金子凱彦の野鳥調査  39
                                      日野の自然を守る会 金子凱彦

●東豊田緑地保全地域の野鳥調査
<調査地とコース>
 同保全地域は日野市のほぼ中央部に細長く広がる日野台地の段丘崖の一部で、1975年に東京都により緑地保全地域に指定されました。東豊田3丁目、多摩平2丁目、7丁目に隣接した黒川清流公園、多摩平第6公園、清水谷公園の約60,000uの雑木林です。黒川清流公園の崖下には数カ所から湧水が流れており、池が4カ所あります。東から「ひょうたん池」、「大池」、「わきみず池」、「あずまや池」の名が付いています。
 調査は黒川清流公園の東端の中央線脇にあるひょうたん池から西へ黒川防災広場(汚水処理場跡地)、第6公園、山王下公園、清水谷公園の池まで約1.7kmのコースを1時間で歩き、その間に出現した野鳥の種類と数を記録します。


黒川清流公園内の表示板に説明を増やし作成

調査日 2011年1月2日 はれ、無風

<調査結果>
(1)マガモ5(2♂3♀)  (2)カルガモ9  (3)キジバト11  (4)キセキレイ1  (5)ハクセキレイ2  
(6)ヒヨドリ15  (7)ジョウビタキ1♀  (8)ツグミ2  (9)ウグイス1 (10)エナガ5   (11)ヤマガラ6  (12)シジュウカラ8  (13)メジロ5  (14)カシラダカ20±  (15)アオジ1(16)カワラヒワ19      (17)ムクドリ5  (18)ハシボソガラス1  (19)ハシブトガラス3  (20)ドバト2  (21)ガビチョウ1


<備考>
・わきみず池の西側で、初めてジョウビタキの雌を観察する。今のところジョウビタキの・観察は、山王下公園(♂)とこの2カ所である。
・年末から同じ場所で5〜6羽のヤマガラの群をよく見かける。人を恐れず足元までやって来ることがある。貯食行動も見られた。
・わきみず池周辺を飛翔するカシラダカの20羽ほどの群にに遭遇する。同時にアオジも確認する。
・下草が刈り込まれた斜面の木に止まるカワラヒワの群を観察する。朝日を浴びて、きれいな姿を見せてくれた。
・本日が私のニューイヤーカウントになる。ちなみに昨年の1月2日は15種でルリビタキが記録されている。一昨年(2009年)の1月2日は今年と同じ21種であるが、ツミ、カワセミ、モズ、シメが観察されている。

調査日 2011年1月4日 はれ、無風 

<調査結果>
(1)アオサギ1  (2)マガモ5(2♂3♀)  (3)カルガモ7  (4)キジバト5  (5)コゲラ1   (6)キセキレイ1  (7)ハクセキレイ2  (8)ヒヨドリ16  (9)シロハラ1  (10)ツグミ5    (11)ウグイス1  (12)エナガ10±  (13)ヤマガラ7 (14)シジュウカラ8 (15)メジロ20±  (16)カワラヒワ15±  (17)ムクドリ2 (18)オナガ20+  (19)ハシボソガラス1 (20)ハシブトガラス4  (21)ドバト4 (22)ガビチョウ1

<備考>
・アオサギは多摩平側から平山方向に上空通過である。
・黒川防災広場わきのメタセコイア周辺を飛ぶ、エナガの10羽ほどの群を見る。メジロ5羽ほどとシジュウカラ1羽が混じる。
・ヤマガラは前回と同じ所で6羽観察する。ニーニーと賑やかであった。
・カワラヒワも前回と同じ山王下公園の北側斜面で確認するが、人家に隠れ正確なカウントができなかった。
・大池の柿の実を食すオナガの群に会う。ムクドリが1羽飛来するが柿には近づけなかった。そろそろ柿の実も終わりそうである。

●調査日 2011年1月9日 快晴、無風

<調査結果>
(1)マガモ5(2♂3♀)  (2)カルガモ4  (3)キジバト7  (4)カワセミ1 (5)ハクセキレイ1  (6)ヒヨドリ7 (7)モズ3(1♂2♀) (8)シロハラ1 (9)ツグミ10  (10)ウグイス2  (11)エナガ3  (12)ヤマガラ8  (13)シジュウカラ6  (14)メジロ5  (15)カワラヒワ2  (16)ムクドリ31±  (17)オナガ26  (18)ハシブトガラス4  (19)ドバト3    <参考>マヒワ5  

