時ごろ)。

1978年3月21日<6:50 ~8:30>くもり、寒い、午后小雨
①コサギ9 ②カルガモ23 ③コガモ204 ④ヒドリガモ22 ⑤オナガガモ102 ⑥キジ3(♂1♀2)
⑦イカルチドリ3 ⑧クサシギ1 ⑨イソシギ2 ⑩タシギ4 ⑪ユリカモメ2(下流へ) ⑫キジバト35
⑬カワセミ1 ⑭ヒバリ10 ⑮ツバメ1 ⑯キセキレイ1 ⑰ハクセキレイ16 ⑱セグロセキレイ3
⑲タヒバリ39 ⑳ヒヨドリ2 ㉑モズ1♂ ㉒ジョウビタキ1♀ ㉓ツグミ27 ㉔シジュウカラ1
㉕ホオジロ5 ㉖カシラダカ12 ㉗アオジ12 ㉘カワラヒワ31+ ㉙シメ1 ㉚スズメ42 ㉛ムクドリ11
㉜ハシボソガラス12    以上32種639羽 
<当時のNote>
〇ツバメ1羽を観察する。2月26日以来である。
〇セグロセキレイ少なかった。
〇アオジ多かった、12羽数える。枯草の先端など目立つところを移動していた。

1978年3月25日<7:10 ~7:40>晴れ
①ダイサギ1 ②コサギ9 ③カルガモ21 ④コガモ287 ⑤ヒドリガモ10 ⑥オナガガモ34
⑦ハシビロガモ2♂♀ ⑧コジュケイ2 ⑨クイナ1 ⑩イカルチドリ4 ⑪イソシギ3 ⑫タシギ4
⑬キジバト24 ⑭ヒバリ10 ⑮ハクセキレイ4 ⑯タヒバリ41 ⑰ヒヨドリ3 ⑱モズ1♂ ⑲ツグミ22
⑳セッカ2 ㉑シジュウカラ2 ㉒ホオジロ4 ㉓カシラダカ15 ㉔アオジ11 ㉕カワラヒワ26
㉖スズメ28 ㉗ムクドリ28 ㉘ハシボソガラス6    以上28種605羽 
<当時のNote>
〇オナガガモ少なくなる。3/5)259羽、3/12)183羽、 3/21)102羽、3/25)34羽
〇キセキレイ、セグロセキレイ1羽もなし。
〇小さく弱い声であるが、セッカのヒッヒッ、チャッ、チャッの声を聞く。
 
 
今の<調査>結果

△市民プール前の河川敷が2月28日の夕方焼ける。3月3日撮影

2023年3月7日<8:05~10:00>晴れ
①キジ1 ②カルガモ3 ③キジバト4 ④カワウ5 ⑤アオサギ1 ⑥ダイサギ6 ⑦コサギ1 ⑧イカルチドリ2
⑨コチドリ1 ⑩トビ1 ⑪カワセミ1♂ ⑫モズ5(♂4♀1) ⑬ハシボソガラス12 ⑭ハシブトガラス1
⑮シジュウカラ2 ⑯ヒバリ1 ⑰イワツバメ10 ⑱ヒヨドリ3 ⑲セッカ1 ⑳ムクドリ38 ㉑ツグミ7
㉒ジョウビタキ1♂ ㉓スズメ7 ㉔ハクセキレイ6 ㉕セグロセキレイ4 ㉖カワラヒワ5 ㉗ホオジロ13
㉘カシラダカ5 ㉙アオジ2 ㉚ドバト42    以上30種190羽 
<コメント>
〇アオサギの姿がなく、やっと1羽確認できた。そろそろ繁殖期になる、今年も多摩動物
 公園で営巣するのであろうか。
〇春の使節コチドリを確認する、定着するとよいのであるが…。
〇イワツバメは3月4日に一番橋で13羽見るが、前日の3日には本会会員の小久保さんが
 一番橋で2羽観察している。

