金子凱彦の野鳥調査 第16回
日野の自然を守る会 金子凱彦
●東豊田緑地保全地域の野鳥調査
<調査地とコース>
同保全地域は日野市のほぼ中央部に細長く広がる日野台地の段丘崖の一部で、1975年に東京都により緑地保全地域に指定されました。東豊田3丁目、多摩平2丁目、7丁目に隣接した黒川清流公園、多摩平第6公園、清水谷公園の約60,000uの雑木林です。黒川清流公園の崖下には数カ所から湧水が流れており、池が4カ所あります。東から「ひょうたん池」、「大池」、「わきみず池」、「あずまや池」の名が付いています。
調査は黒川清流公園の東端の中央線脇にあるひょうたん池から西へ黒川防災広場(汚水処理場跡地)、第6公園、山王下公園、清水谷公園の池まで約1.7kmのコースを1時間で歩き、その間に出現した野鳥の種類と数を記録します。
●調査日 2009年2月9日 薄くもり、無風
<調査結果>
(1)マガモ13(♂7 ♀6) (2)カルガモ12 (3)キジバト3 (4)コゲラ1 (5)ヒヨドリ5 (6)ツグミ3 (7)ウグイス2 (8)シジュウカラ7 (9)カシラダカ20+ (10)アオジ4 (11)アトリ2 (12)シメ1 (13)スズメ1 (14)ムクドリ5 (15)ドバト1 (16)ガビチョウ2
<備考>
・ヒヨドリ、シジュウカラ、カラスの鳴き声もほとんど聞こえない寒い調査日でした。カウントした種も15と少なく、真冬なのになぜか静かな雑木林でした。
・わきみず池西側の湧水周辺でカシラダカ20羽程の群が地面に降りて採食していました。またアトリ2羽も同時に観察しましたが、1羽は夏羽のような鮮やかな色彩をしていました。春を思わせる、印象的な雄です。
●調査終了後、本調査地に隣接する多摩平2丁目のフェンスで囲まれた空き地内でカシラダカ50羽+、カワラヒワ50羽+、アトリ30羽±が一団になって採食しているのをフェンスのすき間から観察しました。
●調査日 2009年2月21日 快晴、無風
<調査結果>
(1)コサギ1 (2)マガモ12(♂7 ♀5) (3)カルガモ9 (4)キジバト5 (5)アオゲラ1 (6)コゲラ2 (7)キセキレイ1 (8)ヒヨドリ10 (9)シロハラ1 (10)ツグミ4 (11)ウグイス5 (12)エナガ1 (13)シジュウカラ14 (14)メジロ5 (15)カシラダカ25+ (16)アオジ1 (17)シメ1 (18)ムクドリ2 (19)オナガ10+ (20)ハシボソガラス1 (21)ドバト3
<備考>
・カルガモが徐々に減っています。春に向けて黒川を離れていくのでしょう。
・シジュウカラ、エナガ、コゲラ、メジロは混群でなく1〜2羽の観察です。アオゲラが盛んに鳴いていました。
●調査日 2009年2月25日 くもりのち小雨、無風
<調査結果>
(1)コサギ1 (2)マガモ14(9♂5♀) (3)カルガモ13 (4)キジバト5 (5)カワセミ1♀ (6)コゲラ1 (7)ハクセキレイ1 (8)ヒヨドリ5 (9)ルリビタキ♀ (10)シロハラ1 (11)ツグミ1 (12)ウグイス2 (13)エナガ4 (14)ヤマガラ3 (15)シジュウカラ12 (16)アオジ2 (17)ムクドリ2 (18)オナガ3+ (19)ハシボソガラス2 (20)ハシブトガラス3 (21)ドバト11
<備考>
・調査途中で小雨が降り始めたが続行しました。
・大池からひょうたん池を通る水路(石を配した自然風のU字溝)でコサギが一生懸命?餌を探 しています。ザリガニがいると聞きましたが効率がよくないのではないか心配です。
・カワセミは清水谷公園の池で雌を観察しました。秋からのセンサスで何回か雌を確認しています。黒川公園の大池では2月になりその姿を見る機会が少なくなりました(今月のセンサスで はゼロです)。
・久しぶりにルリビタキの雌を1羽観察しました。今冬は雄を観察していません。
大池に突き出た木々の枝を移動するエナガ4羽、ヤマガラ3羽、シジュウカラ8羽、コゲラ1羽の混群に出会いました。混群、いまだ健在!
(お知らせ)
より鳥みどり観察会・第6回
『鳥たちの、ゆく冬くる春――黒川清流公園で探鳥会』
日 時 2009年3月8日(日)
集 合 JR豊田駅北口 9時30分
解 散 現地 12時頃
持ち物 筆記用具、あれば双眼鏡
会 費 大人300円、小中学生100円
担 当 金子凱彦、小久保雅之、村岡明代
※今回で「より鳥みどり観察会」は秋まで不定期になります。