第29回
浅川の野鳥・今と昔
                           日野の自然を守る会 金子凱彦

 昔(1978年)の浅川の調査記録と現在(2023年)の記録を比べながら、浅川の野鳥たち
の変遷をみています。
45年前と同じ調査地とコース 
 浅川は陣馬山麓に源を発し八王子市、日野市を流れ多摩川に合流する延長30kmの一級
河川です。調査方法は浅川左岸の日野市民プール(川辺堀之内190番地先)から上流の一
番橋を通り運動場・豊田児童グランド(多摩川から4.4kmの位置)までの1.5kmを歩き
ながら野鳥の種類と数を記録する。当時の堤防は現在のように舗装されていなく、自転車
で通るのも危険という時代もあったが、浅川をとりまく自然環境は今日と比べはるかに多
様性に富んでいた。

昔の<調査>結果

1978年7月9日<6:30 ~7:50>くもり 5日梅雨明け 
①ゴイサギ7(幼鳥) ②ササゴイ1(成鳥) ③カルガモ58 ④コジュケイ4 ⑤コチドリ3
⑥イカルチドリ4 ⑦イソシギ9 ⑧キジバト39 ⑨ヒバリ16 ⑩ツバメ18 ⑪イワツバメ8
⑫セグロセキレイ5 ⑬ヒヨドリ1 ⑭セッカ3 ⑮ホオジロ2 ⑯カワラヒワ10 ⑰スズメ137±
⑱ムクドリ7 ⑲オナガ3 ⑳ハシブトガラス5 
以上20種340羽 
<当時のNote>
〇ササゴイ1羽が一番橋上を上流に飛ぶ。
〇とにかくカルガモが多い、成鳥ほど大きくなった若鳥のファミリーもある。
〇イワツバメの巣が完成する。

1978年7月16日<6:35 ~8:00>はれ
①ゴイサギ5(成鳥2幼鳥3) ②ササゴイ2(成鳥) ③カルガモ38 ④コジュケイ3
⑤コチドリ1 ⑥イカルチドリ7 ⑦イソシギ7 ⑧キジバト49 ⑨カワセミ1 ⑩ヒバリ12
⑪ツバメ15 ⑫イワツバメ3 ⑬セグロセキレイ11 ⑭ヒヨドリ2 ⑮セッカ4 ⑯ホオジロ2
⑰スズメ127 ⑱ムクドリ5 ⑲オナガ1 ⑳ハシブトガラス4 <番外>オオキンランチョウ1
以上21種300羽 
<当時のNote>
〇ササゴイ2羽が一番橋上を上流に飛ぶ。
〇一番橋のイワツバメの巣が壊されている、昨日の夕方にはすでに壊れていた。
〇籠脱け鳥のキンランチョウorオオキンランチョウを観察する。 スズメほどで太って見
える、尾短い。真赤、黒と派手な色である。参考〇標準原色図鑑全集18飼鳥・家畜(宇田
川竜男著)

1978年7月30日<6:40 ~8:00>はれ
①ゴイサギ8(成鳥1幼鳥7) ②コサギ1 ③カルガモ41 ④イカルチドリ7 ⑤キアシシギ1(初認)
⑥イソシギ7 ⑦キジバト26 ⑧ヒバリ3 ⑨ツバメ17 ⑩イワツバメ2 ⑪キセキレイ1
⑫セグロセキレイ8 ⑬ヒヨドリ1 ⑭モズ1 ⑮セッカ3 ⑯ホオジロ2 ⑰カワラヒワ16
⑱スズメ168 ⑲ムクドリ ⑳オナガ1 <番外>オオキンランチョウ1   以上21種316羽 
<当時のNote>
〇今回もキンランチョウorオオキンランチョウを観察する。

 
●今の<調査>結果

2023年7月5日<8:30~10:00>くもり
①キジ1 ②カルガモ15 ③キジバト5 ④カワウ11 ⑤アオサギ7 ⑥ダイサギ4 ⑦コサギ5
⑧イカルチドリ2 ⑨コチドリ4 ⑩トビ1 ⑪カワセミ1 ⑫オナガ2 ⑬ハシボソガラス12
⑭ハシブトガラス5 ⑮ツバメ8 ⑯イワツバメ35+ ⑰ヒヨドリ7 ⑱ウグイス2 ⑲セッカ4
⑳ムクドリ15 ㉑スズメ7 ㉒ハクセキレイ2 ㉓グロセキレイ1 ㉔カワラヒワ2 ㉕ホオジロ6
㉖ドバト25   以上26種166羽  
<コメント>
〇カルガモ親子8羽、子は十分に大きくなって成鳥と変わらない。
〇久しぶりにコサギ5羽を数える。
〇前回に比べセキレイSPが少なかった。

2023年7月22<8:30~10:00>くもり
①キジ1 ②カルガモ2 ③キジバト5 ④カワウ6 ⑤アオサギ7 ⑥ダイサギ8 ⑦ヒメアマツバメ3
⑧コチドリ1 ⑨トビ1 ⑩カワセミ1 ⑪ハシボソガラス3 ⑫ヒバリ1 ⑬ツバメ10 ⑭イワツバメ6
⑮ヒヨドリ2 ⑯セッカ3 ⑰ムクドリ35 ⑱スズメ7 ⑲ハクセキレイ3 ⑳セグロセキレイ1
㉑カワラヒワ1 ㉒ホオジロ3 ㉓ドバト5    以上23種115羽  
<コメント>
午前中くもり空で幸運であった、太陽カンカンだったら本日は中止しようと考えていた。
〇スタート地点でツバメ、イワツバメの中にヒメアマツバメを確認する。小柄ながら翼の
先鋭的形が鮮明に見えた。
〇イワツバメが激減し一番橋では3羽を数えたのみであった。前回の5日には橋で30羽ほ
どを数えていた。

2023年7月29<8:20~9:50>晴れ
①カルガモ2 ②キジバト4 ③カワウ1 ④アオサギ4 ⑤ダイサギ6 ⑥トビ1 ➆カワセミ1♂
⑧ハシソガラス5 ⑨ハシブトガラス1 ⑩ツバメ28 ⑪イワツバメ5 ⑫ヒヨドリ3 ⑬ウグイス2
⑭オオヨシキリ1 ⑮セッカ3 ⑯ムクドリ7 ⑰スズメ8 ⑱キセキレイ1 ⑲ハクセキレイ3
⑳セグロセキレイ2 ㉑カワラヒワ2 ㉒ホオジロ4 ㉓ドバト25 ㉔ガビチョウ4
以上24種123羽  
<コメント>
連日の猛暑(35℃以上)、高齢者としてはいささか腰が引ける。太陽カンカン照りのなか熱
中症対策を考慮しながら、おそるおそる?フィールドに出た。
〇カワセミの若鳥♂を観察する、コンクリトの水際から盛んに飛び込んでいた、水浴びか?
今日も最高気温が36℃になった。
〇一番橋周辺でイワツバメを観察できなかった。
〇キセキレイを観察する、久しぶりにキ、ハク、セグロの3種が揃った。