第47回
●浅川の野鳥・今と昔 日野の自然を守る会 金子凱彦
昔(1980年)の浅川の調査記録と現在(2025年)の記録を比べながら、浅川の野鳥たちの変遷を
みています。
●45年前と同じ調査地とコース
浅川は陣馬山麓に源を発し八王子市、日野市を流れ多摩川に合流する延長30kmの一級河川です。
調査方法は浅川左岸の日野市民プール(川辺堀之内190番地先)から上流の一番橋を通り運動場・
豊田児童グランド(多摩川から4.4kmの位置)までの1.5kmを歩きながら野鳥の種類と数を記録
する。当時の堤防は現在のように舗装されていなく、自転車で通るのも危険という時代もあったが、
浅川をとりまく自然環境は今日と比べはるかに多様性に富んでいた。
●昔の<調査>結果
1980年1月4日<7:20~8:55>くもり
①ダイサギ1 ②コサギ3 ③カルガモ54 ④コガモ200 ⑤ヒドリガモ24 ⑥オナガガモ303
⑦ハシビロガモ3(♂2♀1) ⑧ミコアイサ2♀ ⑨キジ1♂ ⑩オジロトウネン6 ⑪イソシギ1
⑫タシギ5 ⑬ユリカモメ61(上へ59 下へ2)⑭キジバト17 ⑮カワセミ1 ⑯ヒバリ3
⑰キセキレイ1 ⑱ハクセキレイ22 ⑲セグロセキレイ13 ⑳タヒバリ12 ㉑ヒヨドリ6
㉒モズ2(♂1) ㉓ジョウビタキ1♂ ㉔ツグミ20 ㉕ウグイス1 ㉖ホオジロ8 ㉗カシラダカ14
㉘アオジ11 ㉙カワラヒワ10 ㉚スズメ80 ㉛ムクドリ16 ㉜ハシボソガラス6
以上32種907羽
<当時のNote>
〇ミコアイサの雌をセンサスでは初めて観察する。以後ミコアイサを頻繁に見るよう
になる。
〇下流よりオジロトウネンが飛来する、6羽を数える。79年11月25日5羽、12月2日5羽
の記録がある。
1980年1月12<7:35~9:20>くもり
①ゴイサギ1(幼鳥) ②ダイサギ1 ③コサギ10 ④カルガモ35 ⑤コガモ163 ⑥ヒドリガモ19
⑦オナガガモ321 ⑧ハシビロガモ2♂♀ ⑨トビ1 ⑩イカルチドリ4 ⑪イソシギ1 ⑫タシギ4
⑬ユリカモメ123 ⑭キジバト12 ⑮カワセミ2 ⑯ヒバリ6 ⑰キセキレイ2 ⑱ハクセキレイ17
⑲セグロセキレイ11 ⑳タヒバリ19 ㉑ヒヨドリ7 ㉒モズ2(♂1) ㉓ジョウビタキ2♂♀
㉔ツグミ26 ㉕ウグイス1㉖ホオジロ9 ㉗カシラダカ18 ㉘アオジ10 ㉙カワラヒワ66 ㉚シメ1
㉛スズメ180+ ㉜ムクドリ23 ㉝オナガ1 ㉞ハシボソガラス2
以上34種1102羽
<当時のNote>
〇七生中学校~南平用水にオナガガモ218羽、コガモ55羽を数える、この区間はいつ
もカモが多い。
1980年1月15日、日本野鳥の会東京支部の「カモ調査」に参加したので参考に掲載
します。
1980年1月17<7:35~10:30>晴れ
〇Field Noteに今後センサス記録は別紙のようにあるが、その別紙が見つからない!
発見したら後日報告します。
●今の<調査>結果
2025年1月3日<8:20~10:20> くもり
①キジ1♂ ②オナガガモ1♂ ③キジバト17 ④カワウ5 ⑤アオサギ4 ⑥ダイサギ53
⑦カワセミ3♂ ⑧モズ3♂ ⑨ハシボソガラス10 ⑩ハシブトガラス1 ⑪シジュウカラ2
⑫ヒヨドリ27 ⑬セッカ2 ⑭ムクドリ68+ ⑮ツグミ2 ⑯ジョウビタキ1♀ ⑰スズメ8
⑱ハクセキレイ1 ⑲セグロセキレイ2 ⑳カワラヒワ6 ㉑ホオジロ16 ㉒カシラダカ17+
㉓アオジ2 ㉔ドバト51 ㉕ガビチョウ2
<コメント>
〇水面上をオナガガモの雄が1羽単独で、まっしぐらに上流に飛ぶ、久しぶりの本種
との出会いであった。本日のNew Year Countの贈り物か?
