第28回
浅川の野鳥・今と昔
                           日野の自然を守る会 金子凱彦

 昔(1978年)の浅川の調査記録と現在(2023年)の記録を比べながら、浅川の野鳥たち
の変遷をみています。
45年前と同じ調査地とコース 
 浅川は陣馬山麓に源を発し八王子市、日野市を流れ多摩川に合流する延長30kmの一級
河川です。調査方法は浅川左岸の日野市民プール(川辺堀之内190番地先)から上流の一
番橋を通り運動場・豊田児童グランド(多摩川から4.4kmの位置)までの1.5kmを歩き
ながら野鳥の種類と数を記録する。当時の堤防は現在のように舗装されていなく、自転車
で通るのも危険という時代もあったが、浅川をとりまく自然環境は今日と比べはるかに多
様性に富んでいた。

昔の<調査>結果

1978年6月11日<6:30 ~8:00>晴れ 本日梅雨入り 
①ゴイサギ1(成鳥) ②ササゴイ1(成鳥) ③カルガモ21 ④キジ1 ⑤コチドリ6 ⑥イカルチドリ2
⑦イソシギ4 ⑧キジバト19 ⑨ヒバリ14 ⑩ツバメ13 ⑪イワツバメ12 ⑫キセキレイ1
⑬セグロセキレイ6(幼鳥1) ⑭ヒヨドリ5 ⑮オオヨシキリ1 ⑯セッカ4 ⑰カワラヒワ1 ⑱スズメ75
⑲ムクドリ23 ⑳ハシブトガラス2 〇カモの雑種1   以上20種215羽 
<当時のNote>
〇前回、本日とコサギなし。
〇ササゴイ初認、すでに5月13日多摩川で、同16日に清水谷公園で観察をしている。
<ササゴイの記録>
1975年5月10日、一番橋で観察。1976年5月30日初認、1977年5月21日初認、
1978年6月11日初認
〇イワツバメ5羽が一番橋の下を出入りしている。昨年と同じく造巣を試みるか。

1978年6月18日<6:30 ~7:55>快晴 前日に続き30℃越す、7月下旬並みになる 
①ゴイサギ2(幼鳥) ②カルガモ41 ③コジュケイ1 ④キジ3 ⑤コチドリ4 ⑥イカルチドリ4
⑦イソシギ5 ⑧キジバト13 ⑨カワセミ1 ⑩ヒバリ14 ⑪ツバメ22 ⑫イワツバメ7 ⑬キセキレイ7
⑭セグロセキレイ4 ⑮ヒヨドリ5 ⑯モズ2 ⑰セッカ5 ⑱カワラヒワ1 ⑲スズメ96 ⑳ムクドリ23
㉑オナガ3 ㉒ハシブトガラス6 〇カモの雑種1   以上22種269羽 
<当時のNote>
〇カワセミ観察の記録
1/5,1/8,1/21,1/29,2/5,3/12,3/19,3/21,4/1,4/9,4/23,5/3 各1羽、繁殖は不明
〇一番橋のイワツバメの巣、一つは2/3程度完成した。
〇キセキレイ多かった、2羽、3羽、2羽を見る。

1978年6月25日<7:30 ~8:50> くもり 
①ゴイサギ2(幼鳥) ②カルガモ36 ③コジュケイ1 ④キジ1 ⑤コチドリ3 ⑥イカルチドリ3
⑦イソシギ6 ⑧キジバト21 ⑨ヒバリ10 ⑩ツバメ16 ⑪イワツバメ7 ⑫キセキレイ1
⑬セグロセキレイ5 ⑭ヒヨドリ2 ⑮セッカ3 ⑯カワラヒワ2 ⑰スズメ117 ⑱ムクドリ13
⑲オナガ1 ⑳ハシボソガラス1 ㉑カモの雑種1  
以上20種251羽 
<当時のNote>
〇5月28日以来コサギを見ない。
〇一番橋のイワツバメの巣はほぼ完成する。

