金子凱彦の野鳥調査  78
                               日野の自然を守る会 金子凱彦

●東豊田緑地保全地域の野鳥調査
<調査地とコース>
 同保全地域は日野市のほぼ中央部に細長く広がる日野台地の段丘崖の一部で、1975年に東京
都により緑地保全地域に指定されました。東豊田3丁目、多摩平2丁目、7丁目に隣接した黒川清
流公園、多摩平第6公園、清水谷公園の約
60,000㎡の雑木林です。黒川清流公園の崖下には数カ所
から湧水が流れており、池が4カ所あります。東から「ひょうたん池」、「大池」、「わきみず池
」、「あずまや池」の名が付いています。
調査は黒川清流公園の東端の中央線脇にあるひょうたん
池から西へ黒川防災広場(汚水処理場跡地)、第6公園、山王下公園、清水谷公園の池まで約
1.7
kmのコースを1時間で歩き、その間に出現した、野鳥の種類と数を記録します。


黒川清流公園内の表示板に説明を増やし作成

調査日 2014年4月6日(日)くもり、無風

<調査結果>
(1)アオサギ2 (OH) ※上空通過  (2)カルガモ11  (3)キジバト8  (4)カワセミ1  
(5)アオゲラ1 (6)ハクセキレイ2  (7)ヒヨドリ28  (8)ツグミ1  (9)ウグイス2 
(10)シジュウカラ14 (11)スズメ14  (12)ムクドリ2  (13)ハシボソガラス5  
(14)ハシブトガラス1  (15)ドバト19    (16)ガビチョウ3  


<備考>
○アオサギは黒川公園上空を多摩平方向に通過した個体である。最近黒川の池や水路に降り
 るアオサギもいる。
○カワセミは鳴き声を聞いたのみで雌雄は確認できなかった。
○今年掘ったアオゲラの巣穴を複数確認するが、営巣は不明である。
○2羽で行動しているハクセキレイをたびたび観察する。雌雄のようである。雄は白黒が鮮
 やかで、背が真っ黒でセグロセキレイと間違えるような個体である。雌は全体的に白っぽ
 い個体である。(高野伸二著「日本の野鳥」参照)付近の建物で繁殖するのであろうか
 (繁殖している?)。ただ巣材運びや餌運びは観察していない。
○急にヒヨドリが多くなる。東端のひょうたん池北側の林では10羽以上が鳴きながら林内
 を飛び回っていた。渡りの時期か? ちなみに3月のヒヨドリの記録では、3月30日は
 9羽、3月23日は8羽、3月6日は5羽、3月3日は4羽であった。
○桜の高木の樹幹部で、花びらを食すスズメを10羽ほど(それ以上?)観察する。ただ高
 く(遠く)正確な数は不明であった。
○ネコの餌(給餌)を狙ったハシブトが、冬には多数いたが、最近姿を見なくなった。繁殖
 の季節なので分散したのであろう。


調査日 2014年4月13日 晴れ、無風

<調査結果>
(1)アオサギ1  (2)カルガモ4  (3)ツミ2  (4)ハクセキレイ1♂  (5)キジバト6  
(6)ヒヨドリ12  (7)ツグミ3  (8)ウグイス1  (9)シジュウカラ9  (10)スズメ2  
(11)ムクドリ6  (12)オナガ8+  (13)ハシボソガラス4  (14)ハシブトガラス3  
(15)ドバト12  (16)ガビチョウ3 

<備考>
○カラスに追われるツミに遭遇する。中央線方向に一端消えるが、再び黒川の林で鳴き声が
 する。高木の樹冠部を飛ぶ2羽を発見する。1羽は胸の横縞がはっきり見えた。雌である。
○水路でハクセキレイが水浴びを繰り返していた。最近雌雄を同時に見なくなる。
○ツグミは3羽と多かった。開けた地面でせっせと餌を食べている。北国に帰る途中であろ
 う。
○大池から西側のわき水池にかけて移動しながら、1羽のウグイスが盛んに囀っている。毎
 年のことであるが、黒川公園におけるウグイスの繁殖は不明である。

調査日 2014年4月20日 くもり 無風、寒い

<調査結果>
(1)アオサギ2(OH) (2)カルガモ2  (3)ツミ1  (4)キジバト6  (5)カワセミ1♂  
(6)ハクセキレイ1♀  (7)ヒヨドリ16  (8)ウグイス1  (9)シジュウカラ7  (10)スズメ1  
(11)ムクドリ10  (12)オナガ6+  (13)ハシボソガラス4  (14)ハシブトガラス2   
(15)ドバト16  (16)ガビチョウ4  

<備考>
○カワセミの雄を水路で観察する。今冬は雌が黒川に飛来していたが、4月から雄の姿を見
 かけるようになった。
○ハクセキレイの雌を水路で観察する。付近を探すが雄の姿はなかった。


調査日 2014年4月29日 晴れ、無風

<調査結果>
(1)カルガモ1  (2)ツミ1♂  (3)キジバト5  (4)カワセミ1♀  (5)アオゲラ1  
(6)ハクセキレイ1♂  (7)ヒヨドリ14  (8)ウグイス1  (9)キビタキ1   (10)オオルリ1  
(11)シジュウカラ7  (12)スズメ12  (13)ムクドリ5  (14)オナガ3+   
(15)ハシボソガラス3  (16)ハシブトガラス1  (17)ドバト15  (18)ガビチョウ8 4  

<備考>
○カルガモは水路でせっせと餌を取っている1羽だけであった。大池やわきみず池、あずま
 や池に姿がなかった。
○クヌギの大木で休んでいる?ツミの雄を観察する。
○アオゲラの声を聞くが、営巣木は不明、
○ハクセキレイを大池西側の湧水河口(水路への出口)で1羽観察するが、4月26日に西
 へ200mほどの第2コーポラス前の車道でハクセキレイを2羽観察する。本日とは別の
 個体であった。第2コーポラス周辺でも繁殖しているのか?
○わきみず池でキビタキが囀っていた。さらにオオルリの声も聞こえて来た。調査終了後再
 び池を訪れるが、ウグイスとガビチョウの声のみであった。

<特記事項>
4月になると黒川清流公園内の池や水路にカワセミの雄と雌が時々姿を現す。黒川で野鳥の
記録写真を撮っている岩井さんに写真をお借りした。


▲カワセミの雄(あずまや池)5月2日、撮影:岩井満夫さん


▲カワセミのメス(あずまや池) 4月23日、撮影:岩井満夫さん。

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