金子凱彦の野鳥調査 第13回
日野の自然を守る会 金子凱彦
●東豊田緑地保全地域の野鳥調査
<調査地とコース>
同保全地域は日野市のほぼ中央部に細長く広がる日野台地の段丘崖の一部で、1975年に東京都により緑地保全地域に指定されました。東豊田3丁目、多摩平2丁目、7丁目に隣接した黒川清流公園、多摩平第6公園、清水谷公園の約60,000uの雑木林です。黒川清流公園の崖下には数カ所から湧水が流れており、池が4カ所あります。東から「ひょうたん池」、「大池」、「わきみず池」、「あずまや池」の名が付いています。
調査は黒川清流公園の東端の中央線脇にあるひょうたん池から西へ黒川防災広場(汚水処理場跡地)、第6公園、山王下公園、清水谷公園の池まで約1.7kmのコースを1時間で歩き、その間に出現した野鳥の種類と数を記録します。
●調査日 2008年11月1日 快晴、心地よい風
<調査結果>
(1)マガモ8(♂6 ♀2) (2)カルガモ12 (3)キジバト3 (4)カワセミ1♂ (5)コゲラ1 (6)ハクセキレイ2 (7)ヒヨドリ12 (8)ジョウビタキ1(初認) (9)シジュウカラ16 (10)シメ1 (11)スズメ1 (12)オナガ5 (13)ハシブトガラス4 (14)ドバト11
<備考>
・清水谷公園の池の奥で背中を向けているカワセミを発見する。雄であった。黒川公園の大池ほどではないが時々この池でもカワセミを見かける。
・大池でシジュウカラの群(5±)の中にヤマガラ2羽を発見する。最近しばしばここでヤマガラを見るが好みの実があるようだ。両足で実を押さえて食べている。
・わきみず池にて10羽程のシジュウカラの群を観察していると、行動を共にしているかシメ1羽が近くにいた。
・山王下公園でジョウビタキの声を初めて聞くが、姿は確認できなかった。
●調査日 2008年11月6日 はれ、 無風
<調査結果>
(1)マガモ9(♂6 ♀3) (2)カルガモ18 (3)キジバト3 (4)コゲラ1 (5)キセキレイ1 (6)ヒヨドリ23 (7)ジョウビタキ(♂1) (8)ウグイス2 (9)シジュウカラ9 (10)ムクドリ5 (11)オナガ7 (12)ハシボソガラス2 (13)ハシブトガラス6 (14)ドバト5 (15)ガビチョウ1
<備考>
・ひょうたん池でジョウビタキの声を聞くが姿は確認できなかった。そしてあずまや池東の桜並木に沿った低い柵に止まる雄を発見する。調査地でジョウビタキの姿を見るのは初めてです。
・ウグイスの笹鳴きを2カ所で聞く。黒川公園では11/3に初めて声を聞きました。
●調査日 2008年11月18日 晴、無風
<調査結果>
(1)マガモ14(8♂6♀) (2)カルガモ8 (3)キジバト5 (4)コゲラ1 (5)キセキレイ1 (6)ヒヨドリ20 (7)モズ1 (8)ジョウビタキ1♂ (9)ウグイス3 (10)ヤマガラ1 (11)シジュウカラ7 (12)アトリ7 初記録 (13)ムクドリ1 (14)ハシブトガラス5 (15)ドバト4
<備考>
・ひょうたん池前の人家のTVアンテナに止まるジョウビタキの♂を観察する。前回および11/1に声を聞いていたが本日姿を確認する。
・山王下公園に近づくと木を叩くような音が聞こえる。ムラサキシキブの枝に止まりヤマガラが両足で押さえた木の実を割って食べていた。枯れ葉の積もった地面に降りてはまた枝に戻り実を食している。朝日を浴びその姿が美しい。単独行動のようです。
・わきみず池前のハンノキに次から次へ入るアトリを観察する。翌日(11/19)の朝には大池付近にて20羽程の群を観察する。移動の途中なのか?それとも越冬するか。
●調査日 2008年11月23日 晴、無風
<調査結果>
(1)マガモ13(7♂6♀) (2)カルガモ8 (3)キジバト3 (4)コゲラ5 (5)ハクセキレイ1 (6)ヒヨドリ15 (7)ウグイス1 (8)エナガ10 (9)ヤマガラ3 (10)シジュウカラ12 (11)メジロ4 (12)ムクドリ3 (13)ハシボソガラス1 (14)ハシブトガラス3 (15)ドバト1 (16)ガビチョウ1
<備考>
・大池のカルガモが減りその姿を見ないこともあります。本日は大池ゼロ、ひょうたん池2羽、あずまや池6羽でした。昨年(2007年)の11/24の大池のカルガモは35羽です。11/19は52羽でした。今年はどうしたのでしょうか?
・エナガ10羽以上、ヤマガラ3羽、シジュウカラ10羽程、コゲラ3羽の混群に遭遇しました。葉の残るクヌギ、コナラの樹冠部をせわしげに移動しているので、高くて観察しにくかった。ただ朝日を浴びたヤマガラのレンガ色の腹が鮮やかで印象的でした。
・調査地に向かう途中の人家の道路(黒川清流公園から南に50m)で採食しているハシボソガラスを4羽観察する。これらのハシボソは大池周辺にも現れる群である。ゆえに本日は黒川で1羽のハシボソも観察しなかった。ただ多摩平第1緑地で1羽観察しました。
(雑感)
「木の葉雨」という美しい日本語があるそうです。今の季節、雑木林では色とりどりの葉が舞いながら途切れなく降ってきます。遊歩道に積もったこの枯れ葉を踏みしめながらの調査は心地よいものです。今でしか味わえない感触です。そして12月になると大ケヤキの葉は落ち、たくましく天を突く裸の姿を見るようになります。このシリーズも今回で2年目になりました。
(お知らせ)
毎月第2日曜日に野鳥を中心とした観察会を「日野の自然を守る会」主催で行っています。
◆より鳥みどり観察会・第3回
『冬鳥を探してバードウォーキング』
冬の雑木林と河原で野鳥たちを探しましょう−
日 時 12月14日(日)
集 合 JR八王子駅北口 J番バス停(戸吹、杏林大学行)
午前9時30分
コース 滝山城址下→滝山城址→高月水田→多摩川→拝島駅
解散 JR拝島駅 午後3時頃
持ち物 昼食、あれば双眼鏡、寒くない服装
担 当 金子凱彦、小久保雅之、山本浩
*詳細は「日野の自然を守る会」のホームページをご覧ください。
●来年の予定
1月11日(日)黒川清流公園で冬鳥観察 JR豊田駅集合 昼解散
2月 8日(日)浅川観察会 京王線南平駅集合予定 昼解散
3月 8日(日)黒川清流公園観察会 (詳細未定)