第34回
浅川の野鳥・今と昔
                                            日野の自然を守る会 金子凱彦
 
 昔(1978年)の浅川の調査記録と現在(2023年)の記録を比べながら、浅川の野鳥たちの変遷を
みています。

45年前と同じ調査地とコース 
 浅川は陣馬山麓に源を発し八王子市、日野市を流れ多摩川に合流する延長30kmの一級河川です。
調査方法は浅川左岸の日野市民プール(川辺堀之内190番地先)から上流の一番橋を通り運動場・
豊田児童グランド(多摩川から4.4kmの位置)までの1.5kmを歩きながら野鳥の種類と数を記録
する。当時の堤防は現在のように舗装されていなく、自転車で通るのも危険という時代もあったが、
浅川をとりまく自然環境は今日と比べはるかに多様性に富んでいた。


昔の<調査>結果

1978年12月3日<7:30 ~9:10> はれ  
①ダイサギ5 ②コサギ13 ③マガモ4 ④カルガモ119 ⑤コガモ76 ⑥ヒドリガモ25
⑦オナガガモ203 ⑧ハシビロガモ4(♂2♀2) ⑨コジュケイ1 ⑩イソシギ2 ⑪タシギ3
⑫ユリカモメ182(上流へ168 下流へ14) ⑬キジバト21 ⑭ヒバリ1 ⑮キセキレイ2
⑯ハクセキレイ12 ⑰セグロセキレイ14 ⑱タヒバリ16 ⑲ヒヨドリ9 ⑳モズ2 ㉑ツグミ6
㉒ウグイス1 ㉓ホオジロ5 ㉔カシラダカ42+ ㉕アオジ9 ㉖カワラヒワ149 ㉗シメ2
㉘スズメ182 ㉙ムクドリ9 ㉚ハシボソガラス4 ㉛ハシブトガラス1 ㉜ヘキチョウ5
以上32 種1129 羽 
<当時のNote>
〇本日ダイサギ多かった。8時頃ばらばらであるが3羽が下流へ、2羽が上流へ飛ぶ。
〇ユリカモメ多し、一番橋にて100羽前後が舞う。
1978年10/17)2 羽、11/4)10羽、11/19)50羽、11/26)14羽、12/3)182羽
1987年10/9)3羽、10/30)58羽、11/5)59羽、11/13)126羽、11/20)87羽、11/26)44羽、
12/3)100羽、12/10)106羽、12/25)68羽
〇カシラダカが多くなった。ただカワラヒワ、スズメの大きな群れに会わなかった。
〇一番橋とグランドの中間でヘキチョウ5羽を確認する、初めて見るが間違いない。
<コメント>
〇ダイサギ5羽で多かったとあるが、1978年当時ダイサギは稀な冬鳥であった。
1978年11月4日ゼロ、11月19日2羽、11月26日ゼロ、12月3日5羽、12月10日、31日ゼロ、
1979年の1月3日ゼロ、1月15日1羽、1月28日ゼロ、2月4日2羽、2月12日、25日ゼロである。

1978年12月10日<7:50 ~9:30>くもり
①コサギ9 ②マガモ1♂ ③カルガモ38 ④コガモ129 ⑤ヒドリガモ50 ⑥オナガガモ247
⑦ハシビロガモ4(♂1♀3) ⑧キジ1♀ ⑨イソシギ1 ⑩タシギ8 ⑪ユリカモメ71(上流へ54、
下流へ17) ⑫キジバト45 ⑬ヒバリ2 ⑭ハクセキレイ19 ⑮セグロセキレイ1 ⑯タヒバ15
⑰ヒヨドリ11 ⑱モズ5(♂2♀1) ⑲ツグミ5 ⑳ウグイス1 ㉑カシラダカ38+ ㉒アオジ6
㉓カワラヒワ92 ㉔シメ2 ㉕スズメ521+ ㉖ムクドリ17 ㉗ハシブトガラス2 ㉘ハシブトガラス3
以上28種1360羽 
<当時のNote>にコメントなし。

1978年12月31日<7:20 ~9:00> はれ 富士山がきれいだ
①ゴイサギ10(幼鳥) ②コサギ10 ③マガモ2♂♀ ④カルガモ87 ⑤コガモ144
⑥ヒドリガモ68 ⑦オナガガモ260 ⑧ハシビロガモ2 ⑨キジ1♂ ⑩クイナ1 ⑪タシギ9
⑫ユリカモメ29(上流へ27 下流へ2) ⑬キジバト18 ⑭カワセミ1 ⑮キセキレイ1
⑯ハクセキレイ12 ⑰セグロセキレイ11 ⑱タヒバリ21 ⑲ヒヨドリ3 ⑳モズ4 ㉑ツグミ8
㉒ホオジロ2 ㉓カシラダカ25+ ㉔アオジ6 ㉕カワラヒ77 ㉖シメ1 ㉗スズメ264+
㉘ムクドリ16 ㉙ハシボソガラス2 ㉚ハシブトガラス3 
以上30 種1098 羽 
<当時のNote> 
〇プール付近にてゴイサギの幼鳥10羽が舞う。
〇3週間ほど体調悪くカウントに出られなかったので後半の記録がない。

