金子凱彦の野鳥調査  60
                                      日野の自然を守る会 金子凱彦

●東豊田緑地保全地域の野鳥調査
<調査地とコース>
 同保全地域は日野市のほぼ中央部に細長く広がる日野台地の段丘崖の一部で、1975年に東京都により
緑地保全地域に指定されました。東豊田3丁目、多摩平2丁目、7丁目に隣接した黒川清流公園、多摩平
第6公園、清水谷公園の約
60,000uの雑木林です。黒川清流公園の崖下には数カ所から湧水が流れてお
り、池が4カ所あります。東から「ひょうたん池」、「大池」、「わきみず池」、「あずまや池」の名が付いています。

調査は黒川清流公園の東端の中央線脇にあるひょうたん池から西へ黒川防災広場(汚水処理場跡地)、
第6公園、山王下公園、清水谷公園の池まで約
1.7kmのコースを1時間で歩き、その間に出現した、
野鳥の種類と数を記録します。


黒川清流公園内の表示板に説明を増やし作成

調査日 2012年10月1日 雲一つない快晴、微風、日差し強い

<調査結果>
(1)カルガモ19  (2)キジバト2  (3)コゲラ2  (4)ヒヨドリ24±  (5)ヤマガラ3  
(6)シジュウカラ15±  (7)シボソガラス2  (8)ドバト15  (9)ガビチョウ6 
(10)ムシクイ類! 


<備考>
○昨日の夜半に台風17号が通過し、本日は台風一過の青空になる。ただ日差しが強く、残暑を思わせる
 (日昼は31℃になる)。10月最初のセンサスである。何が出るやら…。
○朝日を浴びた木々の梢を飛び交うムシクイの類を発見するが種名は分からない。秋の渡りであろう。
  春にはセンダイムシクイがよく通過するのであるが…。
○ヒヨドリが林内で騒がしく鳴き騒いでいた。この鳴き声はしばらくするとピッタリ止む。林から飛び立ったの
 であろうが、林内ではまだ葉が多く、上空に出た群を見ることができない。渡りのためにヒヨドリの群がい
 くつも黒川の林に立ち寄るようだ。本日は24羽であったが、ヒヨドリの記録は9/25は5羽、9/22は1羽、
 9/14は8羽、9/8は2羽、9/2は18羽であった。やはり本日は多い数である。
○シジュウカラ10羽ほど、コゲラ2羽、ヤマガラ3羽の群れに遭遇するが、混群のような統一の取れた行動で
 はなかった。

調査日 2012年10月12日 はれ、無風

<調査結果>
(1)カルガモ27  (2)カワセミ1  (3)コゲラ1   (4)ヒヨドリ65+  (5)モズ1  
(6)ヤマガラ1 (7)シジュウカラ7  (8)スズメ1   (9)オナガ9  (10)ハシボソガラス5
(11)ハシブトガラス4  (12)ドバト8  (12)ガビチョウ4


<備考>
○久しぶりにカワセミが大池に現れる。今秋は10/10の朝に初めて姿を見る。
○ヒヨドリの秋の渡りが始まっている。黒川公園の稜線を15羽、10羽、5羽、の群が次々に南西方向に飛ぶ。
 黒川を出たヒヨドリたちが、清水谷公園から豊田駅前まで一直線に飛び、中央線の線路を南の方向(平山
 方向)へ越えるのを、たびたび観察している。
○防災広場からモズの高鳴が聞こえたが姿を確認することは出来なかった。この防災広場では10/7に初
 めてモズを確認している。
○防災広場脇の常緑樹からスズメの鳴き声がしていたが、数は不明なので1羽とした。本調査地でスズメの
 姿を見るのはいたって少ない。

調査日 2012年10月21日 はれ、風なし

<調査結果>
(1)カルガモ24  (2)キジバト1  (3)アオゲラ1   (4)キセキレイ1 (5)ヒヨドリ73±
(6)モズ2(♂1)  (7)キビタキ1♀  (8)シジュウカラ2  (9)スズメ1  (10)ムクドリ1
(11)オナガ1   (12)ハシボソガラス6  (13)ハシブトガラス5  (14)ドバト15  
(15)ガビチョウ1


<備考>
○ヒヨドリは秋の渡りの真最中のようである。20羽ほどの群が黒川の調査地から中央線方向(南側)へ飛ぶ
 のを2回観察する。さらに5〜6羽が稜線を南西方向に飛ぶのをたびたび観察する。林内では数カ所で騒が
 しく群でヒヨドリが鳴いていた。
 渡りのルートは2ツあるようだ。黒川公園から一気に中央線上空に出て南に向かうルートと、林に沿って
 黒川→清水谷公園→中央線豊田駅→線路を越え南に向かうコースのようだ。
○キセキレイは秋から冬にかけて、黒川ではよく見ることのできる水辺の鳥である。時には2羽のこともある。
○第2コーポラス屋上に突き出た避雷針?の天辺で鳴いているモズを確認する。遠すぎて双眼鏡では雌雄
 不明である。さらに防災広場わきの人家のTVアンテナで鳴いているモズを発見する。雄であった。今のと
 ころ本調査地では、2羽のモズが冬に備えてテリトリーを作っているようだ。
○山王下公園でキビタキの雌を1羽観察する。単独で行動していた。実は10/7にも黒川公園の湧水で水
 浴びをしていたキビタキの雌を観察している。
○カラ類には全くと言っていいほど出会わない。10/16にはエナガ15羽ほどの群が、わきみず池周辺を移
 動していたが、調査ではまだ出会ったことがない。
○大池周辺でオナガが1羽で行動していた。

調査日 2012年10月26日 はれ、風なし

<調査結果>
(1)マガモ1♂  (2)カルガモ18  (3)キジバト1  (4)アオゲラ1  (5)アカゲラ1  
(6)コゲラ2 (7)キセキレイ1  (8)ヒヨドリ50±  (9)モズ1  (10)ヤマガラ1  
(11)シジュウカラ5  (12)ムクドリ2  (13)オナガ7+ (14)ハシボソガラス3  
(15)ハシブトガラス4  (16)ドバト20  (17)ガビチョウ8


<備考>
○大池でマガモ(♂)を観察する。初認である(昨年の初認は11/7であった)。
○ひょうたん池の西側でアカゲラ1羽を観察する。黒川清流公園では<初記録>である。黒と白のコントラス
 トが鮮明で、下腹部の赤が朝日を浴びて鮮やかであった。頭の後部が赤く雄のようである。アオゲラに続き
 黒川でもいずれはアカゲラが現れるのではないか、と期待?していたのであるが、現実になった。移動の途
 中に立ち寄ったのか、それとも留まるのか、今冬は要注意である。本日はアオゲラ、アカゲラ、コゲラの3種
 のキツツキが観察できた。
○ヒヨドリの渡りはまだ続いているようである。
○あずまや池の東側の林からモズがしきりに鳴いていたが、姿は確認できなかった。防災広場の個体であ
 ろうか。なお前回(10/21)のように、第2コーポの屋上にモズが現れなかったので、本日のモズは1羽
 であった。。
○本日もカラ類の群には出会わなかった。
○陽気のせいかガビチョウの姿をたびたび見かけた。足元まで近づいて来た個体もあった。

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