第45回
●浅川の野鳥・今と昔 日野の自然を守る会 金子凱彦
昔(1979年)の浅川の調査記録と現在(2024年)の記録を比べながら、浅川の野鳥たちの変遷を
みています。
●45年前と同じ調査地とコース
浅川は陣馬山麓に源を発し八王子市、日野市を流れ多摩川に合流する延長30kmの一級河川です。
調査方法は浅川左岸の日野市民プール(川辺堀之内190番地先)から上流の一番橋を通り運動場・
豊田児童グランド(多摩川から4.4kmの位置)までの1.5kmを歩きながら野鳥の種類と数を記録
する。当時の堤防は現在のように舗装されていなく、自転車で通るのも危険という時代もあったが、
浅川をとりまく自然環境は今日と比べはるかに多様性に富んでいた。
●昔の<調査>結果 No.13
1979年11月3日<7:30~10:00 >くもり
①ゴイサギ23 ②カルガモ72 ③コガモ45 ④ヒドリガモ18 ⑤オナガガモ5 ⑥チョウゲンボウ1
⑦キジ1♂ ⑧イソシギ2 ⑨タシギ3 ⑩ユリカモメ64(上へ41、下へ23) ⑪キジバト29
⑫ヒバリ1 ⑬ハクセキレイ23 ⑭セグロセキレイ17 ⑮タヒバリ2 ⑯ヒヨドリ8 ⑰モズ4(♂1)
⑱ジョウビタキ3(♂1♀2) ⑲ウグイス2 ⑳ホオジロ4 ㉑カシラダカ4 ㉒カワラヒワ114
㉓スズメ55 ㉔ムクドリ61 ㉕ハシボソガラス6 ㉖ハシブトガラス2
以上26種571羽
<当時のNote>
〇左岸のゴルフ練習場より平山橋方向へコサギ10羽が飛ぶが、調査地内ではゼロであ
った。
〇日枝神社から浅川を横切り右岸の平山方向へチョウゲンボウが飛ぶ、その際20羽ほ
どのカワラヒワが騒ぐ。
1979年11月11日<9:00~10:40> はれ
①ゴイサギ1(幼鳥) ②コサギ28 ③カルガモ66 ④コガモ66 ⑤ヒドリガモ19 ⑥トビ1
⑦イカルチドリ4 ⑧イソシギ2 ⑨タシギ1 ⑩ユリカモメ70(上へ49、下へ21) ⑪キジバト4
⑫ヒバリ2 ⑬キセキレイ1 ⑭ハクセキレイ18 ⑮セグロセキレイ12 ⑯タヒバリ7 ⑰ヒヨドリ4
⑱モズ5(♂2) ⑲ジョウビタキ5 ⑳ツグミ3(初認) ㉑ウグイス1 ㉒ホオジロ1
㉓カシラダカ13 ㉔アオジ2(初認) ㉕カワラヒワ36 ㉖スズメ39 ㉗ムクドリ3
㉘ハシボソガラス5 ㉙ハシブトガラス2 以上29種421羽
<当時のNote>
〇ツグミ3羽、初認。
<ツグミの記録>
初認79年11月11日(3)
初認78年11月26日(4)~終認79年5月6日(1)
初認77年11月26日(5)~終認78年5月3日(7)
初認76年11月20日(8)~終認77年5月7日(2)
〇アオジ2羽、初認
<アオジの記録>
初認79年11月11日(2)
初認78年11月4日(4)~終認79年5月6日(1)
初認77年10月30日(1)~終認78年5月3日(1)
初認76年11月6日(7)~終認77年5月3日(1)
〇11月17日 一番橋でのユリカモメの定点カウントを行う
(日の出6:18 日の入16:34 くもり ほぼ無風 調査時間7:00~16:30)
ユリカモメのカウントでは上流に向かう数と下流に飛ぶ数の総数を記録している。
午後になると下流へ向かう数が圧倒的に多くなるので、上っていく数と下る数の関係
を知りたく一番橋に立ち本種の定点観察を行った。
<調査結果>午前(7:00~11:30)は上流へ119羽、下流へは50羽、午后(13:00~16:30)
は上流へ49羽、下流へ126羽であった。合計すると上流へ168羽、下流へ176羽でほぼ
同数になった。朝は餌を求めて一番橋より上流に向かい、午後になると多摩川に帰って
行くことが分かった。塒はどこか?
