金子凱彦の野鳥調査 第24回
日野の自然を守る会 金子凱彦
●東豊田緑地保全地域の野鳥調査
<調査地とコース>
同保全地域は日野市のほぼ中央部に細長く広がる日野台地の段丘崖の一部で、1975年に東京都により緑地保全地域に指定されました。東豊田3丁目、多摩平2丁目、7丁目に隣接した黒川清流公園、多摩平第6公園、清水谷公園の約60,000uの雑木林です。黒川清流公園の崖下には数カ所から湧水が流れており、池が4カ所あります。東から「ひょうたん池」、「大池」、「わきみず池」、「あずまや池」の名が付いています。
調査は黒川清流公園の東端の中央線脇にあるひょうたん池から西へ黒川防災広場(汚水処理場跡地)、第6公園、山王下公園、清水谷公園の池まで約1.7kmのコースを1時間で歩き、その間に出現した野鳥の種類と数を記録します。
<調査結果>
(1)カルガモ5 (2)キジバト1 (3)カワセミ1♂ (4)アオゲラ1 (5)キセキレイ2 (6)ヒヨドリ3 (7)モズ1♀ (8)シジュウカラ2 (9)スズメ1 (10)ムクドリ2 (11)ハシブトガラス2 (12)ドバト7 (13)ガビチョウ2
<備考>
黒川防災広場の枯れた000の最上部に止まるモズの雌を今秋初めて観察する。黒川の林では今回も確認できませんでした。
大池でボチャンと水音がするので、水面を見るとカワセミが小魚をくわえて飛び出しました。
キセキレイはひょうたん池とあずまや池の2カ所で観察しました。
●調査日 2009年10月10日 晴れ、無風
<調査結果>
(1)カルガモ3 (2)キジバト4 (3)キセキレイ1 (4)ヒヨドリ39 (5)ヤマガラ1 (6)シジュウカラ20 (7)メジロ4 (8)ムクドリ13 (9)ハシボソガラス3 (10)ハシブトガラス4 (11)ドバト2 (12)ガビチョウ4
<備考>
・ヒヨドリが林内を鳴き騒いでいた。10羽程の群が黒川の林すれすれに西方(豊田駅方向)に飛ぶのを観察したが、騒がしい声もヒヨドリが飛び立つとぴったり静かになります。小さな群が黒川で一休みして、林から次々に飛び立って行きました。10月上旬〜中旬はヒヨドリの渡りの季節です。
・シジュウカラは4〜5羽の群を数回観察したが、大きな群には出会いませんでした。
●調査日 2009年10月29日 晴れ、無風
<調査結果>
(1)マガモ4 (2)カルガモ7 (3)キジバト4 (4)カワセミ1♂ (5)ヒヨドリ30 (6)モズ1(7)シジュウカラ11+ (8)メジロ15+ (9)スズメ2 (10)ハシボソガラス1 (11)ハシブトガラス5 (12)ドバト14 (13)ガビチョウ5
<備考>
・マガモは10/12に大池で、エクリプスの雄1羽の姿を初めて見ました。本日は雄4羽を確認する。
・センサス時に大池でダイビングするカワセミの雄を観察するが、調査終了後、わきみず池前で休憩していると、カワセミ1羽(♂)が大池方向から現れる。池にダイビングするが、餌は捕れず、池前のケヤキに止まり、チーと一鳴きして、遊歩道に沿ってあずまや池方向に飛び去る。黒川公園の池を移動しながら、カワセミは採食しているようです。
・ヒヨドリの渡りを観察する。あずまや池から飛び立った14羽の群が一直線に南側・中央線方向に飛び去る。朝日新聞の写真入り記事(10/27付け)によると、神奈川県の真鶴岬では、ヒヨドリの渡りが11月初旬にピークを迎えるとあります。黒川はもっと早い時期にピークを迎えます。
・清水谷公園の池でモズの高鳴を聞く。雌雄は確認できなかったが、付近に定着するか。
・第2コーポ前のツバキに集まるメジロの群を観察する。15羽程でシジュウカラ5羽程も一緒だった。
・ガビチョウの声を各所から聞く。どのくらいのガビチョウが黒川に生息しているのであろうか。
●調査日 2009年10月31日 晴れ、無風
<調査結果>
(1)マガモ6(♂4♀2) (2)カルガモ10 (3)キジバト6 (4)カワセミ2(♂1) (5)コゲラ1 (6)キセキレイ1 (7)ヒヨドリ19 (8)モズ2(♀1) (9)ジョウビタキ1♀ (10)ウグイス3(11)ヤマガラ1 (12)シジュウカラ9 (13)メジロ6 (14)スズメ4 (15)ハシブトガラス3 (16)ガビチョウ1
<備考>
・大池のマガモは雌2羽が加わり、計6羽になる。
・カワセミは大池で、わきみず池方向へ飛翔する1羽を観察する。調査最終地点の清水谷公園の池でもカワセミ1羽(♂)を観察する。同一個体か不明なので、記録は2羽とする。
・ヒヨドリの渡りのピークを過ぎたのか、前回ほど林はヒヨドリの声で騒がしくなかった。豊田駅方向へ鳴きながら飛ぶ8羽の群を見る。渡りであろう。
・わきみず池にて、モズの声を聞くが、雌雄は不明。黒川防災広場では高鳴をしている、雌を観察する。
・本日、ジョウビタキとウグイスの笹鳴き(地鳴き)を初めて確認する。冬の季節になります。次はツグミの到来を待ちましょう
(お知らせ)
昨年と同様に、10月から来年3月の第3日曜日(1月だけは第2日曜日)に野鳥を中心とした観察会を「日野の自然を守る会」主催で行います。
◆より鳥みどり観察会・第10回
『初冬の雑木林で《鳥》探し』
はるばる北国からやって来た野鳥たちを、黒川清流公園で観察します。昨年はアトリ、カシラダカが多く見られましたが、今年はどうでしょうか。
日時 11月15日(日) 雨天中止
集合 中央線豊田駅北口 午前9時
解散 現地 昼頃
担当 金子凱彦、小久保雅之、村岡明子
●詳細は会報「日野の自然」11月号か、本会HPをご覧下さい。