第33回
浅川の野鳥・今と昔
                                            日野の自然を守る会 金子凱彦
 
 昔(1978年)の浅川の調査記録と現在(2023年)の記録を比べながら、浅川の野鳥たちの変遷を
みています。

45年前と同じ調査地とコース 
 浅川は陣馬山麓に源を発し八王子市、日野市を流れ多摩川に合流する延長30kmの一級河川です。
調査方法は浅川左岸の日野市民プール(川辺堀之内190番地先)から上流の一番橋を通り運動場・
豊田児童グランド(多摩川から4.4kmの位置)までの1.5kmを歩きながら野鳥の種類と数を記録
する。当時の堤防は現在のように舗装されていなく、自転車で通るのも危険という時代もあったが、
浅川をとりまく自然環境は今日と比べはるかに多様性に富んでいた。


昔の<調査>結果

1978年11月4日<6:40 ~8:30> はれ  富士山がよく見える
①ゴイサギ4(幼鳥)②コサギ18 ③カルガモ79 ④コガモ100 ⑤ヒドリガモ23 ⑥オナガガモ132
⑦ハシビロガモ1♀(初認)⑧チョウゲンボウ1 ⑨コジュケイ1 ⑩イソシギ8 ⑪タシギ8 ⑫ユリカモメ10
⑬キジバト30 ⑭かわせみ1 ⑮ヒバリ4 ⑯ハクセキレイ16 ⑰セグロセキレイ15 ⑱タヒバリ9(初認)
⑲ヒヨドリ17 ⑳モズ5 ㉑ホオジロ3 ㉒カシラダカ23 ㉓アオジ5 ㉔カワラヒワ91 ㉕スズメ145
㉖ムクドリ43 ㉗ハシブトガラス33  以上27 種795 羽 
<当時のNote>
〇本日(11/4)タヒバリ初認(9羽)、77年は10月30日(9羽)、76年は10月(7羽)であった。
〇カシラダカ本日(11/4)初認23羽、77年は10月30日16羽、76年は10月23日1羽であった。
〇アオジ本日(11/4)初認5羽、77年は10月30日1羽、76年は11月6日7羽であった。

1978年11月19日<7:50 ~9:25>くもり
早朝雨だったのでカウント時間が遅れる
①ゴイサギ15(幼鳥)②ダイサギ2 ③コサギ8 ④マガモ4(♂3♀1) ⑤カルガモ66 ⑥コガモ133
⑦ヒドリガモ3 ⑧オナガガモ137 ⑨コジュケイ2 ⑩イソシギ3 ⑪タシギ6 ⑫ユリカモメ50(上流へ33、
下流へ17)⑬キジバト23 ⑭カワセミ1 ⑮ヒバリ1 ⑯キセキレイ1 ⑰ハクセキレイ24 ⑱セグロセキレイ24
⑲タヒバ21 ⑳ヒヨドリ5 ㉑モズ5 ㉒シロハラ1 ㉓ウグイス1 ㉔ホオジロ9 ㉕カシラダカ33 ㉖アオジ11
㉗カワラヒワ286 ㉘スズメ410 ㉙ムクドリ30 ㉚オナガ16 ㉛ハシブトガラス3 ㉜ハシブトガラス2
以上32種1,355羽 
<当時のNote>
〇下流に飛ぶダイサギ2羽を確認する。
〇グランド付近で200羽以上のカワラヒワとスズメの群れあり。
〇日枝神社脇の柿の木にシロハラが止まっていた、調査地では珍しい。
<現在のコメント>ダイサギは1980年代は冬に稀に見るサギだった。

1978年11月26日<7:30 ~9:00>はれ
①コサギ16 ②マガモ4(♂3♀1) ③カルガモ81 ④コガモ124 ⑤ヒドリガモ44 ⑥オナガガモ333
⑦ハシビロガモ4 ⑧トビ1 ⑨コジュケイ1 ⑩キジ1♂ ⑪イソシギ4 ⑫タシギ5 ⑬ユリカモメ14(上11下3)
⑭キジバト34 ⑮ヒバリ1 ⑯ハクセキレイ24 ⑰セグロセキレイ18 ⑱タヒバ14 ⑲ヒヨドリ12 ⑳モズ6
㉑ツグミ4 ㉒ウグイス1 ㉓ホオジロ2 ㉔カシラダカ6 ㉕アオジ6 ㉖カワラヒワ147 ㉗シメ1 ㉘スズメ176
㉙ムクドリ32 ㉚ハシブトガラス3 ㉛ハシブトガラス2  以上31種1,121羽 
<当時のNote>
〇ツグミ初認4羽、1977年も11月26日で5羽、1976年は11月20日8羽であった。
〇一番橋下流側でシメの声を聞く、今冬初めてある。

