金子凱彦の野鳥調査  25
                                      日野の自然を守る会 金子凱彦

●東豊田緑地保全地域の野鳥調査
<調査地とコース>
同保全地域は日野市のほぼ中央部に細長く広がる日野台地の段丘崖の一部で、1975年に東京都により緑地保全地域に指定されました。東豊田3丁目、多摩平2丁目、7丁目に隣接した黒川清流公園、多摩平第6公園、清水谷公園の約60,000uの雑木林です。黒川清流公園の崖下には数カ所から湧水が流れており、池が4カ所あります。東から「ひょうたん池」、「大池」、「わきみず池」、「あずまや池」の名が付いています。
調査は黒川清流公園の東端の中央線脇にあるひょうたん池から西へ黒川防災広場(汚水処理場跡地)、第6公園、山王下公園、清水谷公園の池まで約1.7kmのコースを1時間で歩き、その間に出現した野鳥の種類と数を記録します。


黒川清流公園内の表示板に説明を増やし作成


調査日 2009年11月6日 晴れ、無風 

<調査結果>
(1)マガモ6(♂3♀3)  (2)カルガモ7  (3)キジバト4  (4)コゲラ1  (5)キセキレイ1   (6)ハクセキレイ1  (7)ヒヨドリ14  (8)モズ1  (9)ウグイス2  (10)エナガ10±  (11)シジュウカラ23±  (12)ハシボソガラス1  (13)ハシブトガラス3  (14)ドバト5   (15)ガビチョウ1

<備考>
・防災広場でモズの声を聞くが、姿は確認できなかった(雌雄不明)。わきみず池南側の住宅地で盛んにモズが鳴いていたが、本調査地外なのでカウントには入れない。
・わきみず池前のKOWA寮跡地(建物は取り壊され現在更地になっている)で、中央線方向から飛来したハクセキレイを今秋初めて観察する。
・エナガ10±、シジュウカラ15±の混群に出会う。ただコゲラ、メジロは確認できませんでした。


調査日 2009年11月9日 はれ、無風 

<調査結果>
(1)マガモ6(♂3♀3)  (2)カルガモ7  (3)キジバト3  (4)コゲラ1  (5)ヒヨドリ8    (6)ウグイス1  (7)エナガ1  (8)シジュウカラ13+  (9)ハシブトガラス2 (10)ドバト9   (11)ガビチョウ1

<備考>
※日野の自然を守る会の黒川観察会(11/15)の下見を兼ねて、通例より遅い9時よりセンサスを始める。あたたかい穏やかな朝で、雑木林の散歩には絶好であるが、鳥影は至って少なかった。


調査日 2009年11月21日 快晴、無風

<調査結果>
(1)マガモ8(♂4♀4)  (2)カルガモ7  (3)キジバト2  (4)コゲラ1  (5)ヒヨドリ17   (6)モズ1(♀)   (7)ジョウビタキ1(♂)   (8)ツグミ1  (9)ウグイス1  (10)エナガ10+(11)ヤマガラ2  (12)シジュウカラ13+  (13)メジロ4  (14)カワラヒワ10+  (15)スズメ2  (16)ハシブトガラス4  (17)ドバト11  

<備考>
・わきみず池にせり出したマユミの実を、コゲラが食していました。11/15の守るかの観察会でも、コゲラの採食を参加者全員で観察することができました。この時はコゲラが2羽飛来しました。
・黒川防災広場でジョウビタキの雄を観察しました。同地で以前雌を確認しています。
・ツグミの姿を今秋初めて見ました。11/19の朝、黒川公園の上空を通過するツグミの声を聞きましたが、黒川公園で声と共に姿を見るのは初めてです。
・防災広場の枯れ草の中で飛び交う10羽以上のカワラヒワを確認しました。昨年までは観察したことはありません。カワラヒワは本調査地で観察できなくなった野鳥の一種です。なお今秋浅川でも昨年より多くのカワラヒワを調査で数えています。


調査日 2009年11月28日 快晴、無風

<調査結果>
(1)マガモ8(♂4♀4)  (2)カルガモ10  (3)キジバト9  (4)アオゲラ1  (5)キセキレイ1  (6)ヒヨドリ26  (7)モズ2(♀1)  (8)ツグミ6   (9)ウグイス2   (10)シジュウカラ6  (11)メジロ1  (12)カワラヒワ15±  (13)シメ3  (14)ハシブトガラス3  (15)ドバト11 (16)ガビチョウ1 

<備考>
・ヒヨドリが騒がしく鳴きながら林の中を飛び回っていた。個体数も11月上旬、中旬よりぐっと多くなる。
・清水谷公園の池脇の寒桜に飛来したモズの雌を観察する。先月の10月29日の調査では、付近でモズの声を聞いたが姿は確認できなかった。声の主はこの雌であったのか。
また、防災広場の雌との関係はいかに、同じ個体なのかどうか、疑問が残る。
・前回(11/21)のセンサスで初めてツグミを1羽確認したが、本日は林の中で本種の声をたびたび聞く。1週間で急にツグミが増えた。いよいよ冬、到来です。
・今回も防災広場でカワラヒワを観察しました。
・冬鳥のシメを観察する。本調査地では初認です。地味ではあるが、魅力的な鳥です。


<黒川清流公園のカモSPの記録>
今年のマガモ、カルガモの飛来が減っています。浅川や多摩川のようにカモの姿を見ることができなくなるのでしょうか。
              <マガモ>     <カルガモ>
2007年11月27日   21羽(♂11♀10)  63羽
2008年11月23日  13羽(♂7 ♀6)    8羽
2009年11月28日   8羽(♂4 ♀4)   10羽

※マガモ、カルガモ以外には、2007年11月にオナガガモ、2008年12月にはコガモが大池に飛来しました。




(お知らせ)

昨年と同様に、10月から来年3月まで第3日曜日(1月だけは第2日曜日)に野鳥を中心とした観察会を「日野の自然を守る会」主催で行います。

より鳥みどり観察会・第11回
『冬鳥を探してバードウォーキング・滝山城址から多摩川、秋川合流点』

12月は北国からやって来る冬鳥が勢ぞろいです。今回は林の鳥、河原の鳥など多くの野鳥に会えるでしょう。多少歩きますが、欲張り探鳥会です。
日 時  12月20日(日)  雨天中止
集 合  中央線八王子駅北口 J番バス停(戸吹、杏林大学行き) 午前9時
解 散  拝島駅 15時頃
持 物  お弁当、寒くない服装、あれば双眼鏡
参加費  大人300円
担 当  小久保雅之、金子凱彦、村岡明子

●詳細は会報「日野の自然」12月号か、本会HPをご覧下さい。

より鳥みどり観察会・第12回
『黒川清流公園でニューイヤーカウント』

1月は最も野鳥の多い季節です。昨年同様に冬の雑木林で、鳥の数を数えてみましょう。もちろん、野鳥を見て楽しむだけでも結構です。この季節は意外な冬鳥に会えることもあります。
日 時  1月10日(日) 雨天中止
集 合  中央線豊田駅北口 9時
解 散  現地 昼頃
持 物  寒くない服装、あれば双眼鏡
参加費  大人300円
担 当  金子凱彦 小久保雅之 村岡明子