金子凱彦の野鳥調査  61
                               日野の自然を守る会 金子凱彦

●東豊田緑地保全地域の野鳥調査
<調査地とコース>
 同保全地域は日野市のほぼ中央部に細長く広がる日野台地の段丘崖の一部で、1975年に東京
都により緑地保全地域に指定されました。東豊田3丁目、多摩平2丁目、7丁目に隣接した黒川清
流公園、多摩平第6公園、清水谷公園の約
60,000uの雑木林です。黒川清流公園の崖下には数カ所
から湧水が流れており、池が4カ所あります。東から「ひょうたん池」、「大池」、「わきみず池
」、「あずまや池」の名が付いています。
調査は黒川清流公園の東端の中央線脇にあるひょうたん
池から西へ黒川防災広場(汚水処理場跡地)、第6公園、山王下公園、清水谷公園の池まで約
1.7
kmのコースを1時間で歩き、その間に出現した、野鳥の種類と数を記録します。


黒川清流公園内の表示板に説明を増やし作成

調査日 2012年11月4日 雲一つない快晴、無風

<調査結果>
(1)アオサギ1 (2)マガモ3♂ (3)カルガモ21 (4)キジバト2  (5)カワセミ1
(6)アオゲラ1 (7)コゲラ2  (8)キセキレイ1 (9)ヒヨドリ11 (10)モズ1  
(11)ジョウビタキ3(1♂2♀) (12)シジュウカラ16±  (13)メジロ13±  
(14)マヒワ20± (15)スズメ2 (16)ハシボソガラス6 (16)ハシブトガラス1
(17)ドバト5  (18)ガビチョウ1 

<備考>
○山王下公園わきの人家の屋根にアオサギが止まっていた。同公園の小さな水路に降りるつもりで
 あったようだ。
 かつてコサギがこの水路で採食していたことがある。そしてカワセミも飛来した。
○大池のマガモは3羽になった。今日までの記録は… 10月26日<初認>1♂、同28日2♂
 同29日3♂(エクリプス1羽)である。 
○ジョウビタキを初めて確認する。大池で雌、防災広場で雌、山王下公園で雄の計3羽であった。
 なお翌5日にはひょうたん池で雄を観察する。ジョウビタキの勢揃いである。10月30日の前
 回の調査ではジョウビタキはゼロであったので、11月になって一気に?本調査地に飛来したよ
 うである。冬の到来の先駆けのようなロシアからの小鳥たちである。
○第2コーポ東端の庭に植えられている柿の木にメジロ、シジュウカラが群れていた。メジロはか
 細い声で盛んに鳴いていたが、下を通る人は誰も気づかないようであった。ヒヨドリが食した跡
 なのであろうか、半分ほどになった柿の実を、コゲラが1羽でせっせと食していた。時にはハシ
 ボソガラスが飛来することもあり柿の木は鳥たちで賑やかである。
○マヒワ20羽ほどが防災広場内を飛び回っていた。最初カワラヒワかと思ったが、飛翔時におい
 てカワラヒワより小振りであった。久しぶりの到来である。黒川で越冬するか?
○ハシボソが大池からコーポにかけて5〜6羽で騒がしく追いかけあいをしていた。最近付近でよ
 く見かけるシーンである。


調査日 2012年11月13日 くもり、無風

<調査結果>
(1)カルガモ27  (2)カワセミ1  (3)コゲラ1   (4)ヒヨドリ65+  (5)モズ1  
(6)ヤマガラ1 (7)シジュウカラ7  (8)スズメ1   (9)オナガ9  (10)ハシボソガラス5
(11)ハシブトガラス4  (12)ドバト8  (12)ガビチョウ4


<備考>
○落ち葉が敷き詰められた感のある水路わきで、キセキレイを発見する。色づいた黄色い枯れ葉が
 キセキレイの保護色になり、飛び立つまで気が付かなかった。黒川の秋・紅葉が始まった。
○山王下公園でジョウビタキの雄を確認するが、前回観察したひょうたん池の雄、大池の雌、防災
 広場の雌には出会わなかった。
○ウグイスの笹鳴き(地鳴き)を聞き、姿も確認する。昨年の初認は11月8日であった。冬鳥の
 アオジも観察する。秋から冬の季節になった。あとはツグミやルリビタキの飛来を待つのみか?
○本日もシジュウカラ、ヤマガラ、エナガの群れに出会わなかった。エナガの声も聞かなかった。
 やはり今の季節、混群に会わないと寂しい。
○ムクドリ25羽が中央線の電線に飛来し、南側に姿を消した。本調査地ではムクドリの大きな群
 れは見ない。


