第46回
浅川の野鳥・今と昔                      日野の自然を守る会 金子凱彦
 
 昔(1979年)の浅川の調査記録と現在(2024年)の記録を比べながら、浅川の野鳥たちの変遷を
みています。


45年前と同じ調査地とコース 
 
浅川は陣馬山麓に源を発し八王子市、日野市を流れ多摩川に合流する延長30kmの一級河川です。
調査方法は浅川左岸の日野市民プール(川辺堀之内190番地先)から上流の一番橋を通り運動場・
豊田児童グランド(多摩川から4.4kmの位置)までの1.5kmを歩きながら野鳥の種類と数を記録
する。当時の堤防は現在のように舗装されていなく、自転車で通るのも危険という時代もあったが、
浅川をとりまく自然環境は今日と比べはるかに多様性に富んでいた。



昔の<調査>結果

1979年12月2日<7:50~9:50>快晴 木枯らし一号吹く 
①ダイサギ4 ②コサギ27 ③カルガモ87 ④コガモ30 ⑤ヒドリガモ33 ⑥オナガガモ8
⑦ハシビロガモ1♂ ⑧トビ1 ⑨キジ1♂ ⑩イカルチドリ1 ⑪オジロトウネン5 ⑫イソシギ3
⑬タシギ3 ⑭ユリカモメ76(上へ52、下へ24) ⑮キジバト22 ⑯ヒバリ4 ⑰ハクセキレイ23
⑱セグロセキレイ13 ⑲タヒバリ17 ⑳ヒヨドリ10 ㉑モズ3(♂2) ㉒ジョウビタキ2♀
㉓ツグミ21 ㉔ウグイス1 ㉕ホオジロ4 ㉖カシラダカ17 ㉗アオジ4 ㉘カワラヒワ25
㉙スズメ127+ ㉚ムクドリ34 ㉛ハシボソガラス4 ㉜ハシブトガラス2
以上32種000羽
<当時のNote>
〇ダイサギが多かった
〇川にブルトーザが入って工事している周辺に15~20羽のコサギが常にいる、餌を求
めてであろう。
〇オジロトウネン(冬羽)5羽を観察する。胸に黒い帯びなくイソシギ?と思いプロミ
ナ―で見ると本種であった。大きさが違った。飛んだ時のチリリリリという細い鳴き
声、オジロトウネンに間違いなし。
<追記>先月11月25日の記録でイソシギ5羽としたがオジロトウネンであったと推
測する。同じ所でもあり当日雨が降っていたので大きさもよく分からずイソシギとし
たが、イソシギのように直線的に飛ばず、5羽でヒラヒラ飛んではすぐ降りていた。鳴
き声が気になったがまさかオジロトウネンとは夢にも?思わなかった。
さらに追記、翌80年1月4日に同じ所で本種6羽を確認する。

1979年12月8日<7:50~9:45>晴れ 
①ゴイサギ1(幼鳥) ②ダイサギ2 ③コサギ22 ④カルガモ69 ⑤コガモ72 ⑥ヒドリガモ7
⑦オナガガモ52 ⑧キジ4(♂2♀2) ⑨イソシギ3 ⑩タシギ5 ⑪ユリカモメ44(上へ35、下へ9)
⑫キジバト69 ⑬カワセミ1 ⑭キセキレイ1 ⑮ハクセキレイ25 ⑯セグロセキレイ13
⑰タヒバリ19 ⑱ヒヨドリ12 ⑲モズ3 ⑳ジョウビタキ2 ㉑ツグミ33 ㉒ホオジロ12
㉓カシラダカ16 ㉔アオジ10 ㉕カワラヒワ42 ㉖スズメ87 ㉗ムクドリ69 ㉘ハシボソガラス5
㉙ハシブトガラス6  以上29種706羽
<当時のNote>
〇オナガガモ増える。
〇イカルチドリ、オジロトウネン観察できず。

1979年12月16日<7:00~8:50>晴れ 
①ダイサギ1 ②コサギ7 ③カルガモ30 ④コガモ93 ⑤ヒドリガモ14 ⑥オナガガモ112
⑦キジ1♂ ⑧イカルチドリ8 ⑨イソシギ2 ⑩タシギ6 ⑪ユリカモメ40(上へ34、下へ6)
⑫キジバト26 ⑬カワセミ1 ⑭ヒバリ11 ⑮ハクセキレイ24 ⑯セグロセキレイ18
⑰タヒバリ33 ⑱ヒヨドリ14 ⑲モズ1♂ ⑳ツグミ26 ㉑ウグイス1 ㉒セッカ1 ㉓ホオジロ5
㉔カシラダカ17 ㉕アオジ5 ㉖カワラヒワ58 ㉗スズメ116 ㉘ムクドリ31 ㉙ハシボソガラス8
以上29種710羽
<当時のNote>  記載なし

