金子凱彦の野鳥調査  43
                                      日野の自然を守る会 金子凱彦

●東豊田緑地保全地域の野鳥調査
<調査地とコース>
 同保全地域は日野市のほぼ中央部に細長く広がる日野台地の段丘崖の一部で、1975年に東京都により緑地保全地域に指定されました。東豊田3丁目、多摩平2丁目、7丁目に隣接した黒川清流公園、多摩平第6公園、清水谷公園の約60,000uの雑木林です。黒川清流公園の崖下には数カ所から湧水が流れており、池が4カ所あります。東から「ひょうたん池」、「大池」、「わきみず池」、「あずまや池」の名が付いています。
 調査は黒川清流公園の東端の中央線脇にあるひょうたん池から西へ黒川防災広場(汚水処理場跡地)、第6公園、山王下公園、清水谷公園の池まで約1.7kmのコースを1時間で歩き、その間に出現した野鳥の種類と数を記録します。


黒川清流公園内の表示板に説明を増やし作成

調査日 2011年5月3日 くもり、無風

<調査結果>
(1)カルガモ1  (2)キジバト2  (3)ヒヨドリ7  (4)ウグイス1 (5)キビタキ1 (6)シジュウカラ5  
(7)ムクドリ11 (8)オナガ3+  (9)ハシボソガラス1  (10)ハシブトガラス4  (11)ドバト4  
(12)ガビチョウ2    


<備考>
黒川の林中に響き渡るように、ウグイスが盛んに囀っている。昨年も5月2日のセンサス時、ウグイスの声を聞くが、黒川では繁殖はしていないようである。
黒川公園の東端でキビタキの囀りを聞く。昨日の朝6時に付近でキビタキの声がした、と聞いたので、本日の調査はいつもより早く始めた。ラッキーであった。今の季節は早ければ早いほどよいと思うが…、そんなに早く起きられない。
新緑の木々からオナガの声を聞くが、羽数は不明。
ハシボソガラスは大池付近で1羽でいることが多い。もう1羽は抱卵中なのか?

<その他の記録>
昨年の2日にはわきみず池付近にてオオルリを観察したので、本年もと期待したが現れなかった。また前回(4/28)声を聞いたセンダイムシクイも確認できなかった。


調査日 2011年5月5日 くもり、無風

<調査結果>
(1))カルガモ2 (2)キジバト4  (3)アオゲラ1 (4)ツバメ3  (5)イワツバメ5 (6)ヒヨドリ6 
(7)センダイムシクイ1  (8)シジュウカラ4  (9)カワラヒワ6 (10)ムクドリ2 (11)オナガ1 
(12)ハシボソガラス1  (13)ハシブトガラス4  (14)ドバト4  (15)ガビチョウ1

<備考>
・清水谷公園の池の上空を旋回するツバメ3羽を観察する。豊田駅周辺のツバメであろうか。今年は飛来が遅く、豊田駅前の集合住宅に姿を現したのは、昨年より10日ほど遅い4月17日であった。
・わきみず池上空、多摩平側を旋回するイワツバメを観察する。本調査地ではいたって珍しい。
キ・ビタキには会えなかったが、センダイムシクイの声を聞く。
・高木の樹冠部に群れるカワラヒワを見る。今の季節は珍しい。


調査日 2011年5月18日 はれ、無風

<調査結果>
(1)カルガモ4 (2)キジバト3 (3)ヒヨドリ8 (4)シジュウカラ9  (5)ムクドリ7 (7)オナガ7+ 
(8)ハシボソガラス2 (9)ハシブトガラス4  (10)ドバト6  (11)ガビチョウ5 


<備考>
ガビチョウが賑やかであったが、鳥がいたって少なく、静かであった。


調査日 2011年5月27日 くもり、無風

<調査結果>
(1)カルガモ2  (2)キジバト6 (3)アオゲラ1  (4)ヒヨドリ6 (5)シジュウカラ10± (6)ムクドリ2 
(7)オナガ3  (8)ハシボソガラス2  (9ハシブトガラス3  (10)ガビチョウ2 


<備考>
・シジュウカラ10羽ほどのファミリーに遭遇する。成鳥1羽は確認するが、他は胸の帯のない幼鳥で、団子になりながら群で飛び回っていた。黒川の林内で繁殖したかは不明である。
・5月の連休を過ぎると、黒川では鳥影が少なくなる。