金子凱彦の野鳥調査  58
                                      日野の自然を守る会 金子凱彦

●東豊田緑地保全地域の野鳥調査
<調査地とコース>
 同保全地域は日野市のほぼ中央部に細長く広がる日野台地の段丘崖の一部で、1975年に東京都により
緑地保全地域に指定されました。東豊田3丁目、多摩平2丁目、7丁目に隣接した黒川清流公園、多摩平
第6公園、清水谷公園の約
60,000uの雑木林です。黒川清流公園の崖下には数カ所から湧水が流れてお
り、池が4カ所あります。東から「ひょうたん池」、「大池」、「わきみず池」、「あずまや池」の名が付いています。

調査は黒川清流公園の東端の中央線脇にあるひょうたん池から西へ黒川防災広場(汚水処理場跡地)、
第6公園、山王下公園、清水谷公園の池まで約
1.7kmのコースを1時間で歩き、その間に出現した、
野鳥の種類と数を記録します。


黒川清流公園内の表示板に説明を増やし作成

調査日 2012年8月5日 快晴、無風、真夏日

<調査結果>
(1)カルガモ17  (2)キジバト2  (3)アオゲラ3 (4)コゲラ1 (5)ヒヨドリ10 (6)シジュウカラ15±
(7)ムクドリ3  (8)オナガ1  (9)シボソガラス1  (10)ハシブトガラス3  (11)ドバト6  
(12)ガビチョウ2  


<備考>
・山王下公園でコゲラの幼鳥1羽観察する。同じく幼鳥のジュウカラ2羽と行動を共にしていた。コゲラの観察は久しぶりである。
・ひょうたん池の西側で3羽のアオゲラを確認するが、2羽は幼鳥のようであった。3羽まとまって?行動していた。
ヒヨドリは3〜4羽の幼鳥を観察する。

調査日 2012年8月17日 晴れ、無風、蒸し暑い

<調査結果>
(1)カルガモ6  (2)ヒヨドリ3  (3)シジュウカラ3  (4)メジロ10± (5)ハシブトガラス2  
(6)ドバト10  (7)ガビチョウ2


<備考>
・カルガモのファミリーは前回(8/5)観察できたが、本日は姿なし。大池を離れたのであろう。
・わきみず池東側をせわしげに移動するメジロの群れを観察する。鳥の少ない日だったので、メジロの色彩や行動がとても華やかに感じた。
・ひょうたん池わきで採食していたドバトが一斉に飛び立ち、池脇の葉の茂る梢に入る。カンカン照りなので日陰を求めて木陰に逃げ込んだのか、と想像した。
・本日はウグイスの声を聞かない。本調査地での終認は8月4日である。本年は繁殖していたと推測するが、巣やヒナ等の確認できなかった。

<備考>
カルガモ親子で有名になった大手町のカルガモと比較しながら、黒川公園のカルガモ親子の巣立ちまでを記す。なお本年は黒川公園内のひょうたん池とわきみず池でもカルガモの孵化があったが、1〜2日でヒナたちはすべて姿を消してしまった。捕食されたのであろう。

<大手町のカルガモの記録>1984年
5月11日、大手町・三井物産本社の人工池でカルガモのヒナ9羽が生まれる。
6月15日 カルガモ親子10羽が道路を横切りお濠に引っ越す(孵化してから約1ヶ月後)。
      引っ越し直後に5羽のヒナがお濠で消える。捕食されたようである。
7月17日 母カモは3羽の子を連れて飛び立つ。子ども1羽がお濠に取り残される。
7月27日 10日後に母子4羽が飛来し、残っていた1羽と共にお濠から飛び立つ。この日を最後に2度とファミリーを見ることはなかった。
※ヒナが孵化してから47日目に3羽が、57日目に残りの1羽が飛び立つ
        <資料>東京新聞出版局刊「飛べ カルガモの子よ」より
        
<黒川清流公園のカルガモの記録>2012年
6月 4日 あずまや池でカルガモのヒナ8羽が孵化するが、夕方には7羽になる。
      さらに6/5には5羽、6/6には4羽になってしまった。
7月 6日 カルガモファミリー(親1羽、幼鳥4羽)が大池に姿を現す。孵化してから約1ヶ月後である。その後あずまや池やわきみず池でもファミリーの姿を見かけるようになる。
※大手町のカルガモも1ヶ月ほどしてから、人工池からお濠に移動した。
8月 4日 ファミリーが大池の縁(道路側)で休息。母カモは首を伸ばし警戒しているが、子どもたちは安心しきって?寝ている。カメラを向けても動かない。
8月 7日 大池にカルガモ2羽が着水する。この2羽は池にいた2羽と共に4羽で行動を共にする。ファミリーの子たちであろう。また足指はまだ成鳥のような濃いオレンジ色ではないので成鳥との区別は付く。母カモもまだ一緒に行動していた。
大手町のような毎日の観察ではないので、正確な記録はとれなかったが、約2ヶ月で飛び立てるようになった。賢い母カモのおかげで、本年は4羽が無事池を離れることができることであろう。


調査日 2012年8月23日 快晴、無風、朝からカンカン照り

<調査結果>
(1)カルガモ4  (2)キジバト2  (3)ヒヨドリ8  (4)シジュウカラ4 (5)ハシブトガラス1  
(6)ハシブトガラス1  (7)ドバト9  (8)ガビチョウ5


<備考>
・いたって鳥影が少ない。第2コーポ前の湧水でシジュウカラを観察するが、それ以外ではシジュウカラの姿もなかった。

調査日 2012年8月28日 はれ、無風

<調査結果>
(1)カルガモ3  (2)キジバト3  (3)ヒヨドリ7  (4)シジュウカラ5 (5)オナガ1 
(6)ハシボソガラス3  (7)ハシブトガラス2  (8)ドバト5  (9)ガビチョウ2


<備考>
今回も鳥がいたって少ない。これも調査だが、いささか暑く参る。

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