○ダイサギの群れが一番橋を越え上流に次から次へと向かう、38羽を数えた。水辺で
採食していたダイサギ4羽、アオサギ1羽、カワウ1羽の群れはこれに加わらなかった。
○グランドでホオジロ6羽が忙しそうに動いていた。これからグランドでの採食が増
えるであろう。
○スズメの群れに出会わない、最近Count数が少ない。終了後右岸をふれあい橋まで
自転車で走るがスズメの姿がなかった。
2025年1月14日<8:40~10:40> 晴れ
①キジ1♂ ②キジバト9 ③カワウ3 ④アオサギ3 ⑤ダイサギ7 ⑥イカルチドリ1
⑦カワセミ1♂ ⑧モズ5(♂4♀1) ⑨オナガ33± ⑩ハシボソガラス5 ⑪ハシブトガラス2
⑫シジュウカラ2 ⑬ヒヨドリ8 ⑭メジロ3 ⑮ムクドリ16 ⑯ジョウビタキ2♀ ⑰スズメ3
⑱ハクセキレイ5 ⑲カワラヒワ5 ⑳ホオジロ35 ㉑カシラダカ12 ㉒アオジ4 ㉓ドバト28
㉔ガビチョウ1
<コメント>
〇30羽ほどのオナガの群れが右岸より左岸に渡り(合流点から2.8kの地点)北側に
まっしぐらに飛び去った。遅れて1羽、1羽、1羽が群れの後を追うように北側に飛ん
で行った。今のシーズンどのような行動なのであろうか。
〇とにかくホオジロが多かった、5羽、7羽の群れによく出会った、今冬最高羽数で
あった。カシラダカも10羽ほどの群れに出会う。
2025年1月22日<8:40~10:40> 晴れ
①キジ1♂ ②キジバト5 ③カワウ3 ④アオサギ1 ⑤ダイサギ4 ⑥タシギ1 ⑦トビ1
⑧カワセミ3(♂2) ⑨モズ5(♂3♀2) ⑩ハシボソガラス4 ⑪ハシブトガラス1
⑫シジュウカラ2 ⑬ヒバリ2 ⑭ヒヨドリ6 ⑮メジロ3 ⑯ムクドリ25 ⑰ジョウビタキ1♂
⑱スズメ8 ⑲ハクセキレイ2 ⑳セグロセキレイ2 ㉑カワラヒワ3 ㉒ホオジロ14
㉓カシラダカ10 ㉔アオジ4 ㉕ドバト48 ㉖ガビチョウ2
<コメント>
〇サギ類少なかった。
〇モズ5羽は一番橋下流側の記録である。上流側では出会わなかった。
2025年1月29日<8:50~10:40> 晴れ
①キジ1♂ ②キジバト5 ③カワウ2 ④アオサギ2 ⑤ダイサギ4 ⑥コサギ2 ⑦カワセミ1♂
⑧モズ2(♂1) ⑨ハシボソガラス8 ⑩ハシブトガラス1 ⑪シジュウカラ3 ⑫ヒヨドリ10
⑬メジロ2 ⑭ムクドリ30 ⑮ジョウビタキ1♂ ⑯スズメ2 ⑰キセキレイ1 ⑱ハクセキレイ2
⑲セグロセキレイ1 ⑳カワラヒワ5 ㉑ホオジロ12 ㉒カシラダカ21± ㉓アオジ2 ㉔ドバト15
㉕ガビチョウ1
<コメント>
〇サギ類が少なかったがコサギに会えた。
〇セキレイ類3種を観察するがタヒバリには会わない。
〇カシラダカの10羽ほどの群れに2回会う、今冬は市民プール前の河川敷に集まって
いるようだ。