金子凱彦の野鳥調査 第76回
日野の自然を守る会 金子凱彦
●東豊田緑地保全地域の野鳥調査
<調査地とコース>
同保全地域は日野市のほぼ中央部に細長く広がる日野台地の段丘崖の一部で、1975年に東京
都により緑地保全地域に指定されました。東豊田3丁目、多摩平2丁目、7丁目に隣接した黒川清
流公園、多摩平第6公園、清水谷公園の約60,000㎡の雑木林です。黒川清流公園の崖下には数カ所
から湧水が流れており、池が4カ所あります。東から「ひょうたん池」、「大池」、「わきみず池
」、「あずまや池」の名が付いています。調査は黒川清流公園の東端の中央線脇にあるひょうたん
池から西へ黒川防災広場(汚水処理場跡地)、第6公園、山王下公園、清水谷公園の池まで約1.7
kmのコースを1時間で歩き、その間に出現した、野鳥の種類と数を記録します。
●調査日 2014年2月21日 晴れ、微風
<調査結果>
(1)マガモ3(2♂1♀) (2)カルガモ12 (3)キジバト11 (4)コゲラ2 (5)ヒヨドリ10
(6)ジョウビタキ1♂ (7)シロハラ2 (8)ツグミ4 (9)ウグイス3 (10)エナガ2
(11)シジュウカラ12 (12)メジロ4 (13)ホオジロ1♀ (14)カシラダカ11 (15)アオジ2
(16)スズメ1 (17)ムクドリ2 (18)ハシボソガラス15 (19)ハシブトガラス4 (20)ドバト10
<備考>
○キジバトの雄は鳴きながら雌に近づき、コゲラやエナガは群れでなく2羽(雌雄?)で行動
ていた。シジュウカラの囀りを4カ所で聞く。黒川の林内は雪で一面の銀世界であるが、野
鳥たちにとっては春が目前なのである。
○わきみず池の北側の雪で埋もれたブッシュの中を、移動しているジョウビタキの雄を発見す
る。すぐに姿を消すが、ここでは久しぶりである。真っ白い雪の中でカラフルなジョウビタ
キは一層綺麗に見える。
○シロハラは一部雪が解けた地面で、枯葉を盛んにひっくり返して餌を探していた。キジバト
やシジュウカラも仲間に入って餌採りだ。かつて雪の翌日、ここでトラツグミを観察したこ
とがあり、期待して探したが姿はなかった。多摩平第6公園で鳴きながら飛ぶシロハラをも
う1羽を観察する。本日のシロハラの記録は2羽になる。
○防災広場の雪が解けて地面が露出した所で、カシラダカが集まり採食していた。さらにシジ
ュウカラ、ツグミ、キジバト、ヒヨドリと次々に地面に降りて来た。ツグミはここで3羽を
数えた。雪で餌不足の今、ここで待っていればいろいろな野鳥に出会えるであろう。
○ひょうたん池でホオジロに出会う。雌であった。昨今黒川でホオジロはいったて稀な鳥にな
っている。岩井満夫さんが2月16日に同じ所で、ホオジロ2羽(雌雄)とカシラダカ1羽
を観察し、撮影をしている(写真をお借りした)。
▲カシラダカ(真中)とホオジロ 撮影:岩井満夫さん