金子凱彦の野鳥調査  12
                                      日野の自然を守る会 金子凱彦


●東豊田緑地保全地域の野鳥調査
<調査地とコース>
同保全地域は日野市のほぼ中央部に細長く広がる日野台地の段丘崖の一部で、1975年に東京都により緑地保全地域に指定されました。東豊田3丁目、多摩平2丁目、7丁目に隣接した黒川清流公園、多摩平第6公園、清水谷公園の約60,000uの雑木林です。黒川清流公園の崖下には数カ所から湧水が流れており、池が4カ所あります。東から「ひょうたん池」、「大池」、「わきみず池」、「あずまや池」の名が付いています。
調査は黒川清流公園の東端の中央線脇にあるひょうたん池から西へ黒川防災広場(汚水処理場跡地)、第6公園、山王下公園、清水谷公園の池まで約1.7kmのコースを1時間で歩き、その間に出現した野鳥の種類と数を記録します。


黒川清流公園内の表示板に説明を増やし作成

調査日 2008年10月4日 はれ、無風 

<調査結果>
(1)ゴイサギ1(2)マガモ1♂(3)カルガモ9(4)キジバト3(5)コゲラ1(6)キセキレイ1(7)ヒヨドリ12(8)シジュウカラ18(9)スズメ1(10)ハシボソガラス2(11)ハシブトガラス2(12)ガビチョウ2 

<備考>
・黒川防災広場北側の常緑樹にゴイサギの幼鳥が日向ぼっこするようにたたずんでいた。
・大池の西側湧水付近でハシボソガラス2羽をよく見る。時にはもう1羽が加わり3羽が一緒に行動している。昨年付近でハシボシが3羽巣立ったが関係は不明です。


調査日 2008年10月10日 快晴 無風

 <調査結果>
(1)マガモ1♂(2)カルガモ17(3)キジバト5(4)コゲラ1(5)キセキレイ1(6)ヒヨドリ28(7)ヤマガラ1(8)シジュウカラ21(9)メジロ7(10)ハシブトガラス4(11)ドバト2(12)ガビチョウ2 

<備考>
・カルガモが多くなる。大池13羽、わきみず池2羽、あずまや池2羽です。
・スタート地点のひょうたん池で前回同様にキセキレイを観察する。近づくと中央線を越えて東豊田4丁目方向に飛び去ったが、毎日何処から飛来するのか。

・ヒヨドリの声で黒川は騒がしかった。渡りの途中なのか? 清水谷公園の林すれすれに鳴きなから西方向(豊田駅)に飛ぶ8羽の群を観察する。

・ヤマガラは単独行動であった。

・シジュウカラは20羽程の群をメジロと共に観察する。
・ガビチョウ2羽が林中に響き渡る声で鳴き交わしていた。非常に興醒めです。


調査日 2008年10月28日 快晴、無風

<調査結果>
(1)マガモ5♂(2)カルガモ15(3)キジバト4(4)カワセミ1♀(5)アオゲラ1(6)コゲラ2(7)キセキレイ2(8)ハクセキレイ2(9)ヒヨドリ13(10)モズ1(11)シジュウカラ32(12)メジロ2(13)アオジ1(14)ハシブトガラス3(15)ドバト5(16)ガビチョウ1 

<備考>
・マガモの雄が多くなる。10/22に雌1羽を1回見るがあとはすべて雄である。
・大池にてカワセミの雌を見るが若い個体のようである。9月に飛来したのは雄であ
った。

・黒川防災広場からモズの高鳴が聞こえたが、姿は確認できなかった。

・湧水から飛び立ったアオジを1羽観察する。冬鳥の初認になる。


(秋の渡り)
●10月2日(7:50)、ヒヨドリ50羽前後が鳴きながら黒川公園の東側付近から豊田駅方向へ飛ぶ。雑木林に集まり一気に飛び立つ光景を秋には見ることが多い。そして群がいる林は騒がしい。同日、神明の中央公園の林でも騒がしくヒヨドリの群が騒いでいた。これも渡りの群か?
●10月7日(7:50)、大池北側の林でカケスの声を聞く。林の中を2〜3羽が飛ぶのを観察する。春には林から北側の多摩平方向に向かうが、今回はどちらに飛んだかは不明。なお10月5日、浅川(一番橋下流側)の左岸(豊田側)から右岸(平山側)に飛ぶカケスを観察したと聞く。この黒川のカケスも同じコースをたどるか。
●10月20日(7:50)小さな湧水から飛び立ち枝に止まるキビタキを観察する。双眼鏡を持ち合わせていなかったが黄色が鮮やかだった。昨年は10/7に若いオオルリの雄に遭遇したが本年はだめのようである。

(お知らせ)
毎月第2日曜日に野鳥を中心とした観察会を「日野の自然を守る会」主催で行っています。◆より鳥みどり観察会
・第3回
『野鳥を探してバードウォーキング』
―冬の雑木林と河原で野鳥たちを探しましょう−
日 時 12月14日(日)
集 合 JR八王子駅北口 J番バス停(戸吹、杏林大学行)午前9時30分
コース 滝山城址下車→滝山城址→高月水田→多摩川→拝島駅
解散  JR拝島駅 午後3時頃
持ち物 昼食、あれば双眼鏡、寒くない服装
担 当 金子凱彦、小久保雅之、山本浩
*詳細は会報「日野の自然」12月号をご覧ください。