1979年11月25日<13:10~14:40> 雨
①ゴイサギ1 ②ダイサギ1 ③コサギ19 ④カルガモ47 ⑤コガモ18 ⑥ヒドリガモ6
⑦チョウゲンボウ1 ⑧キジ5(♂1♀4) ⑨イカルチドリ2 ⑩クサシギ1 ⑪オジロトウネン5
⑫タシギ3 ⑬ユリカモメ83(上へ31、下へ22) ⑭キジバト23 ⑮カワセミ3 ⑯ヒバリ5
⑰キセキレイ1 ⑱ハクセキレイ10 ⑲セグロセキレイ20 ⑳タヒバリ19 ㉑ヒヨドリ11
㉒ツグミ18 ㉓ウグイス1 ㉔ホオジロ11 ㉕カシラダカ17 ㉖アオジ8 ㉗カワラヒワ107
㉘スズメ81 ㉙ムクドリ15 ㉚ハシボソガラス2 以上30種534羽
<当時のNote>
〇ユリカモが多かったが、一番橋を上下している個体が多数いたので、重複が多かっ
たのでないか。
〇カワセミが3羽と多かった、2羽は若鳥か。
1979年11月30日<6:45~8:20> 晴れ
①ゴイサギ2(幼鳥) ②ダイサギ2 ③コサギ25 ④カルガモ65 ⑤コガモ83 ⑥ヒドリガモ30
⑦オナガガモ1♂ ⑧イソシギ2 ⑨タシギ1 ⑩ユリカモメ40(上へ34、下へ6) ⑪キジバト27
⑫カワセミ2 ⑬ヒバリ8 ⑭ハクセキレイ24 ⑮セグロセキレイ15 ⑯タヒバリ19 ⑰ヒヨドリ22
⑱モズ3(♂2) ⑲ジョウビタキ3(♂1) ⑳ツグミ54 ㉑ウグイス2 ㉒ホオジロ8
㉓カシラダカ17 ㉔アオジ11 ㉕カワラヒワ77 ㉖スズメ16 ㉗ムクドリ78 ㉘ハシボソガラス6
以上28種645羽
<当時のNote>
〇オナガガモ1羽のみ、今冬は極端に少ない。
〇秋の渡りのように日枝神社の林よりヒヨドリ5羽(7:30)、8羽(7:34)の群れが平山
方向に飛ぶ。
〇グランドでヒバリ6羽を観察する。
〇グランドでツグミ16羽が舞う、今日はツグミが54羽と多かった。
●今の<調査>結果
2024年11月4日<7:50~9:50> 晴れ
①カルガモ1 ②カイツブリ2 ③キジバト4 ④カワウ3 ⑤アオサギ7 ⑥ダイサギ17 ⑦コサギ6
⑧オオバン1 ⑨トビ1 ⑩カワセミ1 ⑪モズ3(♂1♀1) ⑫オナガ3 ⑬ハシボソガラス4
⑭ハシブトガラス1 ⑮シジュウカラ1 ⑯ヒヨドリ29 ⑰セッカ2 ⑱ムクドリ38
⑮ジョウビタキ1♂ ⑳イソヒヨドリ1♀ ㉑スズメ3 ㉒ハクセキレイ2 ㉓セグロセキレイ1
㉔カワラヒワ22 ㉕ホオジロ12 ㉖ドバト12 ㉗ガビチョウ3
<コメント>
〇Start地点の水辺でオオバン1羽がせっせと採食をしていた。定着するか?
〇ミサゴが一番橋でカラス3羽に追いかけUターンして下流へ、市民プールにいた私の
頭上をゆっくり通過して高幡橋方面に消える、久しぶりの出会いであった。
〇市民プールの遥か上空を秋の青空をバックオオタカがゆっくり旋回していた、浅川
に降りる気配はなかった。
〇Start地点でモズの雌雄が堤防脇に落ちながらも声を上げて争っていた。前回もこ
こで争いを観察している、まだテリトリーが確定していないのか。河川側の木に雌を
公園側の木に雄の姿を見る。
〇ヒヨドリの小さな渡りを観察する。市民プールから右岸へ15羽、日枝神社から右岸
へ5羽、5羽、4羽であった。
2024年11月12日<8:00~10:00> 晴れ
①カルガモ2 ②キジバト2 ③カワウ3 ④アオサギ3 ⑤ダイサギ6 ⑥オオバン1 ⑦トビ1
⑧カワセミ2(♂1) ⑨モズ3(♂2) ⑩ハシボソガラス14 ⑪ハシブトガラス1
⑫シジュウカラ3 ⑬ヒヨドリ7 ⑭メジロ2 ⑮セッカ1 ⑯ムクドリ15 ⑰スズメ2
⑱ハクセキレイ6 ⑲セグロセキレイ1 ⑳カワラヒワ6 ㉑ホオジロ14 ㉒カシラダカ1㉓ドバト12
㉔ガビチョウ4
<コメント>
〇前回と同じ所でオオバンを観察する。4日以後も付近にいたようだ。
〇11月17日の日野の自然を守る会主催「秋の浅川の身近な野鳥たち」でもオオバンを
同じ所で観察した。
2024年11月25日<8:20~10:10> 晴れ
①キジ1♂ ②カルガモ2 ③カイツブリ1 ④キジバト3 ⑤カワウ50+ ⑥アオサギ4
⑦ダイサギ40+ ⑧コサギ3 ⑨トビ1 ⑩カワセミ2 ⑪モズ2♂ ⑫ハシボソガラス8
⑬ハシブトガラス1 ⑭シジュウカラ1 ⑮ヒバリ2 ⑯ヒヨドリ9 ⑰メジロ2 ⑱セッカ1
⑲ムクドリ12 ⑳ジョウビタキ3(♂1♀1) ㉑スズメ5 ㉒ハクセキレイ3 ㉓セグロセキレイ1
㉔カワラヒワ6 ㉕ホオジロ11 ㉖アオジ5 ㉗ドバト10 ㉘ガビチョウ1
<コメント>
〇上流より飛来したダイサギ、カワウの群れが市民プール前に着水する。ダイサギ40羽
ほど、カワウ50羽以上を数える。その中にコサギ3羽を確認する。その後下流、上流に
分散する。
〇河川敷よりヒバリ2羽が飛び立つ。
〇アオジ確認する、前回のカシラダカには会えなかった。