●今の<調査>結果

2023年12月4日<8:10~9:50> 晴れ
①キジ1 ②カルガモ2 ③キジバト5 ④カワウ2 ⑤アオサギ8 ⑥ダイサギ6 ⑦イカルチドリ3
⑧トビ1 ⑨カワセミ1 ⑩モズ2(♂1) ⑪ハシボソガラス10 ⑫ハシブトガラス2 ⑬シジュウカラ3
⑭ヒバリ1 ⑮ヒヨドリ5 ⑯メジロ10± ⑰セッカ2 ⑱ムクドリ60± ⑲ツグミ9 ⑳スズメ2
㉑ハクセキレイ3 ㉒セグロセキレイ5 ㉓ホオジロ10 ㉔カシラダカ13 ㉕アオジ2 ㉖ドバト7
以上26種175 羽  
<コメント>
〇グランド脇のエノキの樹冠部にメジロ10羽以上シジュウカラ3羽が忙しげに動き回っていた。
 さらにグランドから飛び立ったツグミ3羽がエノキに飛び込む。ただ前回(11/28)のような大きな
 群れはなかった。
〇前回同様にスズメの群れには会わなかった。

2023年12月13日<8:30~10:30>晴れ
①キジ1 ②カルガモ3 ③コガモ2♀ ④キジバト3 ⑤カワウ33 ⑥アオサギ4 ⑦ダイサギ4
⑧イカルチドリ3 ⑨トビ1 ⑩ハイタカ1 ⑪カワセミ1 ⑫チョウゲンボウ1⑬モズ1♂
⑭ハシボソガラス7 ⑮ハシブトガラス3 ⑯シジュウカラ2 ⑰ヒバリ1 ⑱ヒヨドリ13 ⑲セッカ1
⑳ムクドリ28 ㉑ツグミ1 ㉒スズメ10 ㉓ハクセキレイ1 ㉔セグロセキレイ4 ㉕カワラヒワ5
㉖ホオジロ11 ㉗カシラダカ18 ㉘アオジ2 ㉙ドバト16  以上29種179 羽  
<コメント>
〇一番橋上空を旋回していたトビにハイタカが近づくが、すぐ方向転換して離れた。どういう行動
 であったのか。なおトビは色合いの濃い黒く見えるほどの個体であった。
〇ムクドリの群れにチョウゲンボウが突っ込むが狩りに失敗、浅川脇の電線で一休み?諦めたか
 市役所方向に消える。

2023年12月21日<8:30~10:15>晴れ
①キジ1 ②キジバト3 ③カワウ27 ④アオサギ6 ⑤ダイサギ39 ⑥トビ1 ⑦カワセミ1
⑧モズ2♂ ⑨オナガ2 ⑩ハシボソガラス3 ⑪ハシブトガラス4 ⑫シジュウカラ2 ⑬ヒバリ1
⑭ヒヨドリ10 ⑮セッカ1 ⑳ムクドリ29 ⑰ツグミ4 ⑱ジョウビタキ1♀ ⑲スズメ28
⑳ハクセキレイ2 ㉑セグロセキレイ2 ㉒ホオジロ6 ㉓カシラダカ9 ㉔アオジ1 ㉕ドバト12
以上25種197 羽  
<コメント>
〇調査開始時ダイサギの群れが一番橋を越えて上流に消えるのを見る、最近ダイサギが多い、調査
 時以外でも多くを見る。
〇日枝神社脇の小さな公園のフェンスに飛来したジョウビタキの雌を観察する、数年前にもこの
 公園で雌が越冬していた。

2023年12月29日<8:20~10:20> 晴れ
①カルガモ3 ②キジバト5 ③カワウ21 ④アオサギ8 ⑤ダイサギ13 ⑥トビ1 ⑦カワセミ1♂
⑧チョウゲンボウ1 ⑨モズ4♂ ⑩ハシボソガラス4 ⑪シジュウカラ1 ⑫ヒヨドリ12 ⑬セッカ1
⑭ムクドリ44 ⑮ツグミ8 ⑯ジョウビタキ1♀ ⑰スズメ35 ⑱ハクセキレイ1 ⑲セグロセキレイ2
⑳カワラヒワ4 ㉑マヒワ3+ ㉒ホオジロ9 ㉓カシラダカ12 ㉔アオジ1 ㉕ドバト12
以上25種202 羽  
<コメント>
〇Start地点(多摩川合流点から2.8K)のドックランから一番橋(3.8K)でモズ4羽を確認する、
 すべて雄であった。なお今日確認できなかったが一番橋から上流のグランド(4.4K)までで雄2羽
 が観察されている。
〇数十年振りに浅川でマヒワを観察する。雄の胸の黄色が日を浴びて鮮やかであった。一番橋上流
 のグランド脇の枯れたヨシ原を下流へ移動?していたので、ヨシに隠れて数は不明であった、
 3羽は数えたがもっといたのではないか。今年最後の調査でマヒワに会えてluckyであった。来年も
 調査を続けるぞ!!との元気がでた。