 
●今の<調査>結果

2023年6月17日<8:20~10:00>快晴   連日の雨で水量が多い
①キジ1 ②カルガモ8 ③キジバト3 ④カワウ4 ⑤アオサギ4 ⑥ダイサギ4 ⑦イカルチドリ3
⑧ハシボソガラス12 ⑨ハシブトガラス1 ⑩シジュウカラ4 ⑪ヒバリ1 ⑫ツバメ9
⑬イワツバメ40± ⑭ヒヨドリ2 ⑮ウグイス1 ⑯オオヨシキリ1 ⑰セッカ5 ⑱ムクドリ5
⑲スズメ12 ⑳ハクセキレイ1 ㉑セグロセキレイ1 ㉒カワラヒワ3 ㉓ホオジロ4 ㉔ドバト6
㉕ガビチョウ1    以上25種136羽  
<コメント>
〇シジュウカラが河川より飛来し堤防脇の電線に並ぶ、若鳥か?
〇久しぶりにヒバリが飛び立つが囀りはなし。
〇市民プール前のヨシ原でオオヨシキリが元気に鳴いていた。
〇ハクセキレイ、セグロセキレイともやっと1羽確認しただけであった。ちなみに昨年
(22年)6月18日はハクセキレイ1羽だけであった。

2023年6月21日<8:20~10:00>《夏至》くもり 連日の雨で水量が多い
①カルガモ14 ②キジバト4 ③カワウ3 ④アオサギ5 ⑤ダイサギ9 ⑥ヒメアマツバメ1
⑦イカルチドリ5 ⑧コチドリ3 ⑨トビ1 ⑩カワセミ1 ⑪ハシボソガラス6 ⑫ツバメ7
⑬イワツバメ45± ⑭ヒヨドリ8 ⑮ウグイス2 ⑯オオヨシキリ1 ⑰セッカ3 ⑱ムクドリ44±
⑲スズメ10 ⑳ハクセキレイ1 ㉑セグロセキレイ4 ㉒カワラヒワ2 ㉓ホオジロ4 ㉔ドバト6
㉕ガビチョウ1    以上25種190羽  
<コメント>
〇カルガモの親子8羽、子は親より一回り小さいほどの大きさになっている、近くにハシ
ボソガラスが寄って来るがもう襲われる心配はない。よくぞ7羽をここまで育てた、賢い
母親だ。
〇イカルチドリ、コチドリが鳴き飛び回って、賑やかであった。
〇カワセミが飛ぶ、久しぶりであったが繁殖はどこでしているのであろう。
〇セグロセキレイ多かった、すべて白黒の色彩がはっきりした成鳥であった。

2023年6月27日<8:30~10:10>くもり
①キジ1♂ ②カルガモ8 ③キジバト6 ④カワウ8 ⑤アオサギ6 ⑥ダイサギ4 ⑦コサギ4
⑧イカルチドリ2 ⑨コチドリ2 ⑩トビ3 ⑪カワセミ1 ⑫ハシボソガラス9 ⑬ハシブトガラス1
⑭シジュウカラ1 ⑮ツバメ7 ⑯イワツバメ42± ⑰ヒヨドリ2 ⑱ウグイス1 ⑲セッカ4
⑳ムクドリ42 ㉑スズメ9 ㉒ハクセキレイ3 ㉓セグロセキレイ7 ㉔カワラヒワ6 ㉕ホオジロ8
㉖ドバト5 ㉗ガビチョウ1    
以上27種183羽  
<コメント>
〇コサギを4羽数える、ばらばらで採食していた。前回は調査外の平山橋下流で1羽を観
察したのみであった。
〇一番橋下流側を40羽ほどのイワツバメが舞う、乱舞の感あり。
〇本日もセグロセキレイが多かった。7羽は最近ない数だ。
〇ホオジロの幼鳥3羽を数えるが、もっと多かったようだ。