金子凱彦の野鳥調査  56
                                      日野の自然を守る会 金子凱彦

●東豊田緑地保全地域の野鳥調査
<調査地とコース>
 同保全地域は日野市のほぼ中央部に細長く広がる日野台地の段丘崖の一部で、1975年に東京都により
緑地保全地域に指定されました。東豊田3丁目、多摩平2丁目、7丁目に隣接した黒川清流公園、多摩平
第6公園、清水谷公園の約
60,000uの雑木林です。黒川清流公園の崖下には数カ所から湧水が流れてお
り、池が4カ所あります。東から「ひょうたん池」、「大池」、「わきみず池」、「あずまや池」の名が付いています。

調査は黒川清流公園の東端の中央線脇にあるひょうたん池から西へ黒川防災広場(汚水処理場跡地)、
第6公園、山王下公園、清水谷公園の池まで約
1.7kmのコースを1時間で歩き、その間に出現した、
野鳥の種類と数を記録します。


黒川清流公園内の表示板に説明を増やし作成

調査日 2012年6月8日 晴れ、無風

<調査結果>
(1)カルガモ8  (2)キジバト2  (3)ヒヨドリ7  (4)ウグイス2  (5)シジュウカラ7  
(6)ムクドリ2 (7)オナガ4  (8)ハシボソガラス1 (9)ハシブトガラス3  (10)ドバト5  
(11)ガビチョウ2  


<備考>
・あずまや池でカルガモのヒナを観察する。6月4日に8羽が孵化したようであるが、同日の夕方には7羽になり、本日は5羽であった。
・清水谷公園池わきでウグイスの囀りを聞く。調査終了後にひょうたん池で聞く。別個体であろう。本年は本調査地で2羽のウグイスが繁殖しているようである。

あずまや池(2012.6.10)撮影:金子

調査日 2012年6月17日 くもり、無風

<調査結果>
(1))カルガモ9  (2)ツミ1  (3)キジバト5  (4)ヒヨドリ12  (5)ウグイス1  
(6)シジュウカラ5  (7)ムクドリ1 (8)オナガ4  (9)ハシボソガラス1  
(10)ハシブトガラス2  (11)ガビチョウ2


<備考>
・カルガモのヒナは4羽になった。網状のネットで四方を囲み、天井もネットで被われているわさび畑に潜り込んで、この家族は採食していた。ここなら安全であるが、畑の持ち主はどのような考えか心配になる。
・ツミの声を聞く。
・シジュウカラはいたって少なく、わきみず池の奥の薮でかろうじて4〜5羽の成鳥の群を観察したのみで、他の所では1回も確認できなかった。
<余談>
昨夜(6/16)8時半ごろわきみず池にホタルを見に行った。すでにギャラリーが20人ほど来ていた。5〜6匹ホタルが飛び、子供たちから歓声の声が上がる(いや大人からも)。さらに大池西側の湧水にも多数のホタルが舞っていた。真暗な湧水の奥を飛ぶホタルの光に、何か神秘的なものを感じた。


調査日 2012年6月27日 はれ、無風

<調査結果>
(1))カルガモ10  (2)キジバト3  (3)アオゲラ1  (4)ヒヨドリ5  (5)ウグイス1   
(6)シジュウカラ54±  (7)スズメ1  (8)ムクドリ1 (9)オナガ5+  
(10)ハシボソガラス3  (11)ハシブトガラス3  (12)ドバト1  (13)ガビチョウ2


<備考>
・カルガモのヒナ4羽は無事であった。久しぶりで見るとヒヨコの顔付きから幼鳥の顔付きに成長していた。無事に池から飛び立てる事を祈るばかりである。
・ウグイスは相変わらず元気に囀っていた。
・わきみず池の奥(多摩平側)、中央階段を東から西に横切るシジュウカラたちに遭遇する。50羽ほどの群で幼鳥も多数含まれていた。

あずまや池(12.6.28)撮影:金子

<追記>
6月28日、浅川・一番橋の真下を上流に向かうカルガモのファミリーに出会う。あずまや池の幼鳥よりずっと大きく、その数は13羽であった。母ガモを先頭に必死で急流を上っていく子供たちに、あずまや池のカモより野性味を感じる。危険の多い野外で12羽がよくぞここまで育ったかと、母親の知恵、気配りに敬服した。あずまや池のカモたちも池から飛び立てるまで無事でいて欲しいものだ。

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