金子凱彦の野鳥調査  29
                                      日野の自然を守る会 金子凱彦

●東豊田緑地保全地域の野鳥調査
<調査地とコース>
同保全地域は日野市のほぼ中央部に細長く広がる日野台地の段丘崖の一部で、1975年に東京都により緑地保全地域に指定されました。東豊田3丁目、多摩平2丁目、7丁目に隣接した黒川清流公園、多摩平第6公園、清水谷公園の約60,000uの雑木林です。黒川清流公園の崖下には数カ所から湧水が流れており、池が4カ所あります。東から「ひょうたん池」、「大池」、「わきみず池」、「あずまや池」の名が付いています。
調査は黒川清流公園の東端の中央線脇にあるひょうたん池から西へ黒川防災広場(汚水処理場跡地)、第6公園、山王下公園、清水谷公園の池まで約1.7kmのコースを1時間で歩き、その間に出現した野鳥の種類と数を記録します。


黒川清流公園内の表示板に説明を増やし作成

調査日 2010年3月2日 くもり、時々霧雨、無風

<調査結果>
(1)マガモ7(♂4♀3)  (2)カルガモ7  (3)キジバト1  (4)キセキレイ1  (5))ヒヨドリ3  (6)ツグミ1  (7)シジュウカラ3 (8)ムクドリ3  (9)オナガ5 (10)ハシボソガラス2 (11)ハシブトガラス3

<備考>
・3月初めての観察であるが、鳥影はいたって少ない。ドバトも見なかった。
・ツグミをかろうじて1羽確認するが、冬鳥の姿がありません。
・シジュウカラは声1回と2羽の飛翔の計3羽だけでした。他のカラ類はなし。
・ハシブトが枯れ枝をくわえて飛んでいました。そろそろ繁殖に入るのでしょう。

調査日 2010年3月11日 快晴、無風

<調査結果>
(1)マガモ7(♂4♀3)  (2)カルガモ7 (3)ツミ1  4)キジバト5  (5)ヒヨドリ2 (6)モズ2♂ (7)ジョウビタキ1♀   (8)ツグミ1  (9)エナガ2  (10)ヤマガラ4 (11)シジュウカラ10  (12)シメ1  (13)ムクドリ2  (14)オナガ2 (15)ハシボソガラス2  (16)ハシブトガラス5

<備考>
・2日前の9日、昼より雪になりました。昨日はまだ地表に雪が残っていましたが、本日はすべて消えました。雪上がりの日には思わぬ鳥が出るのではないかと期待しましたが…。
・久しぶりに、林内で盛んに鳴いているツミの声を聞く。繁殖の可能性があるか、興味あります。
・ひょうたん池の北側斜面とあずまや池斜面でモズの雄を確認する。2月までは雌がテリトリーにしていた区域です。雌たちはどうしたのであろうか。そして今年は黒川でモズが繁殖するか観察を続けます(昨年は繁殖を確認していません)。
・エナガ、ヤマガラは2羽で行動をしていました。
・カラスたちも2羽の行動です。繁殖の季節に入り林周辺は何となく騒がしいです。
・清水谷公園の池周辺の斜面で大規模な伐採を行っているので、鳥影は全くありませ。多摩平第6公園でも伐採中でした。CO2の削減をいいながら、何年もたった木が次々と切られています。


調査日 2010年3月14日 快晴、無風

<調査結果>
(1)マガモ7(♂4♀3)  (2)カルガモ5  (3)キジバト5  (4)ヒヨドリ7  (5)ツグミ1 (6)シジュウカラ5  (7)メジロ1  (8)スズメ2  (9)ムクドリ2  (10)オナガ8+  (11)ハシボシガラス1  (12)ハシブトガラス6  (13)ドバト2

<備考>
・多摩平第6公園で地面に降りて採餌中のツグミを1羽観察する。今冬はツグミの仲間のシロハラの記録がありません。
・シジュウカラは全て囀りで、姿を確認したのは1羽だけでした。
・昨年ハシボソが営巣した木の近くにハシブトが巣を作りました。ハシボソも周辺にいますが、どこに巣を作るか興味あります。カラスたちは繁殖の季節に入っています。昨年は、黒川清流公園の東端・ひょうたん池から西端・あずまや池の区間でハシブト、ハシボソ、ハシボソ、ハシブト(東から順に)と4カ所で営巣しました。
・繁殖といえば、本日モズを確認できませんでした。そしてツミもいませんでした。


調査日 2010年3月23日 くもりのちはれ、無風

<調査結果>
(1)マガモ7(♂4♀3)  (2)カルガモ6  (3)キジバト4  (4)アオゲラ1 (5)コゲラ3  (6)ヒヨドリ12  (7)ルリビタキ1  (8)ジョウビタキ2♀  (9)ウグイス2 (10)ヤマガラ4  (11)シジュウカラ15  (12)メジロ2 (13)ハシボソガラス2  (14)ハシブトガラス6  (15)ドバト5 

<備考>
・カルガモは大池、わきみず池、あずまや池で各2羽でした。
・久しぶりにアオゲラを観察しました。大きなクヌギの頭上から木を叩く音がします。双眼鏡で探すと、横枝の上に止まり盛んに木肌に穴を開けては、移動していました。巣作りかと期待したのですが違うようです。
・コゲラは3羽で行動をしており、内1羽は追い立てられていましたが、すぐ1羽の側に寄ってきます。この3羽はどういう関係は不明です。
・冬鳥のルリビタキ、ジョウビタキはそろそろ渡去するのでしょう。
・ウグイス1羽が盛んに囀っていました。もう1羽は地鳴きでした。
・ヤマガラは2羽、2羽の記録です。ペアなのでしょう。シジュウカラも2羽の行動か、囀りの数です。本日、本種は多い記録です。
・ハシブトは大池周辺、わきみず池周辺、あずまや池から防災広場で各2羽を観察しています。付近で営巣するでしょう。ハシボソは押され気味のようですが、動向の観察を続けます。ハシボソ派の私としては、ハシブトよりもハシボソが黒川で繁殖して欲しいのです。


調査日 2010年3月28日 くもり、無風 寒い

<調査結果>
(1)アオサギ1  (2)マガモ6(♂3♀3)  (3)カルガモ6  (4)キジバト8  (5)コゲラ1   (6)キセキレイ2  (7)ヒヨドリ3 (8)モズ1♂ (9)シジュウカラ5  (10)ハシボソガラス2  (11)ハシブトガラス5  (12)ドバト3 

<備考>
・アオサギは上空通過です。多摩平から平山方向へ向かいました。
・ひょうたん池奥の斜面でモズの雄1羽を観察しました。雌は抱卵中なのでしょうか、姿がありません。
・キセキレイは2羽で行動しています。ペアなのでしょう。
・冬鳥のツグミ、ジョウビタキ、ルリビタキは確認できませんでした。ツグミの仲間のシロハラを今冬は観察していません。