今の<調査>結果

2023年11月8日<8:30~10:10> 晴れ
①キジ1 ②カルガモ4 ③コガモ6 ④キジバト2 ⑤カワウ4 ⑥アオサギ8 ⑦ダイサギ6 ⑧イカルチドリ1
⑨タシギ1 ⑩トビ1 ⑪オオタカ1 ⑫ワセミ1 ⑬チョウゲンボウ1 ⑭モズ3(♂1) ⑮ハシボソガラス22
⑯ハシブトガラス1 ⑰ヒヨドリ5 ⑱セッカ1 ⑲ムクドリ3 ⑳スズメ5 ㉑キセキレイ1 ㉒ハクセキレイ5
㉓セグロセキレイ2 ㉔カワラヒワ2 ㉕ホオジロ3 ㉖ドバト9  以上26種99 羽  
<コメント>
〇前回(10/39)と同じ所でタシギを確認する、今年も越冬するか楽しみだ。
〇オオタカの幼鳥が水辺に腹まで浸かっていた、獲物を沈めているのか?と思ったが、飛び立った
 時何もつかんでいなかった。水際ではハクセキレイ3羽が忙しげに行き来していた、モビングのようだ。
 オオタカの幼鳥を一番橋周辺で10/29 、10/30、 11/7と見ている。
〇グランドの最下流側をチョウゲンボウが右岸から左岸に低空で横切る。

2023年11月13日<8:20~10:10> くもり
①キジ1 ②カルガモ15 ③キジバト4 ④カワウ2 ⑤アオサギ7 ⑥ダイサギ19 ⑦トビ1 ⑧カワセミ1
⑨モズ2♂ ⑩ハシボソガラス8 ⑪ハシブトガラス4 ⑫シジュウカラ2 ⑬ヒヨドリ6 ⑭セッカ1
⑮ムクドリ65 ⑯ジョウビタキ1♂ ⑰スズメ5 ⑱キセキレイ1 ⑲ハクセキレイ3 ⑳セグロセキレイ6
㉑カワラヒワ3 ㉒ホオジロ9 ㉓ドバト17 ㉔ガビチョウ1  以上24種184 羽  
<コメント>
〇2~3羽で上流に向かうダイサギを10羽ほど数える、平山橋よりさらに上流に向かったようだ。
〇市民プールの三角屋根のてっぺんに止まるジョウビタキを観察する。

2023年11月21日<8:10~10:00> 晴れ
①キジ1 ②カルガモ3 ③キジバト3 ④カワウ60± ⑤アオサギ7 ⑥ダイサギ100± ⑦イカルチドリ2
⑧タシギ1 ⑨トビ1 ⑩カワセミ1 ⑪モズ2♂ ⑫ハシボソガラス15 ⑬ハシブトガラス2 ⑭シジュウカラ2
⑮ヒバリ1 ⑯ヒヨドリ6 ⑰セッカ2 ⑱ムクドリ38 ⑲ジョウビタキ1♂ ⑳スズメ60± ㉑ハクセキレイ7
㉒セグロセキレイ4 ㉓カワラヒワ2 ㉔ホオジロ10 ㉕アオジ5 ㉖ドバト7  以上26種343 羽  
<コメント>
〇高幡橋の上流側でダイサギの大きな群れが舞っていた、着水してはまた飛び立つを繰り返していたが、
 上流に移動、一部は市民プール前に降りるが再び上流へ去る、100羽ほどを数えた。なお調査終了後上流
 の平山橋まで行くが大きな群れはいなかった。
〇カワウもダイサギと同じような行動であったが、数は半分ほどであった。
〇11月19日の日野の自然を守る会主催の「より鳥みどり観察会」(コースはほぼ同じ)で冬鳥のツグミ、
 タヒバリ、カシラダカが観察されたが、本日はカウントできなかった。なお当日一番橋の上流側で釣り人
 に追われたイカルチドリ30羽ほどが舞ったが、本日はこのような群れも観察できなかった。

11月19日に観察した鳥
カワウ、ダイサギ、コサギ、アオサギ、マガモ、カルガモ、トビ、オオタカ、オオバン、イカルチドリ、
タシギ、キジバト、ヒメアマツバメ、カワセミ、キセキレイ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、タヒバリ、
ヒヨドリ、モズ、ジョウビタキ、イソヒヨドリ、ツグミ、セッカ、シジュウカラ、メジロ、ホオジロ、
カシラダカ、アオジ、カワラヒワ、スズメ、ムクドリ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ドバト
合計35種


2023年11月28日<7:45~9:50> 晴れ
①キジ2♂ ②カルガモ2 ③キジバト4 ④カワウ3 ⑤アオサギ5 ⑥ダイサギ9 ⑦イカルチドリ1
⑧タシギ1 ⑨トビ1 ⑩カワセミ1 ⑪モズ2♂ ⑫ハシボソガラス9 ⑬ハシブトガラス3 ⑭ツバメ1
⑮ヒヨドリ15 ⑯セッカ2 ⑰ムクドリ37 ⑱ツグミ50± ⑲スズメ3 ⑳ハクセキレイ2 ㉑セグロセキレイ6
㉒カワラヒワ3 ㉓ホオジロ10 ㉔カシラダカ8 ㉕アオジ6 ㉖ドバト6  以上26種192 羽  
<コメント>
〇一番橋上をツバメが飛ぶ、一回旋回し下流に消える。当日は晴天無風であたたかった。
〇グランド脇のムクノキにツグミが次から次へと入る。紅葉した葉が残っており姿は見えなかったが
 40~50羽は入ったであろう。時々群れで隣の木立に移るが再びムクノキに入る。一部は水辺にも降りた。
 移動の途中であろう。