2023年3月15日<8:30~10:20>晴れ
①キジ2♂ ②マガモ2♂ ③カルガモ7 ④コガモ1♀ ⑤キジバト5 ⑥カワウ5 ⑦アオサギ3 ⑧ダイサギ4
⑨コサギ1 ⑩イカルチドリ4 ⑪タシギ2 ⑫トビ1 ⑬カワセミ1 ⑭モズ5(♂4♀1) ⑮ハシボソガラス6
⑯シジュウカラ2 ⑰ヒバリ1 ⑱イワツバメ5 ⑲ヒヨドリ1 ⑳ウグイス2 ㉑セッカ1 ㉒ムクドリ22
㉓ツグミ9 ㉔ジョウビタキ1♂ ㉕スズメ3 ㉖ハクセキレイ3 ㉗セグロセキレイ5 ㉘カワラヒワ4
㉙ホオジロ7 ㉚アオジ1 ㉛ドバト31    以上31種147羽 
<コメント>
〇カワセミは後ろ姿だけで雌雄は不明であったが、定番の場所で休息していたので雄で
 あろう。
〇移動の途中かタシギが2羽を確認する。
〇まだ鳴かないがセッカが春を告げるように飛び回っていた。

2023年3月20日<8:25~10:20>晴れ
①キジ2♂ ②カルガモ3 ③キジバト7 ④カワウ4 ⑤アオサギ3 ⑥ダイサギ13 ⑦ コサギ7
⑧イカルチドリ2 ⑨トビ1 ⑩カワセミ2(♂1) ⑪モズ6(♂5不明1) ⑫ ハシボソガラス6
⑬シジュウカラ2 ⑭ヒバリ1 ⑮イワツバメ5 ⑯ヒヨドリ3 ⑰ウグイス1 ⑱セッカ3 ⑲ムクドリ20
⑳ツグミ2 ㉑スズメ3 ㉒キセキレイ1 ㉓ハクセキレイ3 ㉔セグロセキレイ4 ㉕ワラヒワ3 ㉖ホオジロ7
㉗カシラダカ2 ㉘アオジ1 ㉙ドバト4    以上29種114羽 
<コメント>
〇調査start地点の水辺からコサギ7羽が一斉に飛び立ち下流に向かう。下流のふれあい橋
 周辺ではコサギを多々見るが、本調査地内では少ない。
〇モズ多かったが、雌は見なかった。
〇右岸の桜並木でシジュウカラが大きな声で囀っていた。
〇久しぶりにキセキレイを見る、本種は浅川で減っているか?

2023年3月29日<8:15~10:10>くもり
①キジ3(♂1) ②マガモ2♂ ③カルガモ7 ④キジバト6 ⑤カワウ4 ⑥アオサギ3 ⑦ダイサギ9
⑧コサギ6 ⑨イカルチドリ1 ⑩コチドリ2 ⑪タシギ1 ⑫トビ1 ⑬ノスリ1 ⑭カワセミ1♂ ⑮モズ3♂
⑯ハシボソガラス11 ⑰ハシブトガラス1 ⑱シジュウカラ2 ⑲ヒバリ1 ⑳ツバメ3 ㉑イワツバメ25+
㉒ヒヨドリ10 ㉓ウグイス1 ㉞セッカ2 ㉟ムクドリ12 ㊱ツグミ4 ㊲スズメ2 ㊳ハクセキレイ
㊴セグロセキレイ2 ㊵ワラヒワ12 ㊶ホオジロ5 ㊷アオジ1 ㊸ドバト28 ㊹カビチョウ1
以上34種174羽 
<コメント>
〇本日は出現種数が34種と45年前と比べても負けない?数になった。ただ個体数は圧倒的に違う。
 45年前は3月でも冬鳥のカモ類が多数残っていた
 2023年3/7)30種190羽、3/15)31種147羽、3/20)29種114羽、3/29)34種174羽
 1978年3/5)34種835羽、3/12)31種912羽、3/21)32種693羽、3/25)28種605羽