<その他の記録>
○柿の木(第2コーポ東端)に集まる野鳥たち
 本日はコゲラ2羽、ヤマガラ2羽、シジュウカラ5羽、メジロ10羽ほどの群れが、残り少なく
 なった柿を食べていた。11月11日には15羽ほどのソウシチョウが飛来し、同じく柿を食べ
 ていた。体が小さいためかソウシチョウが近づくとメジロは柿から離れてしまう(譲ってしまう
 )。柿の木の野鳥たちは隣接する黒川公園の雑木林から飛来してはまた戻って行った。なお11
 月5日にはこの柿の木でシロハラを確認している。ツグミより早いとは意外であった。


調査日 2012年11月21日 快晴、無風

<調査結果>
(1)マガモ4♂ (2)カルガモ21 (3)キジバト2 (4)カワセミ1 (5)アオゲラ1  
(6)コゲラ1  (7)キセキレイ2 (8)ヒヨドリ14 (9)ジョウビタキ1♂ (10)ヤマガラ1
(11)シジュウカラ13± (12)メジロ3  (13)スズメ2 (14)ハシボソガラス12  
(15)ハシブトガラス1  (16)ドバト42±  (17)ガビチョウ1


<備考>
○わきみず池から大池に流れる水路の水面すれすれを見事に飛ぶカワセミを見る。穏やかな晩秋の
 一瞬の出来事であった。
○わき水池で10羽ほどのシジュウカラを観察するが、それ以外にカラ類の群れを観察できなかっ
 た。エナガになかなか出会えない。
○多摩平第1緑地でハシボソ11羽が刈り込まれた林床で盛んに採食していた。11月14日には
 多摩平第6公園で20羽ほどのハシボソ、ハシブト(ほぼ半々)の群れが地面に降りて餌を探し
 ていた?遊んでいた? (行動不明)付近ではよく2種が一緒に行動している。
○20羽ほどのドバトの群れが、黒川上空を中央線から多摩平側にまっしぐらに横切った。よって
 本日、ドバトの数が多くなった。


<その他の記録>
○11月13日はウグイス1羽(初認)であったが、翌14日には7羽を数えた。3羽、2羽が接
 近して、争うように盛んに笹鳴きを繰り返していた。黒川に同時に到着したのか?そして16日
 には3羽になった。今年も越冬個体はあると思うが、本日(11/21)は1羽も確認できなか
 った。
○1月16日、17日の2日間、大池にコガモの雌1羽が滞在した。落ち着かない様子で、人によ
 る給餌でカルガモ、マガモは餌に群がるが、このコガモ1羽だけは遠く離れていて、人のいる岸
 辺には近づかなかった。コガモが複数になれば大池に定着するかと期待?したが、姿を消してし
 まった。


  
  ▲大池に飛来したコガモの雌、奥の大きいカモはカルガモ(2012.11.16 撮影)

調査日 2012年11月30日 くもり、無風

<調査結果>
(1)マガモ6(5♂1♀)(2)カルガモ19 (3)キジバト1 (4)キセキレイ1 (5)ハクセキレイ
(6)ヒヨドリ17 (7)モズ2(1♀) (8)ジョウビタキ3 (2♂1♀) (9)シロハラ1
(10)ウグイス2 (11)シジュウカラ4 (12)シメ1  (13)スズメ2   (14)ムクドリ2
(15)ハシブトガラス1 (16)ドバト21 (17)ガビチョウ2


<備考>
○大池に11月24日からマガモの雌1羽が飛来する。なお11月2日に短時間姿をみたが、すぐ
 池を飛び立ってしまった。マガモは徐々に増え本日は6羽になった。
○黒川では冬鳥のハクセキレイを確認する。今秋は11月19日が初認であった。
○ひょうたん池わきのフェンスに止まるモズの雌を観察する。下草が刈り込まれた線路斜面に降り
 てはフェンスに戻って来た。これをくり返していたが、餌は捕れなかったようである。150メ
 ートルほど離れたコーポ屋上の避雷針に止まっていた雌雄不明のモズとの関係は…。私は別個体
 であろうと推測するが、今後、気を付けて調べなければならない。なお、このひょうたん池周辺
 には昨年、一昨年と雌のモズがテリトリーを作っていた。
  本日のもう1羽のモズはわき水池西側の多摩平側からの声であった。以前のセンサス時にここ
 で声を聞いている。距離的に考えてひょうたん池の雌とは別であろうし、防災広場からあずまや
 池周辺の雄の関係を調べる必要がある。
 ※あずまやとは別個体と推測するが…。本調査地では3羽のモズが越冬するようになるか?観察
 を続けよう。
○本日もカラ類がいたって少なかった。今月になり群れや混群に出会うことはない。毎年少なくな
 るような気がするが…、いかなものか。
○防災広場に立つ枯れた高木に冬鳥のシメを見る。黒川では飛来当初10〜15羽ほどの群を見る
 ことがあるが、今年はなかった。



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