第43回
浅川の野鳥・今と昔                      日野の自然を守る会 金子凱彦
 
 昔(1979年)の浅川の調査記録と現在(2024年)の記録を比べながら、浅川の野鳥たちの変遷を
みています。

45年前と同じ調査地とコース 
 浅川は陣馬山麓に源を発し八王子市、日野市を流れ多摩川に合流する延長30kmの一級河川です。
調査方法は浅川左岸の日野市民プール(川辺堀之内190番地先)から上流の一番橋を通り運動場・
豊田児童グランド(多摩川から4.4kmの位置)までの1.5kmを歩きながら野鳥の種類と数を記録
する。当時の堤防は現在のように舗装されていなく、自転車で通るのも危険という時代もあったが、
浅川をとりまく自然環境は今日と比べはるかに多様性に富んでいた。


昔の<調査>結果 No.13

1979年9月8 日<6:45 ~8:15>くもり
①ヨシゴイ1 ②ゴイサギ2幼鳥 ③ササゴイ1成鳥 ④チュウサギ1 ⑤コサギ18 ⑥カルガモ75
⑦コガモ1(エクリプス) ⑧コジュケイ1 ⑨コチドリ1 ⑩イカルチドリ2 ⑪ムナグロ1
⑫イソシギ2 ⑬タシギ1 ⑭キジバト4 ⑮ヒバリ8 ⑯ツバメ1 ⑰コシアカツバメ3 
⑱キセキレイ1 ⑲セグロセキレイ7 ⑳ヒヨドリ3 ㉑モズ1 ㉒オオヨシキリ1 ㉓セッカ2 
㉔カワラヒワ4 ㉕スズメ303 ㉖ムクドリ5 ㉗オナガ3 ㉘ハシボソガラス3 ㉙ベニスズメ1
以上29種459羽
<当時のNote>
〇一番橋脇から下流方向に飛ぶヨシゴイを観察する。昨年(77年)8月26日以来である、
渡りの途中であろう。
〇カルガモ4羽の中にコガモ1羽を確認する、初認になる。
<コガモ初認の記録>79年9月8日(1羽)、78年9月3日(1羽)、77年9月15日(6羽)、
76年9月18日(9羽)
〇タシギ1羽を確認する、なお初認は9月2日の1羽であった。
<タシギ初認の記録>79年9月2日、78年8月26日、77年8月29日、76年9月11日各1羽であった。
〇コシアカツバメを市民プール付近で同時に3羽観察する、3羽は初めてである。
<コシアカツバメの記録>79年4月29日、7月7日、同21日、同28日、8月6日、同26日、
9月9日(3羽)、78年8月26日、77年6月19日、6月26日(2羽)
※羽数無しは各1羽。
〇モズの高鳴きを聞く、今秋初めてである。なお浅川での初認の記録は78年9月3日、
77年8月29日、76年9月5日であった。

1979年9月24日<6:30 ~8:10>小雨 ずぶ濡れになる
①ゴイサギ11 ②コサギ12 ③マガモ1(エクリプス)④カルガモ235 ⑤コガモ36 
⑥ハシビロガモ2(♂♀タイプ) ⑦イカルチドリ4 ⑧イソシギ1 ⑨タシギ4 ⑩キジバト3
⑪カッコウ1 ⑫カワセミ1 ⑬ヒバリ2 ⑭ツバメ2 ⑮キセキレイ1 ⑯セグロセキレイ10
⑰ヒヨドリ7 ⑱モズ3 ⑲ノビタキ1 ⑳シジュウカラ3 ㉑カワラヒワ2 ㉒スズメ230
㉓ムクドリ14 ㉔ハシボソガラス2   以上24種588羽
<当時のNote>
〇南平中学校の上流側の松林でカッコウを観察する。
〇市民プール付近にてノビタキ1羽を観察する。
<ノビタキの記録>78年はなし、77年9月11日、同18日、10月16日(各1羽)
 

●今の<調査>結果

2024年9月6日<7:20~9:00> 晴れ
①カルガモ4 ②キジバト3 ③カワウ35 ④アオサギ6 ⑤ダイサギ12
⑥チュウサギ1⑦コサギ2 ⑧ヒメアマツバメ1 ⑨トビ1 ⑩カワセミ2♂ ⑪モズ4(♂3)
⑫ハシボソガラス6 ⑬ハシブトガラス1 ⑭ツバメ4 ⑮ヒヨドリ13 ⑯セッカ1
⑰ムクドリ30 ⑱スズメ7 ⑲ハクセキレイ3 ⑳セグロセキレイ2 ㉑カワラヒワ10
㉒ホオジロ2 ㉓ドバト5 ㉔ガビチョウ3
<コメント>
〇暑さが予想されたので調査をいつもより早めに始めた。
〇一番橋上流側の水路や磯河原にてダイサギ、チュウサギ、コサギ、アオサギを観察する。
9月4日にここでチュウサギは6羽、コサギ5羽を数えている、台風の影響であったか。
 

台風10号通過後の8月3日のStart地点(多摩川合流点より2.8k)、台風前は手前の流れ
だけであった、奥(右岸)は草原であった
 

Start地点より下流の高幡橋を見る、台風前はこの1/3程度の流れ、水量であった。右側
の水辺で多数のカワウが休息していた、カワウもこの流れでは水に潜れないか?
 
2024年9月17日<7:30~9:00> くもりのち晴れ 本日は「中秋の名月」
①カルガモ4 ②キジバト8 ③カワウ2 ④アオサギ12 ⑤ダイサギ50 ⑥コサギ6
⑦ヒメアマツバメ3 ⑧トビ1 ⑨カワセミ2 ⑩モズ3♂)⑪オナガ1 ⑫ハシボソガラス5
⑬シジュウカラ2 ⑭ツバメ3 ⑮ヒヨドリ2 ⑯セッカ1 ⑰ムクドリ60± ⑱ズメ5
⑲ハクセキレイ5 ⑳セグロセキレイ2 ㉑カワラヒワ3 ㉒ホオジロ3 ㉓ドバト18
㉔ガビチョウ3
<コメント>
〇ダイサギの23羽、12羽、8羽の群れが上流に向かう。
〇カワセミは2羽が追い掛けあう、水門前に止まった1羽は若い雄であった。

2024年9月26日<8:00~9:40> 晴れ
①カルガモ2 ②キジバト5 ③カワウ1 ④アオサギ5 ⑤ダイサギ6 ⑥コサギ2
⑦イソシギ1 ⑧カワセミ3 ⑨モズ5(♂4)⑩ハシボソガラス4 ⑪シジュウカラ3
⑫ヒバリ3 ⑬ヒヨドリ5 ⑭セッカ1 ⑮ムクドリ45± ⑯ズメ3 ⑰ハクセキレイ1
⑱セグロセキレイ2 ⑲カワラヒワ14 ⑳ホオジロ2 ㉑ドバト5 ㉒ガビチョウ3
<コメント>
〇久しぶりにイソシギをじっくり観察する。
〇今回もカワセミ2羽が追いかけあう、テリトリー争い?
〇河川敷からヒバリが3羽飛び立つ、これから定着するか。