第35回
浅川の野鳥・今と昔                      日野の自然を守る会 金子凱彦
 
 昔(1979年)の浅川の調査記録と現在(2024年)の記録を比べながら、浅川の野鳥たちの変遷を
みています。

45年前と同じ調査地とコース 
 浅川は陣馬山麓に源を発し八王子市、日野市を流れ多摩川に合流する延長30kmの一級河川です。
調査方法は浅川左岸の日野市民プール(川辺堀之内190番地先)から上流の一番橋を通り運動場・
豊田児童グランド(多摩川から4.4kmの位置)までの1.5kmを歩きながら野鳥の種類と数を記録
する。当時の堤防は現在のように舗装されていなく、自転車で通るのも危険という時代もあったが、
浅川をとりまく自然環境は今日と比べはるかに多様性に富んでいた。


昔の<調査>結果

1979年1月3日<7:30 ~9:20> くもり 
①ダイサギ3 ②コサギ11 ③カルガモ75 ④コガモ97 ⑤ヒドリガモ106 ⑥オナガガモ294
⑦ハシビロガモ1 ⑧クイナ1 ⑨イソシギ2 ⑩タシギ6 ⑪ユリカモメ99(上流へ87 下流へ12)
⑫キジバト21 ⑬ヒバリ2 ⑭ハクセキレイ10 ⑮セグロセキレイ10 ⑯タヒバリ14 ⑰ヒヨドリ1
⑱モズ2 ⑲ツグミ14 ⑳ホオジロ1 ㉑カシラダカ15 ㉒アオジ2 ㉓カワラヒワ68+ ㉔スズメ368
㉕ムクドリ6  ㉖ハシボソガラス1  以上26 種1,230 羽 
<当時のNote>
〇ヒドリガモが多くなる。12/3)25羽、12/10)50羽、12/31)68羽、そして1/3)106羽。
〇プール用水付近で飛んで逃げるクイナを確認する、今年もいたのだ。

1979年1月15日<7:40 ~9:20> くもり ※1月12日に雪が降る、本日は寒い
①ダイサギ1 ②コサギ14 ③カルガモ75 ④コガモ86 ⑤ヒドリガモ69 ⑥オナガガモ296
⑦ハシビロガモ1♂ ⑧イソシギ3 ⑨タシギ3 ⑩ユリカモメ45(上流へ32、下流へ13) ⑪キジバト19
⑫ヒバリ4 ⑬ハクセキレイ20 ⑭セグロセキレイ8 ⑮タヒバ17 ⑯ヒヨドリ5 ⑰モズ2(♀1)
⑱ツグミ11 ⑲ウグイス1 ⑳ホオジロ3 ㉑カシラダカ59+ ㉒アオジ6 ㉓カワラヒワ112+ ㉔シメ2
㉕スズメ284+ ㉖ムクドリ9 ㉗ハシブトガラス3 ㉘ハシブトガラス3  以上28種1,159羽 
<当時のNote> 記載なし
〇調査終了後に日本野鳥の会東京支部の「カモ調査」を実施したので参考までに記す。今
 では想像もできないほどのカモたちが昔はいた。

〇日本野鳥の会東京支部
ガン・ハクチョウ・カモ 種数・個体数調査 1979年1月15日 晴れ
(コース)一番橋 → 浅川・多摩川合流点  10:30~13:00
(備考)(A)一番橋(合流点より3.8K)  (B)高幡橋(2.4K)
     (C)新井橋(1.2K)       (D)合流点(0.0K)
 

1979年1月28日<7:30 ~9:00> くもり 風あり寒い
①コサギ14 ②カルガモ55 ③コガモ117 ④ヒドリガモ64 ⑤オナガガモ208 ⑥ハシビロガモ2♂♀
⑦イカルチドリ7 ⑧イソシギ1 ⑨タシギ11 ⑩ユリカモメ1 ⑪キジバト25 ⑫ヒバリ2 ⑬ハクセキレイ11
⑭セグロセキレイ7 ⑮タヒバ16 ⑯ヒヨドリ4 ⑰モズ1 ⑱ツグミ8 ⑲ウグイス2 ⑳シジュウカラ1
㉑ホオジロ3 ㉒カシラダカ20 ㉓アオジ6 ㉔カワラヒワ285+ ㉕シメ1 ㉖スズメ427 ㉗ムクドリ18
㉘ハシボソガラス5 ㉙ハシブトガラス2  以上29種1,324羽 
<当時のNote> 
〇10月7日以来姿を見せなかったイカルチドリを7羽観察する(3羽、2羽、2羽)。
〇寒いためか?ユリカモメ1羽のみであった。
 
