金子凱彦の野鳥調査  49
                                      日野の自然を守る会 金子凱彦

●東豊田緑地保全地域の野鳥調査
<調査地とコース>
 同保全地域は日野市のほぼ中央部に細長く広がる日野台地の段丘崖の一部で、1975年に東京都により緑地保全地域に指定されました。東豊田3丁目、多摩平2丁目、7丁目に隣接した黒川清流公園、多摩平第6公園、清水谷公園の約60,000uの雑木林です。黒川清流公園の崖下には数カ所から湧水が流れており、池が4カ所あります。東から「ひょうたん池」、「大池」、「わきみず池」、「あずまや池」の名が付いています。
 調査は黒川清流公園の東端の中央線脇にあるひょうたん池から西へ黒川防災広場(汚水処理場跡地)、第6公園、山王下公園、清水谷公園の池まで約1.7kmのコースを1時間で歩き、その間に出現した野鳥の種類と数を記録します。


黒川清流公園内の表示板に説明を増やし作成

調査日 2011年11月7日 快晴、まったく風なし

<調査結果>
(1)アオサギ1  (2)マガモ1♀  (3)カルガモ13  (4)キジバト2  (5)アオゲラ1  (6)キセキレイ1  
(7)ヒヨドリ18  (8)モズ1  (9)ウグイス1  (10)ヤマガラ3  (11)シジュウカラ24  
(12)ムクドリ12+ (13)オナガ13+  (14)ハシボソガラス1   (15)ハシブトガラス1  (16)ドバト3  
(17)ガビチョウ1


<備考>
・大池に突き出た枝にアオサギが止まり、水面をうかがっていた。いずれ池に入るのであろう。かつて、あずまや池の手すりに止まっていた若いゴイサギが、魚をねらって頭から池に飛び込んだことがあったが、アオサギは体型からいって無理であろう。ちなみに大池の深さは一番深いところで、アオサギの腰あたりである。以前は夕方や夜間に大池にいるアオサギを見たが、最近は昼間でもその姿を見るようになった。大胆になったものだと感心する。
・本年の黒川清流公園(大池)のマガモ(1♀)の初認は11月5日である。本日も雌1羽を観察する。
・ウグイスの笹鳴き(地鳴き)を聞く。初認になるが、通過の可能性もある。
・ヤマガラ3羽、シジュウカラ4〜5羽の緩やかな混群が目の前を通過する。まだエナガは混じっていなかった。
・防災広場の桜の木でムクドリが騒がしく鳴き騒いでいた。木の実を食しているようである。
・マンションの屋上に止まるドバトの影を3羽見るが、最近は本調査においてはいたって少なくなった。

調査日 2011年11月14日 快晴、無風

<調査結果>
(1))マガモ1♀  (2)カルガモ13  (3)キジバト4   (4)カワセミ1  (5)キセキレイ1  (6)ヒヨドリ8  
(7)モズ2(1♂)  (8)ヤマガラ2  (9)シジュウカラ10± (10)ムクドリ10± (11)ハシボソガラス3 
(12)ハシブトガラス2  (13)ドバト5


<備考>
・昨日(11/10)、大池でマガモの雄(エクリプス)1羽を確認する。ただ本日はその姿がなかった。
・ヒヨドリが急に少なくなる。騒がしい鳴き声も聞かなかった。
・ひょうたん池の多摩平側の人家付近からモズの声が聞こえた。防災広場の雄を含め、本調査地では2羽になる。
・カラ類はヤマガラ2羽、シジュウカラ10羽ほどの群に1回会っただけで少なかった。

調査日 2011年11月21日 快晴、無風

<調査結果>
(1)マガモ2♀  (2)カルガモ15  (3)キジバト4  (4)カワセミ1  (5)キセキレイ1  (6)ヒヨドリ16  
(7)モズ1  (8)ヤマガラ3  (9)シジュウカラ12+  (10)メジロ1   (11)カシラダカ10±   
(12)カワラヒワ3  (13)ムクドリ2  (14)ハシボソガラス1  (15)ハシブトガラス3  (16)ドバト3  
(17)ガビチョウ2


<備考>
・マガモの雌は11/15より2羽になる。
・第2コーポ前、多摩平側の林からモズの声がする。防災広場の雄モズとの関係は不明だが、同じモズの可能性もある。なお広場では本日モズを確認していない。
・わきみず池北側のブッシュや林でシジュウカラ、ヤマガラ、メジロそしてカシラダカの・群れに遭遇する。さらに大ケヤキの天辺に飛来したカワラヒワ3羽も見る。
・カシラダカは今秋初で、地味な色彩であるが胸の白、茶、黒のパターンが朝日を浴びて鮮やかに見えた。

調査日 2011年11月27日 くもりのち晴れ、無風

<調査結果>
(1)アオサギ2  (2)マガモ2♀  (3)カルガモ12  (4)オオタカ1  (5)キジバト4  (6)カワセミ1   
(7)コゲラ1  (8)ヒヨドリ17  (9)モズ1  (10)ジョウビタキ1♂  (11)ウグイス1  (12)エナガ1  
(13)ヤマガラ1   (14)シジュウカラ10±   (15)ハシボソガラス3   (16)ハシブトガラス4  
(17)ガビチョウ2


<備考>
・山王下公園の水路にアオサギ1羽がたたずんでいた。水辺で採食か?餌はあるのか? 飛び立たせてはいけないので公園には入らずに、清水谷公園の池に向かった。もう1羽のアオサギは多摩平から平山方向への上空通過である。
・大池のマガモは相変わらず雌2羽である。過去の11月下旬のマガモの記録をみると……
10年11月26日・5羽(2♂3♀)、09年11月28日・8羽(4♂4♀)、08年11月23日・13羽(7♂6♀)、07年11月27日・21羽(11♂10♀)であった。
・調査終了直後に、カラス10羽ほどに追われるオオタカの姿を、東豊田側から見る。多摩平2丁目上空を旋回したようだ。一昨年は黒川の林の斜面でオオタカがドバトを食していた。近年、黒川周辺でもオオタカの姿を見るようになる。
・清水谷公園わきのTVアンテナで、やっとジョウビタキを観察する。
・シジュウカラ10羽ほどの群れに、ヤマガラ、エナガ各1羽を発見するが、もっといたかは不明である。同時にコゲラの声を聞く。なおエナガは今秋、初めての記録である。
・シジュウカラは上記の群れ1回だけであった。ほかでは声も姿もなかった。最近シジュウカラが少なくなったように思えるが…、今冬は気を付けて調査をしなければならない。

お知らせより鳥みどり観察会(25)
『よくばりバードウォーキング2011』
日 時  12月18日(日) 雨天中止
集 合  JR八王子駅北口 11番バス停 午前9時
解 散  JR拝島駅 15時ころ
持ち物  昼食、筆記用具、あれば双眼鏡
参加費  大人300円 小中学生100円
※詳細は、「日野の自然を守る会」のホームページをご覧下さい







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