金子凱彦の野鳥調査  55
                                      日野の自然を守る会 金子凱彦

●東豊田緑地保全地域の野鳥調査
<調査地とコース>
 同保全地域は日野市のほぼ中央部に細長く広がる日野台地の段丘崖の一部で、1975年に東京都により
緑地保全地域に指定されました。東豊田3丁目、多摩平2丁目、7丁目に隣接した黒川清流公園、多摩平
第6公園、清水谷公園の約
60,000uの雑木林です。黒川清流公園の崖下には数カ所から湧水が流れてお
り、池が4カ所あります。東から「ひょうたん池」、「大池」、「わきみず池」、「あずまや池」の名が付いています。

調査は黒川清流公園の東端の中央線脇にあるひょうたん池から西へ黒川防災広場(汚水処理場跡地)、
第6公園、山王下公園、清水谷公園の池まで約
1.7kmのコースを1時間で歩き、その間に出現した、
野鳥の種類と数を記録します。


黒川清流公園内の表示板に説明を増やし作成

調査日 2012年5月4日 くもり、無風

<調査結果>
(1)アオサギ1 OH※ (2)カルガモ1 (3)キジバト3 (4)ヒヨドリ5 (5)ウグイス1
(6)シジュウカラ6 (7)メジロ1 (8)ムクドリ6 (9)ハシボソガラス1 (10)ハシブトガラス2
(11)ドバト3 (12)ガビチョウ1  
※OHはオーバーヘッド(上空通過)以後この表示を使用する 

<備考>
・雨の合間の何となくあわただしいセンサスであった。キビタキを期待して、あえて黒川に出たが出会えな
 かった。
・アオサギは南から北側の多摩平方向への上空通過である
・防災広場わきに立つ、青葉の茂る桜の木でメジロが盛んに囀っていた。

調査日 2012年5月5日 はれ、無風

<調査結果>
(1))アオサギ1 OH (2)カルガモ3 (3)キジバト5 (4)ヒヨドリ4 (5)ウグイス1 
(6)キビタキ1 (7)ヤマガラ1 (8)シジュウカラ8 (9)メジロ1 (10)スズメ1 
(11)ムクドリ3 (12)ハシボソガラス1 (13)ハシブトガラス2 (14)ドバト5 
(15)ガビチョウ1


<備考>
・私より先を歩いていたバードウォッチャーの女性2人から、第2コーポラス前の林で先ほどまでキビタキと
 センダイムシクイが囀っていたと聞き、しばらく現場にたたずむがピッタリ声は聞こえなくなった。
・上記にてチラッとヤマガラ1羽を目視する。4月にも観察の記録があり、多分!付近で繁殖をしているので
 あろうが、黒川では巣立ちヒナ等の繁殖の確証がない。
・本日もウグイスが囀っている。繁殖をしているのか。
・本日も防災広場の桜の木からメジロの声が聞こえる。繊細で心和む囀りである。ただ木の下を通る人たち
 は誰一人メジロの声に気づかない。
<追記>調査終了後、第2コーポラス前の林でキビタキの声を聞いたので本日の記録に入れた。


調査日 2012年5月9日 くもり、無風

<調査結果>
(1)カルガモ5 (2)キジバト3 (3)ヒヨドリ8 (4)ウグイス1 (5)シジュウカラ4 
(6)メジロ1 (7)スズメ1 (8)オナガ1 (9)ハシボソガラス1 (10)ハシブトガラス3 
(11)ドバト8 (12)ガビチョウ1


<備考>
・大池でカルガモ4羽を観察する。急に増えた。
・ウグイスは黒川では確認できず、清水谷公園の池わきのブッシュで囀っていた。同公園では初め聞く。
 調査終了後、黒川で声を聞くが同じ雄かは不明なので記録は2羽とする。黒川公園の東端から西の外れま
 で1羽が移動していると推測するが(ウグイスは一夫多妻で、雌のいるテリトリー内を移動しながら囀る)、
 清水谷公園までテリトリーなのかは不明である(同時に2カ所で確認できればよいのだが…、その内に確か
 めよう)ヤマガラ同様にウグイスの繁殖も黒川では確認されていない。
・本日も同じ所メジロが囀っていた。


調査日 2012年5月24日 快晴、無風
  
<調査結果>
(1)カルガモ5 (2)キジバト7 (3)コゲラ1 (4)ヒヨドリ4 (5)ウグイス1 
(6)シジュウカラ17± (7)ムクドリ8 (8)オナガ1 (9ハシブトガラス3 (10)ドバト5 
(11)ガビチョウ3

<備考>
・昨日(5/23)わきみず池にカルガモのヒナ2羽が姿を現したと聞く。本日期待してわきみず池に行くが、
 池の前の水路で親と思われるカルガモ2羽の姿を見るだけで、ヒナの姿はなかった。カラスやネコに捕食され
 てしまったのであろう。自然の摂理といいながら痛ましい。
 なお5月21日に近所の人がカルガモのヒナ3羽をひょうたん池で見ているが、ここも2日後には姿を消した。
 黒川はカルガモの繁殖にとって厳しい環境である。
・久しぶりにコゲラを確認するが、単独の行動であった。繁殖を確認したいのだが…。
・シジュウカラは成鳥5羽の群れと幼鳥が多数含まれる10羽ほどの群に出会う。毎年5月下旬にはシジュウカラ
 の家族群を見る。
・オナガは林内を1羽で行動していた。前回(5/18)も1羽での行動を観察している。


調査日 2012年5月31日 はれ

<調査結果>
(1)アオサギ1 OH 2)カルガモ4 (3)キジバト4 (4)アオゲラ1 (5)ヒヨドリ11 
(6)ウグイス1 (7)シジュウカラ1 (8)ムクドリ (9)オナガ12+ (10)ハシボソガラス4 
(11)ハシブトガラス2 (12)ガビチョウ3


<備考>
・調査している私の速度に合わせるように、大池の西側、わきみず池、あずまや池とウグイスの囀りが移って
 来た。
 同じ雄のようである。この1羽の雄が黒川公園の全域をテリトリーにしているのか。そして繁殖は?
・シジュウカラは声を1回聞いただけで、あとは全く観察できなかった。いるはずなのだが…。

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