第26回
浅川の野鳥・今と昔
                           日野の自然を守る会 金子凱彦

 昔(1978年)の浅川の調査記録と現在(2023年)の記録を比べながら、浅川の野鳥たち
の変遷をみています。
45年前と同じ調査地とコース 
 浅川は陣馬山麓に源を発し八王子市、日野市を流れ多摩川に合流する延長30kmの一級
河川です。調査方法は浅川左岸の日野市民プール(川辺堀之内190番地先)から上流の一
番橋を通り運動場・豊田児童グランド(多摩川から4.4kmの位置)までの1.5kmを歩き
ながら野鳥の種類と数を記録する。当時の堤防は現在のように舗装されていなく、自転車
で通るのも危険という時代もあったが、浅川をとりまく自然環境は今日と比べはるかに多
様性に富んでいた。

昔の<調査>結果

1978年4月2日<6:50 ~8:20>くもり 肌寒い 
①ゴイサギ1(幼鳥)1 ②コサギ7 ③カルガモ23 ④コガモ179 ⑤ヒドリガモ9(♂5♀4)
⑥オナガガモ4(♂2♀2) ⑦コチドリ6(初認) ⑧イカルチドリ3 ⑨イソシギ3 ⑩タシギ5
⑪キジバト24 ⑫ヒバリ7 ⑬ツバメ36 ⑭キセキレイ2 ⑮ハクセキレイ41 ⑯セグロセキレイ2
⑰タヒバリ27 ⑱ヒヨドリ2 ⑲ツグミ31 ⑳ウグイス1 ㉑シジュウカラ1 ㉒ホオジロ5
㉓カシラダカ11 ㉔アオジ8 ㉕カワラヒワ76+ ㉖シメ1 ㉗スズメ71 ㉘ムクドリ11
㉙ハシボソガラス5 〇カモSPの雑種1 
以上29種603羽
<当時のNote>
〇オナガガモ4羽と極端に少なくなる。
〇コチドリ6羽、初認。前回の3/25にはいなかった。
〇ツバメ多くなる、特に一番橋下流付近で18羽と多かった。イワツバメは1羽もいない。
〇ハクセキレイが多かった。10羽、8羽とかたまっている所が幾つかあった。
北の繁殖地への移動前の集合か?黒、白、グレーの色彩が鮮やかに感じられた。

1978年4月9日<6:45 ~8:25>晴れ 
①コサギ8 ②カルガモ25 ③コガモ104 ④オナガガモ5 ⑤コジュケイ4 ⑥クイナ1 ⑦コチドリ1
⑧イカルチドリ2 ⑨クサシギ1 ⑩イソシギ5 ⑪タシギ10 ⑫キジバト14 ⑬カワセミ1
⑭ヒバリ11 ⑮ツバメ7 ⑯ハクセキレイ7 ⑰セグロセキレイ3 ⑱タヒバリ31 ⑲ヒヨドリ5
⑳ツグミ27 ㉑セッカ1 ㉒オジロ2 ㉓カシラダカ4 ㉔アオジ7 ㉕カワラヒワ26 ㉖スズメ61
㉗ムクドリ4 ㉘ハシボソガラス2 ㉙ハシブトガラス1 〇カモSPの雑種1  以上29種380羽
<当時のNote>
〇オナガガモ5羽で終認、3/5)259羽、3/12)183羽、 3/21)102羽、3/25)34羽、4/2)4羽、
4/9)5羽、4/16)0羽、今冬の最高羽数は1月29日の420羽であった、オナガガモがいなく
なると浅川も寂しくなる。

