金子凱彦の野鳥調査  51
                                      日野の自然を守る会 金子凱彦

●東豊田緑地保全地域の野鳥調査
<調査地とコース>
 同保全地域は日野市のほぼ中央部に細長く広がる日野台地の段丘崖の一部で、1975年に東京都により緑地保全地域に指定されました。東豊田3丁目、多摩平2丁目、7丁目に隣接した黒川清流公園、多摩平第6公園、清水谷公園の約60,000uの雑木林です。黒川清流公園の崖下には数カ所から湧水が流れており、池が4カ所あります。東から「ひょうたん池」、「大池」、「わきみず池」、「あずまや池」の名が付いています。
 調査は黒川清流公園の東端の中央線脇にあるひょうたん池から西へ黒川防災広場(汚水処理場跡地)、第6公園、山王下公園、清水谷公園の池まで約1.7kmのコースを1時間で歩き、その間に出現した野鳥の種類と数を記録します。


黒川清流公園内の表示板に説明を増やし作成

調査日 2012年1月2日 快晴、無風

<調査結果>
1)マガモ7(4♂3♀)  (2)カルガモ14  (3)キジバト8 (4)カワセミ1♀ (5)キセキレイ1  
(6)ハクセキレイ1  (7)ヒヨドリ18  (8)モズ1  (9)シジュウカラ16 (10)メジロ7  (11)ムクドリ5  
(12)ハシボソガラス6  (13)ハシブトガラス2  (14)ドバト6


<備考>
・マガモの雄は昨日まで2羽であったが、本日は4羽になった。新顔の2羽は池の隅にいてほかのマガモとカルガモの
 群の中には入っていない。
・わきみず池でカワセミの雌を観察する。下の嘴の赤(オレンジ色ぽい)が朝日を浴びて鮮やかに見えた。黒川ではどち
 らかといえば雄の姿を見ることが多いが…、今年は雌が定着するのか?
・防災広場からモズの声が聞こえたが姿は確認できなかった。
・シジュウカラは7羽と5羽の群を観察したが、混群ではなく単独の群である。
・本日が私のニューイヤーカウントになる。ちなみに昨年(2011年)の1月2日は21種でジョウビタキ、ツグミ、ウグイス、
 エナガ、ヤマガラ、アオジ、カワラヒワを記録したが今年はない。

調査日 2012年1月3日 くもりのち晴れ、無風

<調査結果>
(1)マガモ7(4♂3♀) (2)カルガモ11 (3)キジバト8  (4)カワセミ1♀ (5)ハクセキレイ4  
(6)ヒヨドリ7  (7)シロハラ1  (8)ウグイス1  (9)シジュウカラ15±  (10)メジロ3    
(11)ムクドリ1 (12)オナガ1 (13)ハシボソガラス5 (14)ハシブトガラス3 (15)ドバト2


<備考>
・大池でカワセミの雌を観察する。水面上空でホバリングし池に飛び込むが、空振りで魚は捕れなかった。一時岸辺
 の杭に止まり、水路をわきみず池方向に飛び去る。
・シジュウカラはわきみず池周辺で15羽ほどの群を見るが、単独の種群であった。
・清水谷公園の林からオナガの声が1回聞こえたが、姿はわからず羽数も不明だ。
・東端のひょうたん池から大池までの雑木林では鳥の声も姿もなく、“沈黙の黒川”であった。前日の1/2も同様で
 ある。

調査日 2012年1月8日 快晴、無風

<調査結果>
(1)アオサギ1  (2)マガモ7(4♂3♀)  (3)カルガモ17  (4)キジバト2 (5)コゲラ2  
(6)ハクセキレイ1  (7)ハクセキレイ2  (8)ヒヨドリ10  (9)ツグミ1  (10)ウグイス1  
(11)エナガ1 (12)ヤマガラ2  (13)シジュウカラ7  (14)メジロ5  (15)オナガ15+  
(16)ハシボソガラス1  (17)ハシブトガラス2  (18)ドバト8   (19)ガビチョウ3


<備考>
・やっと?ツグミ1羽を観察する。地面からケヤキの枝に飛び移り、一声も発せず林の奥へ姿を消す。あっけない出会
 いであった。なお昨年(2011年)の1月9日には10羽のツグミを数えている。今年はツグミが少ないようである。
・高木のケヤキの樹冠部で採食しているエナガ、ヤマガラを発見するが、遠くて数は不明である。

調査日 2012年1月15日  くもりのちはれ、風はないが寒い
  本日は、日野の自然を守る会主催・より鳥みどり観察会(25)「黒川清流公園ニューイヤーカウント2012」の
  結果であった。以下はその時の記録である。

