金子凱彦の野鳥調査 第46回
日野の自然を守る会 金子凱彦
●東豊田緑地保全地域の野鳥調査
<調査地とコース>
同保全地域は日野市のほぼ中央部に細長く広がる日野台地の段丘崖の一部で、1975年に東京都により緑地保全地域に指定されました。東豊田3丁目、多摩平2丁目、7丁目に隣接した黒川清流公園、多摩平第6公園、清水谷公園の約60,000uの雑木林です。黒川清流公園の崖下には数カ所から湧水が流れており、池が4カ所あります。東から「ひょうたん池」、「大池」、「わきみず池」、「あずまや池」の名が付いています。
調査は黒川清流公園の東端の中央線脇にあるひょうたん池から西へ黒川防災広場(汚水処理場跡地)、第6公園、山王下公園、清水谷公園の池まで約1.7kmのコースを1時間で歩き、その間に出現した野鳥の種類と数を記録します。
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黒川清流公園内の表示板に説明を増やし作成
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調査日 2011年8月2日 くもりのち、はれ 風なし
<調査結果>
(1)カルガモ5 (2)ツミ1 (3)キジバト4 (4)カワセミ1 (5)アオゲラ1 (6)ヒヨドリ7 (7)ウグイス1
(8)シジュウカラ1 (9)ムクドリ1 (10)ハシボソガラス2 (11)ハシブトガラス5 (12)ドバト3
(13)ガビチョウ9
<備考>・防災広場でツミがハシブトガラス1羽を追う。追われたブトは鳴きながらあずまや池方向に逃げる。本年、多摩平でツミが繁殖した。
・ひょうたん池でカワセミの若い個体を観察する。今年巣立ったカワセミか? なお、わきみず池でもカワセミを確認する。木々に隠れて姿がよく見えなかったが、同じ個体の可能性があるので、本日の記録は1羽とした。
・アオゲラがけたたましく鳴きながら林の中を横切った。一瞬ガビチョウの声が途切れる。
・7月から鳴いているウグイスが本日も確認できた。調査開始時ひょうたん池周辺で鳴いていたが、調査終了時にはあずまや池近くで鳴いていた。同じ個体と思う。このウグイスは黒川公園の東西、広い範囲を移動しては鳴いている。
・本日シジュウカラは1羽だけであった。ムクドリも1回声を聞いただけである。反面ガビチョウが多かった。
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調査日 2011年8月5日 はれ、無風
<調査結果>
(1)カルガモ5 (2)キジバト3 (3)ヒヨドリ7 (4)シジュウカラ7 (5)オナガ5+ (6)ハシブトガラス2
(7)ドバト1 (8)ガビチョウ2 (番外)ツミ1
<備考>8月になり、種数、個体数とも少なくなる。
・大池では7月からカルガモ4〜5羽をたびたび見る。昨年の8月にカルガモは記録されていない。
<番外のツミ>多摩平の高層住宅(調査地外)の間をツミが飛ぶ。本年は繁殖が成功し5羽のツミが巣立った。
●調査日 2011年8月24日 はれ、無風
<調査結果>
(1)カルガモ1 (2)キジバト1 (3)ヒヨドリ2 (4)シジュウカラ2 (5)オナガ6+ (6)ハシボソガラス1
(7)ハシブトガラス3 (8)ドバト5 (9)ガビチョウ2
<備考>・久しぶりの調査である。18日をピークに35℃の猛暑日が続いたが、最近落ち着いた(気温が下がった)感がある。8月上旬の調査では、蕾だったウバユリは花が終わってしまった。
・大池のカルガモは人慣れししていて、手から餌をもらっている。
・かろうじてシジュウカラ2羽を観察するが、いたって小鳥類少ない。空にも鳥影が全くない。
●調査日 2011年8月30日 快晴、微風
<調査結果>
(1)アオサギ1 (2)アオゲラ1 (3)ヒヨドリ11 (4)シジュウカラ2 (5)ムクドリ10± (6)オナガ1 (7)ハシボソガラス2 (8)ハシブトガラス6
<備考>・日差しが強く残暑が残るが、何となく?秋の気配を感じる朝であった。
・あずまや池を囲む木々の樹冠部にアオサギが休んでいた。するとハシブトガラスが次々と4羽、アオサギの脇や頭上を通過する。威嚇のようであるが、アオサギは平然としていた。
・アオゲラは、ケッ、ケッと鳴きながら林内を通過する。本日は、ヒヨドリの声もなく、ガビチョウも鳴かないので、アオゲラの声が大きく聞こえた。今は鳥の鳴き声がほとんど聞こえない季節である。
お知らせ より鳥みどり観察会(29)
『日影沢・城山 鳥見ハイク』
日 時 9月25日(日) 雨天中止
集 合 JR高尾駅北口改札口 8時
解 散 同駅 15時ころ
持ち物 筆記用具、あれば双眼鏡
参加費 大人300円 小中学生100円
※詳細は、「観察会」ページをご覧下さい