1978年4月16日<6:30 ~7:45>くもり 風強し 
①コサギ6 ②カルガモ32 ③コガモ93 ④ヒドリガモ1♂ ⑤トビ1 ⑥キジ1 ⑦コジュケイ3
⑧コチドリ2 ⑨イカルチドリ6 ⑩イソシギ3 ⑪タシギ8 ⑫キジバト13 ⑬ヒバリ6 ⑭ツバメ14
⑮ハクセキレイ1(終認)⑯セグロセキレイ3 ⑰タヒバリ11 ⑱ヒヨドリ5 ⑲ツグミ19
⑳セッカ2 ㉑カシラダカ8 ㉒アオジ6 ㉓カワラヒワ1 ㉔スズメ42 ㉕ムクドリ3 ㉖オナガ8
㉗ハシボソガラス7 ㉘ハシブトガラス2 
以上28種307羽
<当時のNote>
〇ハクセキレイは終認であった。秋まで会えなくなる。
⇒いつから浅川で留鳥になったか、これから調べていこう。
〇4月15日の記録であるが、左岸のゴルフ練習場裏の<竹林>上空をゴイサギ30羽+が舞
う(17時ごろ)。周辺の桜は満開である。
⇒現在は45年前より1カ月早い開花になる(2023年の都心の桜開花宣言は3月14日だった)。

1978年4月23日<6:35 ~8:00>晴れ 
①コサギ7 ②カルガモ30 ③コガモ112 ④コジュケイ1 ⑤キジ2♀ ⑥コチドリ3
⑦イカルチドリ5 ⑧クサシギ1 ⑨イソシギ6 ⑩タシギ6 ⑪ユリカモメ8(上流へ6、
下流へ2)終認 ⑫キジバト10 ⑬カワセミ1 ⑭ヒバリ7 ⑮ツバメ15 ⑯タヒバリ3(終認)
⑰ヒヨドリ7 ⑱モズ1♂ ⑲ツグミ12 ⑳セッカ2 ㉑ホオジロ3 ㉒カシラダカ4 ㉓アオジ8
㉔カワラヒワ2 ㉕シメ2 ㉖スズメ58 ㉖ムクドリ14 ㉗カケス1 ㉘オナガ1 ㉙ハシボソガラス3
㉚カモSPの雑種1     以上29種335羽
<当時のNote>
〇ユリカモメ3羽は夏羽であった。
〇平山(右岸)から浅川を豊田(左岸)に横切るカケス1羽を観察する。なお左岸のゴルフ
練習場脇の林でもカケスを確認する。移動の時期なのか。
〇左岸日枝神社より1羽のオナガが右岸に渡ろうとするが途中で引き返してきた、オナガは
非常に神経質だ。
〇イワツバメは観察できなかった。
〇4月26日、一番橋でイワツバメ3羽を見る(9:30)、初認になる。
⇒45年前には国鉄のストがよくあり、中央線豊田駅を利用していた私は浅川・一番橋を渡
り京王線の南平から都内の職場に出勤した。

今の<調査>結果

2023年4月4日<8:15~10:00>晴れ
①キジ3 ②マガモ2♂ ③カルガモ7 ④キジバト5 ⑤カワウ11 ⑥アオサギ2 ⑦ダイサギ14
⑧コサギ3 ⑨トビ1 ⑩ハイタカ1 ⑪カワセミ1 ⑫モズ3♂ ⑬ハシボソガラス9
⑭ハシブトガラス3 ⑮シジュウカラ2 ⑯ツバメ3 ⑰イワツバメ30+ ⑱ヒヨドリ59
⑲ウグイス1 ⑳セッカ1 ㉑ムクドリ5 ㉒スズメ18 ㉓ハクセキレイ1 ㉔セグロセキレイ1
㉕カワラヒワ1 ㉖ホオジロ5 ㉗カシラダカ2 ㉘アオジ1 ㉙ドバト19 ㉚ガビチョウ1
以上30種215羽   
<コメント>
〇市民プールと上流側の日枝神社で低空を飛ぶハイタカを見るが、同じ個体であろう。
なお3月28日に本種の観察が一番橋で報告されている。
〇ヒヨドリの春の渡りに会う。右岸(南側)より左岸(北側)へ12羽、12羽の群れが川を
越える。また日枝神社の若葉のではじめた大ケヤキの樹冠部より次から次へと本種が鳴き
ながら南方向へ飛んだ、28羽まで数えたがもっと多かったのでないか。

