金子凱彦の野鳥調査 第66回
日野の自然を守る会 金子凱彦
●東豊田緑地保全地域の野鳥調査
<調査地とコース>
同保全地域は日野市のほぼ中央部に細長く広がる日野台地の段丘崖の一部で、1975年に東京
都により緑地保全地域に指定されました。東豊田3丁目、多摩平2丁目、7丁目に隣接した黒川清
流公園、多摩平第6公園、清水谷公園の約60,000uの雑木林です。黒川清流公園の崖下には数カ所
から湧水が流れており、池が4カ所あります。東から「ひょうたん池」、「大池」、「わきみず池
」、「あずまや池」の名が付いています。調査は黒川清流公園の東端の中央線脇にあるひょうたん
池から西へ黒川防災広場(汚水処理場跡地)、第6公園、山王下公園、清水谷公園の池まで約1.7
kmのコースを1時間で歩き、その間に出現した、野鳥の種類と数を記録します。
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黒川清流公園内の表示板に説明を増やし作成
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調査日 2013年4月4日 快晴、無風
<調査結果>
(1)マガモ1♂ (2)カルガモ5 (3)キジバト3 (4)コゲラ1 (5)キセキレイ1 (6)ヒヨドリ11
(7)モズ1♂ (8)ツグミ1 (9)ウグイス3 (10)エナガ1 (11)シジュウカラ11 (12)アオジ2
(13)ムクドリ2 (14)オナガ1 (15)ハシボソガラス4 (16)ハシブトガラス6 (17)ドバト7
(18)ガビチョウ2
<備考>○マガモは相変わらず1羽であるが、常にカルガモ1羽と一緒である。
○防災広場で雄のモズを観察する。餌を運んでいる様子はなかったが、付近で営巣しているであろう。
<ウグイスの縄張りに付いて>
○わきみず池の東側で鳴いていたウグイスが、西へ移動して第2コーポ前からヤドリギの大ケヤキ(レンジャク
が飛来した木)付近まで来ると、あずまや池から別ウグイスが鳴き始めた。するとひょうたん池から移動して
きたこの個体は鳴きながら東側、ひょうたん池に戻ってしまった。ヤドリギの大ケヤキ付近が2羽のテリトリー
の境界線か?
○本日は東端のひょうたん池からも声がしたが、わきみず池の個体と同じ可能性もあるので、今後観察を続け
る必要がある。
○前回(3/28)と同じ所でエナガ1羽を観察する。餌運びは観察できなかったが、付近で営巣しているのか?
要注意!
○山王下公園でアオジ2羽が一生懸命?に地面で餌をついばんでいた。そろそろ日野を離れるのであろう。
朝日を浴びてアオジの黄色が鮮やかであった。
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調査日 2013年4月12日 快晴、無風
<調査結果>
(1)マガモ1♂ (2)カルガモ7 (3)キジバト6 (4)アオゲラ1 (5)キセキレイ1
(6)ハクセキレイ1 (7)ヒヨドリ8 (8)シロハラ1 (9)ウグイス1 (10)エナガ1
(11)シジュウカラ5 (12)アオジ1 (13)ムクドリ2 (14)カケス2 (15)オナガ2
(16)ハシボソガラス3 (17)ハシブトガラス3 (18)ドバト15 (19)ガビチョウ2
<備考>○大池ではマガモ1♂がカルガモ3羽と離れて休息中。昨年のマガモの終認は0月0日であった。
○アオゲラのドラミングが林内に響きわたっていた。
○冬鳥のシロハラ、アオジを各1羽確認する。そろそろ黒川を去るであろう。
○カケス2羽がゆったり上空を南西方向に飛ぶ。春の移動の季節になると、黒川に立ち寄ることも
あるが、本日は通過であった。
●調査日 2013年4月24日 くもり、風あり
<調査結果>
(1)マガモ1♂ (2)カルガモ5 (3)キジバト6 (4)アオゲラ1 (5)ツバメ3 (6)ヒヨドリ7
(7)シロハラ1 (8)シジュウカラ6 (9)ムクドリ16 (10)オナガ3+ (11)ハシボソガラス4
(12)ハシブトガラス5 (13)ドバト13 (14)ガビチョウ1
<備考>○アオゲラは2羽での行動をたびたび見るが、本日は声のみであった。
○防災広場を低空で飛び回るツバメ3羽を観察する。本日はくもり空で午後から雨の予報である。
近年黒川でのツバメは珍しい。豊田駅周辺にはすでにツバメが姿を現した。昨年より早い飛来である。
<ウグイスの記録>
○前回のセンサス時(4/12)に声を聞くが、翌日の13日以降、囀りをぴたりと聞かなくなった。移動し
てしまったのか? 昨年は7月下旬までホーホケキョと鳴いていたのだが…。
●調査日 2013年4月26日 はれ、風なし
<調査結果>
(1)アオサギ1 (2)カルガモ4 (3)キジバト6 (4)アオゲラ1 (5)ハクセキレイ1
(6)ヒヨドリ17 (7)シロハラ1 (8)シジュウカラ7 (9)アオジ3 (10)ムクドリ7
(11)オナガ4+ (12)ハシボソガラス4 (13)ハシブトガラス2 (14)ドバト22±
(15)ガビチョウ3
<備考>
○餌を探しているのであろうか、アオサギが大池を歩き回っていた。カルガモ3羽のわきを通るが、カルガモ
たちは動ぜずぷかぷか浮いていた。
○コーポ前の道路をハクセキレイが1羽が餌を探して歩いている。4月になってもたびたび見る。コーポで
繁殖しているのか?要注意。
○冬鳥のツグミは確認できなかったが、シロハラを観察する。移動の個体か?同じく、冬鳥のアオジを観察
する。この3羽も山に帰る途中か?
○4月になりムクドリがチョッと多くなった。4/4(2羽)、4/12(2羽)、4/24(16羽)、4/26(7羽)である。
<マガモ終認の記録>
○昨日(4/25)の朝、大池で雄1羽を見るが、本日は姿なし。以後なし、終認である。昨年の10月26日が
大池への初飛来であった。その間、冬の地味な池をカラフルに彩ってくれていた。