<備考>
・調査時に大池にカルガモはいなかったが、終了後の9:45には5羽になっていた。毎朝8時から9時頃に池に帰ってくるようである。
・モズが出揃ったようである。今冬はひょうたん池に雌、わきみず池から桜並木にかけて雌、防災広場から山王下公園に雄の姿を見ることができる。
・わきみず池周辺でシロハラをよく見るようになる。
・清水谷公園の池に飛来したオナガの数をほぼ正確に数えた。26羽であった。多くても30羽ほどの群である。黒川周辺にはこの群だけなのか?
<参考>調査時間外であるが、わきみず池のハンノキで採食しているマヒワ3羽を観察する。今冬はマヒワが多いようだ。またレンジャクも黒川に飛来しているが、私は観察していない。

調査日 2011年1月16日  はれ、無風  

<調査結果>
(1)マガモ5(2♂3♀)  (2)カルガモ7  (3)キジバト10  (4)カワセミ1♂  (5)アオゲラ1(6)コゲラ3  (7)キセキレイ1 (8)セグロセキレイ1  (9)ヒヨドリ10+ (10)モズ2(♂♀)  (11)ジョウビタキ1 
(12)ツグミ5+  (13)ウグイス2  (14)シジュウカラ10+  (15)メジロ10+  (16)カシラダカ50  (17)アオジ1  (18)カワラヒワ40  (19)マヒワ2  (20)スズメ1  (21)ムクドリ6  (22)オナガ20  (23)ハシブトガラス2  (24)ドバト2 
      

<備考>
会報「日野の自然」3月号を参照。

調査日 2011年1月26日 快晴、無風 

<調査結果>
(1)マガモ6(3♂3♀)  (2)カルガモ9  (3)ツミ1♀   (4)キジバト7 (5)カワセミ1♂   (6)アオゲラ1  (7)ハクセキレイ1  (8)ヒヨドリ5 (9)モズ1♀  (10)ジョウビタ1♂     (11)ルリビタキ1♀  (12)シロハラ1  (13)ツグミ3  (14)エナガ2  (15)ヤマガラ3   (16)シジュウカラ10 (17)メジロ3+ (18)カシラダカ5 (19)カワラヒワ7 (20)オナガ10+(21)ハシブトガラス3  (22)ガビチョウ1      

<備考>
・目の前のケヤキの枝にツミが飛来する。双眼鏡なしでも目の黄色と胸から腹の横斑が鮮やかに見える雌であった。久しぶりの観察である。
・大池のカワセミは毎日のように飛来するようである。
・本日はヒヨドリの声が少ない。
・わきみず池でルリビタキの雌を今回も観察する。付近で越冬しているようである。
・フィールド内の2カ所でシジュウカラの囀りを聞く。
・本日はカシラダカの群には遭遇しなかった。わきみず池の5羽だけであった。



調査日 2011年1月30日 快晴、無風   

<調査結果>
(1)マガモ6(3♂3♀)  (2)カルガモ9  (3)キジバト7  (4)カワセミ1♂ (5)ハクセキレイ3  (6)ヒヨドリ6   (7)ジョウビタキ1♀  (8)ツグミ8   (9)ウグイス3  (10)シジュウカラ5  (11)メジロ3  (12)ムクドリ2  (13)オナガ10   (14)ハシボソガラス4   (15)ハシブトガラス3  (16)ドバト2       

<備考>
・林の中からツグミの声を多々聞く。本日はツグミが多かった。
・カラ類の群に遭遇しなかった。
・大池西側の湧水の前と第2コーポ前でハシボソ各2羽を観察する。最近はハシブトが多くハシボソが駆逐されるのではないか心配していたので、ハシボソファンとしては本日の観察にホットした。ハシボソ健在なり!
・中央線東側の神明野鳥公園から線路を越えて黒川公園に飛来するオナガの群を10羽ほど観察する。その後、一旦ひょうたん池奥(北側)の多摩平側に姿が消えたが、再び大池に姿を現す。神明野鳥公園から神明上第10緑地(旧梵天山)、市役所前の中央公園を飛んでいるオナガの群をよく見かけるが、黒川で見る群と同じなのか?段丘崖のベルト状の緑地を生活の場としているのか。いずれオナガの行動を調べたい

<特報>
 1月に入りヒレンジャク、キレンジャクが姿を現し、マヒワが「わきみず池」わきのハンノキにしばしが飛来しています。高野伸二さんの「日本の野鳥」(日本野鳥の会刊)にハンノキの種子を食べるマヒワのイラストが描かれており、いつか黒川公園のハンノキにマヒワが飛来するのではないか期待していたが、その夢がかないました。


予告 より鳥みどり観察会(19)
『冬の楽しいとりあわせ』
日 時  2月20日(日) 雨天中止
集 合  京王線多摩動物公園駅前 9時 
解 散  現地(七生公園) 12時ころ
持ち物  筆記用具、あれば双眼鏡
参加費  大人300円 小中学生100円
※詳細は、「日野の自然を守る会」のホームページをご覧下さい