2023年4月10日<8:20~10:00>晴れ
①キジ3 ②カルガモ6 ③キジバト5 ④カワウ3 ⑤アオサギ2 ⑥ダイサギ5 ⑦コサギ1
⑧イカルチドリ1 ⑨コチドリ1 ⑩トビ1 ⑪ノスリ1 ⑫モズ2♂ ⑬ハシボソガラス6
⑭ハシブトガラス1 ⑮ツバメ7 ⑯コシアカツバメ1 ⑰イワツバメ25 ⑱ヒヨドリ99
⑲ウグイス1 ⑳セッカ1 ㉑ムクドリ12 ㉒スズメ18 ㉓ハクセキレイ1 ㉔カワラヒワ2
㉕ホオジロ3 ㉖ドバト18 ㉗ガビチョウ1    以上27種228羽  
<コメント>
〇プール前から観察する、ノスリがゆっくり上流の一番橋に向かって飛ぶ。
〇飛翔のツバメ4羽の中にコシアカツバメが1羽混じるが、すぐ別々に分かれた。
〇右岸から左岸(北側)に渡るヒヨドリを合計96羽数える。内30羽+、15羽、3羽は日枝
神社の大ケヤキに入った。そこからさらに北に飛ぶであろう。

2023年4月18日<8:30~10:00>くもり時々晴れ
①キジ4 ②カルガモ7 ③キジバト6 ④カワウ81 ⑤アオサギ2 ⑥ダイサギ11 ⑦コサギ4
⑧トビ1 ⑨カワセミ1 ⑩モズ1♂ ⑪ハシボソガラス10 ⑫シジュウカラ1 ⑬ツバメ6
⑭イワツバメ25 ⑮ヒヨドリ4 ⑯ウグイス1 ⑰セッカ1 ⑱ムクドリ8 ⑲ツグミ4 ⑳スズメ3
㉑ハクセキレイ2 ㉒セグロセキレイ2 ㉓カワラヒワ7 ㉔ホオジロ3 ㉕ドバト3 ㉖ガビチョウ1
以上26種199羽 
<コメント>
〇下流の高幡橋からカワウの群れが飛来しStart地点の水辺に降りる。78羽を数えるが、
一休みして?すぐ下流に戻ってしまった。
〇一番橋上流川の水辺の崖でカワセミを見る、営巣は?
〇ヒヨドリの渡りには会わなかったので、4羽と少なかった。
〇前回はゼロであったが今回ツグミ4羽をカウントする。なお調査区域外であるが上流
の豊田公園の芝生でせっせと採食しているツグミたちを数える、10羽以上はいた。

2023年4月24日<8:30~10:00>くもり
①キジ3 ②カルガモ9 ③キジバト11 ④カワウ8 ⑤アオサギ5 ⑥ダイサギ6 ⑦コサギ4
⑧コチドリ2 ⑨キアシシギ3 ⑩カワセミ1 ⑪モズ1 ⑫ハシボソガラス8 ⑬ヒバリ1
⑭ツバメ25+ ⑮イワツバメ30 ⑯ヒヨドリ3 ⑰ウグイス1 ⑱セッカ2 ⑲ムクドリ30
⑳ツグミ1 ㉑スズメ16 ㉒ハクセキレイ4 ㉓セグロセキレイ2 ㉔カワラヒワ4 ㉕ホオジロ3
㉖ドバト5     以上26種184羽 OK  
<コメント>
〇コチドリは2羽で行動している。
〇キアシシギ3羽を観察するが、22日には同じ所で5羽を確認した。
〇市民プール周辺でツバメが多かった。曇り空で気温も低かったためか、水面や河川敷を
低空で旋回している。
〇水門のコンクリートの上に胸を張って止まっているツグミを1羽観察す。終認になるか?