1979年12月30日<7:30~9:15>晴れ 
①ダイサギ1 ②コサギ3 ③カルガモ30 ④コガモ182 ⑤ヒドリガモ32 ⑥オナガガモ215
⑦ハシビロガモ2 ⑧コジュケイ1 ⑨キジ2♀ ⑩タシギ7 ⑪ユリカモメ81(上へ80、下へ1)
⑫キジバト15 ⑬カワセミ1 ⑭ヒバリ1 ⑮キセキレイ1 ⑯ハクセキレイ29 ⑰セグロセキレイ11
⑱タヒバリ19 ⑲ヒヨドリ3 ⑳モズ2 ㉑ジョウビタキ2♂♀ ㉒ツグミ24 ㉓ウグイス1
㉔ホオジロ8 ㉕カシラダカ14 ㉖アオジ10 ㉗カワラヒワ59 ㉘シメ1 ㉙スズメ112
㉚ムクドリ24 ㉛ハシボソガラス2 ㉜ハシブトガラス2    以上32種898羽
<当時のNote>  
○調査開始時に右岸からコジュケイの小さな濁った鳴き声が聞こえた。
〇七生中学校から南平用水にかけてオナガガモ160羽以上、コガモ120羽以上と多か
った。カルガモは4羽のみであった。オナガガモは前回(12/16)の倍になる(112羽
→215羽)、コガモも同じく倍になっていた(93羽→182羽)。
〇午後3時、上記付近にはカモ類ほとんどなし、時々水辺のコガモ5~6羽が飛ぶのみ
で、午前中の面影はまったくなかった。


●今の<調査>結果

2024年12月2日<8:20~10:20> 晴れ
①カルガモ2 ②カイツブリ1 ③キジバト4 ④カワウ1 ⑤アオサギ5 ⑥ダイサギ7
⑦トビ1 ⑧カワセミ2(♂)1 ⑨モズ3(♂1) ⑩ハシボソガラス53+ ⑪シジュウカラ1
⑫ヒヨドリ23 ⑬セッカ1 ⑭ムクドリ35 ⑮ジョウビタキ1 ⑯スズメ5 ⑰ハクセキレイ4
⑱セグロセキレイ2 ⑲カワラヒワ22 ⑳ホオジロ20 ㉑ドバト39 ㉒ガビチョウ1
<コメント>
〇Start地点の水辺でカイツブリ今日も健在。
〇グランド最上流から右岸へ、そして都営住宅上をハシボソガラス50羽以上が旋回す
る、何があったのであろうか。
〇グランド下流側の左岸電線にカワラヒワ22羽が並ぶ。

2024年12月10日<8:10~10:10> 晴れ
①キジ1♂ ②キジバト5 ③カワウ3 ④アオサギ4 ⑤ダイサギ12 ⑥カワセミ2♂
⑦モズ5(♂4♀1) ⑧ハシボソガラス8 ⑨ハシブトガラス1 ⑩シジュウカラ1
⑪ヒヨドリ27 ⑫メジロ2 ⑬セッカ1 ⑭ムクドリ47 ⑮スズメ50+ ⑯ハクセキレイ6
⑰セグロセキレイ1 ⑱カワラヒワ7 ⑲ホオジロ14 ⑳カシラダカ4 ㉑アオジ4 ㉒ドバト38
㉓ガビチョウ1
<コメント>
○本日のモズは、①市民プール最下流の河川♂ ②市民プール最上流の河川♀ ③日
枝神社脇♂ ④一番橋下流50m♂ ⑤グランド最下流♂ なお本日は会えなかったが
④と⑤の間に♂がいると推測する.
〇前回同様にカワラヒワが電線で迎えてくれた。今までの記録は11/4)22羽、11/12)6羽、
11/25)6羽、12/29)22羽、そして本日は7羽であった。

2024年12月21日<8:20~10:10> <冬至> 晴れ
①キジ2♂♀ ②カルガモ10 ③キジバト5 ④カワウ4 ⑤アオサギ3 ⑥ダイサギ4
⑦イカルチドリ1 ⑧タシギ1 ⑨トビ1 ⑩カワセミ2♂ ⑪モズ2♂ ⑫ハシボソガラス4
⑬ハシブトガラス1 ⑭シジュウカラ1 ⑮ヒヨドリ9 ⑯メジロ2 ⑰ムクドリ15 ⑱ツグミ1
⑲スズメ3 ⑳キセキレイ1 ㉑ハクセキレイ2 ㉒セグロセキレイ1 ㉓カワラヒワ8
㉔ホオジロ13 ㉕カシラダカ5 ㉖アオジ2 ㉗ドバト33 ㉘ガビチョウ1
<コメント>
〇日枝神社前の水門脇よりキジ雄と同時に飛び立つタシギを確認する。久しぶりだ。
〇一番橋上流側に立つエンジュ林のてっぺんで休んでいるツグミを発見する。私にと
っては初認であったが、本会会員の小久保さんは11月13日に一番橋下流側の桜並木
で本種3羽を記録している。
〇日枝神社の社殿前で採食しているキセキレイに会う、久しぶりである。本日セキレ
イ類3種に会うが、もう1種冬鳥のタヒバリにはなかなかお目にかかれない、激減し
ているようだ。

2024年12月28日<8:40~11:00> 晴れ
①キジ2 ②カルガモ2 ③キジバト10 ④カワウ34+ ⑤アオサギ3 ⑥ダイサギ46
⑦イカルチドリ1 ⑧カワセミ3(♂2) ⑨モズ2(♂1) ⑩ハシボソガラス8
⑪ハシブトガラス1 ⑫シジュウカラ3 ⑬ヒヨドリ14 ⑭メジロ1 ⑮ムクドリ26
⑯ジョウビタキ2♀ ⑰スズメ3 ⑱ハクセキレイ2 ⑲セグロセキレイ2 ⑳カワラヒワ3
㉑ホオジロ14 ㉒アオジ3 ㉓ドバト12 ㉔ガビチョウ1
<コメント>
〇高幡橋方向よりダイサギとカワウの群れが飛来し一番橋下流側に着水する。28羽と
30羽+であった。その前にもダイサギ15羽が下流より飛来し着水していた。群れで行
動しているようだ。
〇日枝神社西公園でジョウビタキの雌を見る、昨年も雌の飛来だったので期待してい
たがやっと会えた。