金子凱彦の野鳥調査  32
                                      日野の自然を守る会 金子凱彦

●東豊田緑地保全地域の野鳥調査
<調査地とコース>
同保全地域は日野市のほぼ中央部に細長く広がる日野台地の段丘崖の一部で、1975年に東京都により緑地保全地域に指定されました。東豊田3丁目、多摩平2丁目、7丁目に隣接した黒川清流公園、多摩平第6公園、清水谷公園の約60,000uの雑木林です。黒川清流公園の崖下には数カ所から湧水が流れており、池が4カ所あります。東から「ひょうたん池」、「大池」、「わきみず池」、「あずまや池」の名が付いています。
調査は黒川清流公園の東端の中央線脇にあるひょうたん池から西へ黒川防災広場(汚水処理場跡地)、第6公園、山王下公園、清水谷公園の池まで約1.7kmのコースを1時間で歩き、その間に出現した野鳥の種類と数を記録します。


黒川清流公園内の表示板に説明を増やし作成

調査日 2010年6月4日 快晴、微風 湿度が低く心地よい気候

<調査結果>
(1)キジバト2 (2)アオゲラ2♂♀  (3)ヒヨドリ10  (4)エナガ7+ (5)シジュウカラ16+  
(6)スズメ4 (7)ムクドリ5  (8)ハシボソガラス2  (9)ハシブトガラス4   (10)ドバト3 
(11)ガビチョウ5 
 
 


<備考>
・雌雄2羽のアオゲラを観察しました。木の幹を螺旋状に上っては隣の木に移り、1羽が甘ったれたような声をだしました。(幼鳥では在りません)
・エナガ7羽ほどの群に、幼鳥が多数混じっていました。家族群でしょう。シジュウカラ10羽ほどの群にも幼鳥が混じっていました。
・センサスではカルガモを1羽も数えませんでしたが、昼過ぎには大池に2羽いました。
・大池東側とわきみず池の多摩平側でハシブトガラスに執拗に騒がれました。付近に巣立った幼鳥がいるようです。

<参考>
多摩平の森では、カラスに頭を後ろから襲われた婦人がいました。カラスが自分の子を守るための行動だったようですが、襲われた人はショックです。



●調査日 2010年6月13日 くもり、微風

<調査結果>
(1)カルガモ1  (2)キジバト5  (3)アオゲラ1  (4)コゲラ2  (5)ヒヨドリ12  (6)シジュウカラ13  (7)ムクドリ14 (8)ハシボソガラス1  (9)ハシブトガラス9  (10)ドバト1   (11) ガビチョウ1

<備考>
・調査時には大池にカルガモの姿がありませんでしたが、終了後立ち寄ると(9:00)、2羽が飛来していました。よく2羽を見ますが、大池では繁殖をしていないようです。
・久しぶりにコゲラを観察しました。幼鳥かとチェックしたが、成鳥のようでした。
・黒川防災広場のフェンス脇でシジュウカラの幼鳥群(顔が黄色かったり、嘴の元が黄色い)8羽ほどに出くわす。兄弟姉妹たちなのか? しぐさ、行動が可愛らしい。
・わきみず池脇でハシブト2羽が騒がしく鳴いている。近くの枝に幼鳥が1羽止まり、これを守るように下を人が通ると2羽が鳴く。私が真下に差しかかると、頭上に2羽が飛来し、「枝むしり」を始めたので、背を向けずにその場をゆっくり離れる。


調査日 2010年6月22日 

<調査結果>
(1)カルガモ4  (2)ツミ1  (3)キジバト3  (4)ツバメ3  (5)ハクセキレイ1 (6)ヒヨドリ7 
(7)シジュウカラ9  (8)スズメ2  (9)ムクドリ9  (10)オナガ5+  (11)ハシボシガラス1
(12)ハシブトガラス5  (13)ガビチョウ5


<備考>
・ハシブトの幼鳥3羽が電線でじゃれあっていた。わきみず池周辺で巣立ったカラスでしょう。付近に親カラスの姿がなかったので、前回のような威嚇行動はなかった。本日はハシボソを観察しなかった。
・これからの季節は鳥が少なくなります。それでも意外な場面に出会うことを期待します!


<その他の記録>
中央線豊田駅北口のツバメの記録(2010年)
北口周辺(150m以内)では2カ所でツバメが営巣し、ヒナが無事巣立ちました。
@公団豊田駅前第二住宅の1階出入り口の壁に昨年の巣が残っていました。4月8日に雄1羽が巣に飛来し、6月17日に4羽のヒナが巣立ちました。ここは毎年ツバメが飛来する、ツバメにとっては営巣環境のよい所です。
Aファミーユ裏の駐輪場のひさしには、昨年の壊れた古巣が3ツ残っており、その1ツを修復して営巣しました。4月10日に古巣に雄が1羽飛来し、6月28日に4羽のヒナが巣立ちました。


▲ファミーユの駐輪場にて(2010年6月26日撮影)