 
●今の<調査>結果

2024年1月2日<8:00~10:00> くもり
①キジ2 ②キジバト4 ③カワウ10 ④アオサギ11 ⑤ダイサギ14 ⑥ヒメアマツバメ3 ⑦イカルチドリ2
⑧トビ1 ⑨カワセミ1♂ ⑩モズ3♂ ⑪ハシボソガラス7 ⑫ハシブトガラス4 ⑬シジュウカラ3 ⑭ヒバリ2
⑮ヒヨドリ17 ⑯セッカ1 ⑰ムクドリ55 ⑱ツグミ18 ⑲ジョウビタキ1♀ ⑳スズメ21 ㉑ハクセキレイ2
㉒セグロセキレイ4 ㉓カワラヒワ3 ㉔ホオジロ3 ㉕カシラダカ7 ㉖アオジ3 ㉗ドバト12 ㉘ガビチョウ1
以上28種215 羽  
<コメント>
〇ヒメアマツバメを確認する、高幡橋から飛来したのであろう。
〇本日ツグミが多かった、今冬は多いようだ。
〇日枝神社前の水門で、枯れ木に止まるジョウビタキの雌をじっくり観察する。
〇調査終了後に高幡橋、ふれあい橋まで足を延ばしたので調査結果を記す。
<高幡橋>(多摩川合流点から2.4K)
上空をヒメアマツバメ10羽ほどが低く旋回していた。
<ふれあい橋>(多摩川合流点から1.8K)上流側
〇コサギ35羽、ダイサギ12羽、アオサギ5羽、カワウ40羽
<ふれあい橋>下流側
〇アオサギ2羽、ダイサギ60羽以上、下流から次々に飛来する

2024年1月9日<8:30~10:30> くもり
①キジバト3 ②カワウ7 ③アオサギ6 ④ダイサギ9 ⑤トビ1 ⑥オオタカ1 ⑦カワセミ1 ⑧モズ4♂
⑨ハシボソガラス3 ⑩ハシブトガラス3 ⑪シジュウカラ2 ⑫ヒヨドリ6 ⑬ムクドリ28 ⑭ツグミ8
⑮ジョウビタキ2♂♀ ⑯スズメ85± ⑰ハクセキレイ1 ⑱セグロセキレイ2 ⑲カワラヒワ10
⑳ホオジロ10 ㉑カシラダカ13 ㉒アオジ2 ㉓ドバト11   以上23種218 羽  
<コメント>
〇市民プール前の河川敷をオオタカが超低空で上流に向かって飛ぶ。一番橋の下を通り上流に
向かうのを何回か見たことがある。

2024年1月25日<8:50~10:45> 晴れ
①キジ1 ②キジバト5 ③カワウ37± ④アオサギ5 ⑤ダイサギ24 ⑥コサギ2 ⑦トビ1 ⑧オオタカ1
⑨カワセミ2♂ ⑩モズ3♂ ⑪ハシボソガラス7 ⑫ハシブトガラス2 ⑬ヒヨドリ7 ⑭ムクドリ23
⑮ツグミ13 ⑯ジョウビタキ2♀ ⑰イソヒヨドリ1♀ ⑱スズメ74± ⑲ハクセキレイ2 ⑳セグロセキレイ1
㉑カワラヒワ18 ㉒ホオジロ14 ㉓カシラダカ7 ㉔アオジ1 ㉕ドバト32   以上25種285 羽  
<コメント>
〇グランド上流側の木立の根元でオオタカが食事中だった、キジの雌か?堤防からは見下ろす
 ようによく見えたが、ブッシュや木立に見囲まれて、上空からは見えにくい所だ。私の双眼
 鏡にお構いなしに?長時間せっせと食べていた。
〇一番橋下流側の左岸の人家屋根に止まるイソヒヨドリを観察する。昨年(23年)の1月3日の
 ニューイヤーカウントでも同じ屋根で雌を見ている。

2024年1月31日<8:45~10:40> 晴れ
①カルガモ3 ②キジバト5 ③カワウ6 ④アオサギ8 ⑤ダイサギ56 ⑥コサギ10 ⑦イカルチドリ2
⑧トビ1 ⑨カワセミ2♂ ⑩モズ5♂ ⑪ハシボソガラス3 ⑫ハシブトガラス1 ⑬シジュウカラ3 ⑭ヒバリ3
⑮ヒヨドリ4 ⑯セッカ1 ⑰ムクドリ29 ⑱ツグミ5 ⑲ジョウビタキ1♀ ⑳スズメ25 ㉑ハクセキレイ4
㉒セグロセキレイ4 ㉓カワラヒワ26 ㉔ホオジロ12 ㉕カシラダカ10 ㉖アオジ3 ㉗ドバト17
以上27種249 羽  
<コメント>
〇ダイサギ50羽ほどの群れにコサギが10羽混じり採食していた。
〇グランド上流側の木立の根元でオオタカが食事中だった、獲物はキジの雌か?堤防からは
 見下せるが、木立で上空からは見えないのでカラスの心配がない。