金子凱彦の野鳥調査  71
                               日野の自然を守る会 金子凱彦

●東豊田緑地保全地域の野鳥調査
<調査地とコース>
 同保全地域は日野市のほぼ中央部に細長く広がる日野台地の段丘崖の一部で、1975年に東京
都により緑地保全地域に指定されました。東豊田3丁目、多摩平2丁目、7丁目に隣接した黒川清
流公園、多摩平第6公園、清水谷公園の約
60,000uの雑木林です。黒川清流公園の崖下には数カ所
から湧水が流れており、池が4カ所あります。東から「ひょうたん池」、「大池」、「わきみず池
」、「あずまや池」の名が付いています。
調査は黒川清流公園の東端の中央線脇にあるひょうたん
池から西へ黒川防災広場(汚水処理場跡地)、第6公園、山王下公園、清水谷公園の池まで約
1.7
kmのコースを1時間で歩き、その間に出現した、野鳥の種類と数を記録します。


黒川清流公園内の表示板に説明を増やし作成

調査日 2013年9月12日 快晴、無風、暑い

<調査結果>
(1)アオサギ1 (2)カルガモ8 (3)キジバト4 (4)カワセミ1 (5)アオゲラ1 (6)ヒヨドリ3 
(7)シジュウカラ1 (8)オナガ3 (9)ハシボソガラス10 (10)ハシブトガラス3 (11)ドバト23± 
(12)ガビチョウ1

<備考>
・大池に飛来したアオサギに対して、カシブトガラス3〜4羽が木の上からたびたび威嚇していた。
 調査終了後には、大池からわきみず池このアオサギは移っていた。
・久しぶりに清水谷公園の池を飛ぶカワセミを観察する。


調査日 2013年9月20日 快晴、無風

<調査結果>
(1)カルガモ15 (2)キジバト2 (3)コゲラ2 (4)キセキレイ1 (5)ヒヨドリ3 (6)シジュウカラ42± 
(7)ムクドリ15 (8)ハシボソガラス4 (9)ハシブトガラス6  (10)ドバト38

<備考>
・ひょうたん池でキセキレイ1羽を観察する。本調査地では秋から冬、春先まで観察する冬鳥である。
・久しぶりにコゲラを観察する。2羽で行動していた。
・シジュウカラの群れに遭遇する。30羽ほどが、あずまや池から防災広場方向へ、せわしなく?木々
 の間を移動していた。湧水では別の群れ10羽ほどが水浴びをしていたが、突然飛び立ち姿を消して
 しまった。両方の群れとも何となく落ち着きがなかった。
・本日はコゲラ、シジュウカラの群れ出会い、秋の気配を感じるセンサスであった。ただ鳥影は少ない 。
・9月19日の朝、大池周辺の道路でドバト43羽を数える。これが付近の最大羽数ではないか。

調査日 2013年9月27日 快晴、微風

<調査結果>
(1)カルガモ10 (2)キジバト3 (3)アオゲラ1♂ (4)コゲラ2 (5)キセキレイ1 (6)ヒヨドリ2 
(7)センダイムシクイ1 (8)エナガ10± (9)ヤマガラ2 (10)シジュウカラ23± (11)メジロ2 
(12)ハシボソガラス3 (13)ハシブトガラス5 (14)ドバト17 (15)ガビチョウ62

<備考>
・アオゲラは東端のひょうたん池から大池、わきみず池、あずまや池付近まで小さな声で鳴きながら
 移動していた。ちょうどセンサスをしている私の伴走者のようにほぼ同じ速度、私と同じコースを
 東から西へ移動。ただあずまや池付近まで来るとアオゲラはUターンして東に向かう。その間にカ
 ラ類の混群とも行動を共にする。
・ひょうたん池でキセキレイを観察する。最近よく池で姿を見る。
・ヒヨドリは相変わらず少ない。そろそろ秋の渡りのヒヨドリが姿を現すと思うが…。
・センダイムシクイを確認する。会員の藤田さんは黒川でたびたび観察しているが、私は今秋初めて
 であった。
・コゲラ2羽、エナガ10羽ほど、ヤマガラ2羽、シジュウカラ20羽ほど、メジロ2羽ほどの混群
 が大ケヤキの樹冠部を忙しげに移動する。メジロ、エナガはもっと多いと思うが、葉が茂り数は掴
 めなかった。ここにアオゲラの姿もあった。やっと混群の季節到来である。これから雑木林は賑や
 かになる。
・秋晴れの穏やかな調査日であった。


<新刊本のお知らせ>
私事のお知らせで恐縮ですが、都会のツバメ30年の調査結果をもとに、本を出版いたしました。すでに会員の
多くの方に購入していただき、感謝しております。今月も改めて紹介させていただきます。
本の表紙写真
 

『銀座のツバメ』
金子凱彦著 佐藤信敏写真
定価 1500円/四六版 カラー口絵付き188頁
発売・学芸みらい社        発売中
◆ 豊田駅前の啓文堂書店に置いてあるので、すぐ購入できます。
◆ 他書店や、アマゾンなどネット書店で注文・購入できます。

日本の都市はツバメが生き残れるかどうかの厳しい環境になっています。
このツバメの将来を考えるとともに、身近だが、あまり知られていないツバメの生活を紹介した本です。
ツバメは人のやさしい心がなければ、生きていけない野鳥なのです。

▼朝日新聞に『銀座のツバメ』が紹介されました(2013年9月18日)


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