金子凱彦の野鳥調査  41
                                      日野の自然を守る会 金子凱彦

●東豊田緑地保全地域の野鳥調査
<調査地とコース>
 同保全地域は日野市のほぼ中央部に細長く広がる日野台地の段丘崖の一部で、1975年に東京都により緑地保全地域に指定されました。東豊田3丁目、多摩平2丁目、7丁目に隣接した黒川清流公園、多摩平第6公園、清水谷公園の約60,000uの雑木林です。黒川清流公園の崖下には数カ所から湧水が流れており、池が4カ所あります。東から「ひょうたん池」、「大池」、「わきみず池」、「あずまや池」の名が付いています。
 調査は黒川清流公園の東端の中央線脇にあるひょうたん池から西へ黒川防災広場(汚水処理場跡地)、第6公園、山王下公園、清水谷公園の池まで約1.7kmのコースを1時間で歩き、その間に出現した野鳥の種類と数を記録します。


黒川清流公園内の表示板に説明を増やし作成

調査日 2011年3月4日 快晴、無風の微風
         日差しはすでに春なのに、風が冷たい日であった
<調査結果>
(1)マガモ5(3♂2♀)  (2)カルガモ6  (3)オオタカ1  (4)ケアシノスリ2  (5)キジバト7  (6)コゲラ1  (7)キセキレイ1 (8)ヒヨドリ4  (9)ヒレンジャク5  (10)ルリビタキ1♀ (11)ジョウビタキ1♀  (12)ツグミ8  (13)ウグイス1 (14)エナガ2  (15)ヤマガラ1 (16)シジュウカラ18  (17)メジロ5+  (18)カワラヒワ6 (19)ムクドリ9 (20)オナガ10+    (21)ハシボソガラス1  (22)ハシブトガラス4  (23)ドバト4 

<備考>
・調査開始早々に、快晴の青空をバックに多摩平側から平山方向に、早い速度で上空を横切るオオタカ1羽を観察する。黒川のセンサスでは初めての記録である。
・調査終了後、大池上空に現れたケアシノスリ2羽を観察する。一瞬ノスリと思ったが、真白い下面、初列風切り先端の黒と翼角の黒が鮮やかで、なんといっても白い尾の先端の黒帯がくっきりと見えた。2羽がもつれるように接近するがすぐ離れ、多摩平方向に姿を消す。ぬけるような青空をバックに、白と黒のコントラストが鮮やかに浮かび上がり、夢のような光景であった。1ヶ月ほど前に、多摩川と谷地川合流で2羽のノスリが低空をゆっくり旋回し、時々2羽がもつれ合うのをしばらく観察した経験があり、今回のケアシノスリとの違いがよくわかった。だが、どうして黒川上空に現れたのか。
・本日もヒレンジャクを観察する。最近は飛来数が増えたようである。
・コゲラ、シジュウカラ、メジロ、エナガの小さな混群に出会う。そろそろ混群も解消であろう。
・本日は、カシラダカ、マヒワの観察なし。
※いやはや、本日は刺激的なセンサスであった。いまだ夢を見ているようである。

調査日 2011年3月13日 快晴、無風 

<調査結果>
(1)アオサギ1  (2)マガモ5(2♂3♀)  (3)カルガモ6  (4)ツミ1 (5)キジバト3     (6)カワセミ1♂ (7)ヒヨドリ7  (8)モズ1♀  (9)ジョウビタキ2♀  (10)シロハラ1  (11)ツグミ3  (12)ウグイス2  (13)エナガ4  (14)ヤマガラ2  (15)シジュウカラ10  (16)メジロ1  (17)ホオジロ1  (18)カシラダカ40±  (19)ムクドリ5 (20)オナガ7+ (21)ハシボソガラス3  (22)ハシブトガラス6 (23)ドバト4

<備考>
・草を刈り込まれた雑木林の南斜面に、アオサギが日向ぼっこするようにうずくまっていた。
・鳴きながら斜面を下るように、林の中を一直線に逃げるシロハラをツミが追う。このシロハラが捕食されたかは不明。
・大池、わきみず池でカワセミをたびたび見る。例年、春になると飛来しなくなるので、いつまで姿を現すか興味を持って観察する。
・ひょうたん池わきに続く中央線のフェンスに止まるモズの雌を観察する。南斜面に消えた。2月24日のセンサス時に雄を観察しているので、斜面付近で雄を探すが姿なし。ペアになっているのか?今後は注意、注意。
・黒川では初めてウグイスの囀りを聞く。
・黒川防災広場よりホオジロの囀りを聞く。ただ繁殖までは至らないであろう。
・第2コーポラス前の湧水周辺にてカシラダカを30羽ほど観察する。一部は湧水に降りていたようだ。さらに防災広場で10羽ほど数える。そろそろ渡りであろう。
・黒川の林でハシボソガラスが入っている巣を見つける。さらに巣の近くの枝に止まっていたキジバトに体当たりするように、もう1羽のハシボソが襲来しキジバトを追い払う。まだ抱卵ではないかと思うが…。さらに第2コーポ付近でもハシボソが縄張りを持っている。本年は2カ所で繁殖か。
・わき水池北側(多摩平側)の大ケヤキ周辺で、ハシブトガラスが盛んに鳴いている。例年付近でハシブトが営巣している。

調査日 2011年3月25日 快晴、無風、暖かい

<調査結果>
(1)アオサギ3  (2)マガモ3(1♂2♀)  (3)カルガモ4  (4)キジバト4  (5)カワセミ1  (6)ハクセキレイ1  (7)ヒヨドリ7  (8)ルリビタキ1♀ (9)ジョウビタキ2♀ (10)シロハラ1  (11)ツグミ2  (12)エナガ2  (13)ヤマガラ2  (14)シジュウカラ10  (15)ムクドリ2  (16)ハシボソガラス3 (17)ハシブトガラス2  (18)ドバト6 

<備考>
・アオサギは黒川上空を浅川方向に通過した1羽、防災広場方向から飛来し、あづまや池に降りた1羽、清水谷公園の池にいた1羽の合計3羽を数えた。センサスでは最も多い記録になった。
・大池のカモたちも減り、マガモは3羽になった。カルガモも2羽を数えたのみである。
・わきみず池にてルリビタキの雌を観察する。今冬、滞在していた個体であろうか。そろそろ終認になるであろう。
・ジョウビタキの雌はひょうたん池とわきみず池で確認する。今冬、たびたび両池の周辺で姿を見ていた個体であろうか。
・背中を向けて横枝に止まっているシロハラを、わきみず池で観察する。北国に帰る思いにふけっていたのであろうか。
・シジュウカラは1羽か2羽での観察である。エナガ、ヤマガラは2羽で行動していた。
・ハシブト2羽が黒川の林に隣接するマンションの給水塔に並び、1羽がおじぎをしながら盛んに鳴いていた。
※本日はルリビタキ、ジョウビタキ、シロハラ、ツグミと冬鳥を観察できたが、4月になると、どうであろうか。なおカシラダカ、マヒワの観察は今回もなかった。

お知らせ
『期間限定! 春の林のお楽しみ』
日時  5月5日(日) 雨天中止
集合 京王線多摩動物公園駅 9時
解散 現地(七生公園) 昼ごろ
参加費 大人300円 子供100円
※詳細は、「日野の自然を守る会」のホームページをご覧下さい