<調査結果>
(1)マガモ7(4♂3♀)  (2)カルガモ22  (3)ハヤブサ1  (4)キジバト6  (5)アオゲラ1
(6)コゲラ1  (7)キセキレイ1   (8)ハクセキレイ2  (9)ヒヨドリ20+   (10)モズ1♂   
(11)ジョウビタキ1  (12)ウグイス1  (13)エナガ4  (14)ヤマガラ1 (15)シジュウカラ15  
(16)メジロ10 (17)カシラダカ10  (18)カワラヒワ45  (19)シメ1 (20)ムクドリ5  
(21)ハシボソガラス2  (22)ハシブトガラス5  (23)ドバト30 (駅前) (24)ガビチョウ1


<参考> 昨年(2011年)の1月15日(ニューイヤーカウント)調査結果
(1)マガモ5(2♂3♀)  (2)カルガモ7  (3)キジバト10  (4)カワセミ1♂  (5)アオゲラ1  (6)コゲラ3  
(7)キセキレイ1 (8)セグロセキレイ1  (9)ヒヨドリ10+ (10)モズ2(♂♀)  (11)ジョウビタキ1  
(12)ツグミ5+  (13)ウグイス2  (14)シジュウカラ10+  (15)メジロ10+ (16)カシラダカ50  
(17)アオジ1  (18)カワラヒワ40  (19)マヒワ2  (20)スズメ1  (21)ムクドリ6  (22)オナガ20  
(23)ハシブトガラス2  (24)ドバト2

<備考>
詳細については会報及びHPの「日野の自然」2月号をご覧ください。

調査日 2012年1月19日 くもり、無風、寒い

<調査結果>
1)マガモ7(4♂3♀)  (2)カルガモ23  (3)キジバト12 (4)アオゲラ1 (5)コゲラ1   
(6)キセキレイ1   (7)ハクセキレイ3  (8)ヒヨドリ9  (9)モズ1  (10)シロハラ1     
(11)ウグイス1  (12)エナガ1  (13)ヤマガラ1  (14)シジュウカラ19+  (15)メジロ23± 
(16)アオジ1  (17)ムクドリ7  (18)ハシボソガラス5  (19)ハシブトガラス4 (20)ドバト7 
(21)ガビチョウ2


<備考>
・カルガモは大池12羽、わきみず池6羽、あずまや池5羽と、今冬最も多かった。
・水辺から離れた多摩平第6公園の地面で、キセキレイが盛んに採食していた。一瞬ハクかと思ったが本種であった。
・大池北側の多摩平側からモズの声が聞こえてきた。ひょうたん池周辺の個体(♀)と同じなのか?姿を確認できずわ
 からない。ただこの周辺で♂の姿を見たとも聞いているが。
・シジュウカラ、メジロ、エナガ、ヤマガラ、コゲラの混群に第2コーポラス前の林で遭遇する。シジュウカラ(10+)、
 メジロ(メジロ±)以外は1羽であったが、移動が早く正確な数は不明である。
・わきみず池の東側のブッシュでアオジ、シロハラの姿を見る。毎年やって来る場所である。

調査日 2012年1月24日 快晴、無風  

<調査結果>
(1)マガモ9(5♂3♀)  (2)カルガモ14 (3)コゲラ1 (4)ハクセキレイ1  (5)ヒヨドリ6    
(6)ヤマガラ2  (7)シジュウカラ2 (8)メジロ5  (9)ムクドリ1 (10)ハシブトガラス2               (11)ガビチョウ1


<備考>
前夜から朝方まで雪が降った。林は一面の銀世界で、バインダーに挟んだ観察用紙に、木々の枝に着いた雪の水滴
が頭上から降り注ぐ。鳥たちを期待したが、少なかった。

調査日 2012年1月29日 快晴、微風、寒い

<調査結果>
(1)マガモ8(5♂3♀)  (2)カルガモ18  (3)キジバト4 (4)アオゲラ1 (5)コゲラ1 
(6)ハクセキレイ1  (7)ヒヨドリ10  (8)ジョウビタキ1♀  (9)ツグミ2 (10)ウグイス1  
(11)エナガ2  (12)ヤマガラ1  (13)シジュウカラ54± (14)メジロ3  (15)カワラヒワ2  
(16)ムクドリ20± (17)ハシボソガラス1 (18)ハシブトガラス2 (19)ドバト6


<備考>
・やっと?黒川公園の東端でジョウビタキを1羽確認する。雌だった。このほかにわきみず池周辺に、同じく雌が姿を現
 すと聞くが、私は観察していない。
・黒川公園東端の入り口で20羽ほど、わきみず池で30羽ほどのシジュウカラの群を観察する。ほとんどの個体が地面
 に下りて採食していた。
・小さな声であったが、シジュウカラの囀りを聞く。
・南側のマンションから20羽ほどのムクドリが次々に林に入るのを見る。林内に残るしおれた柿に群がっていた。傍の太
 いクヌギにアオゲラの姿を見る。柿に近づきたいのだが、ムクドリに恐れをなして?近づけないようであった。


お知らせ
より鳥みどり観察会(27)
『冬の野鳥と生き物たちの冬越し』
※詳細は、観察会ページをご覧下さい






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