金子凱彦の野鳥調査  83回
                               日野の自然を守る会 金子凱彦

●東豊田緑地保全地域の野鳥調査
<調査地とコース>
 同保全地域は日野市のほぼ中央部に細長く広がる日野台地の段丘崖の一部で、1975年に東京
都により緑地保全地域に指定されました。東豊田3丁目、多摩平2丁目、7丁目に隣接した黒川清
流公園、多摩平第6公園、清水谷公園の約
60,000㎡の雑木林です。黒川清流公園の崖下には数カ所
から湧水が流れており、池が4カ所あります。東から「ひょうたん池」、「大池」、「わきみず池
」、「あずまや池」の名が付いています。
調査は黒川清流公園の東端の中央線脇にあるひょうたん
池から西へ黒川防災広場(汚水処理場跡地)、第6公園、山王下公園、清水谷公園の池まで約
1.7
kmのコースを1時間で歩き、その間に出現した、野鳥の種類と数を記録します。


黒川清流公園内の表示板に説明を増やし作成

調査日 2014年9月2日、快晴、無風

<調査結果>
(1)カルガモ7  (2)アオゲラ1  (3)コゲラ2  (4)ヒヨドリ2  (5)ヤマガラ1
(6)シジュウカラ6  (7)ハシボソガラス3  (8)ドバト4  (9)ガビチョウ5 


<備考>
○本日も鳥はいたって少なかったが、ヤマガラに出会えた。コゲラ2羽、シジュウカラ
 3羽ほどと一緒であった。毎年9月になると現れる鳥であるが、本調査地での繁殖は
 いまいち不明である。
 

調査日 2014年9月14日 快晴、無風

<調査結果>
(1)カルガモ4  (2)キジバト3  (3)アオゲラ1  (4)コゲラ2  (5)ヒヨドリ6
(6)シジュウカラ23±  (7)ハシボソガラス5  (8)ハシブトガラス2  (9)ドバト3
(10)ガビチョウ5 

<備考>
○アオゲラの声を聞くが姿を確認できなかった。岩井満夫さんによると、繁殖を終えた
 足環付の雄の姿を見る、とのことである。
○シジュウカラは10羽ほどの群れを2回観察する。今年生まれの若鳥が多数含まれて
 いた。


調査日 2014年9月30日 晴れ、風なし

<調査結果>
(1)カルガモ10  (2)キジバト8  (3)カワセミ1♀  (4)コゲラ1  (5)ヒヨドリ10 
(6)モズ1 (7)シジュウカラ5  (8)ハシボソガラス9  (9)ハシブトガラス2  (10)ドバト11
(11)ガビチョウ2  

<備考>
○わきみず池前の水路をカワセミが飛ぶ。雌であった。
○防災広場からモズの高鳴きが聞こえてきた。付近を探す。ヒマラヤスギの天辺で鳴いて
 いる姿を発見するが、遠くて雌雄は分からない。今年の暑き夏が終わり、モズの高鳴き
 の季節、秋になったのだ。ただ本日は日差しが強くけっこう暑かった。
○カラ類の群れには出会わなかった。シジュウカラも少い。


△わきみず池に飛来したカワセミの雌 撮影:岩井満夫さん


<本のご案内>
日野市内の中央線や京王線の駅周辺では、今年も多くのツバメが子育てをしています。
単行本の『銀座のツバメ』は銀座の話だけでなく、ツバメのあまり知られていない生態、なぜ人の
そばで巣作りするのか? などツバメ全般の解説書でもあります。また「ツバメ・シール」など日野
の話も多数載っています。

『銀座のツバメ』


『銀座のツバメ』
金子凱彦著 佐藤信敏写真
定価 1500円+消費税/四六版 カラー口絵付き 188頁
発売・学芸みらい社       
◆書店や、アマゾン他のネット書店で注文・購入できます

「はじめに」より抜粋
 ツバメは越冬地の東南アジアから、春になると繁殖のために日本に帰って来る。このスマートな
小さな渡り鳥にはいくつもの、あまり知られていない、“秘密”がある。
 海を越え、2ヵ月におよぶ長旅を終えたツバメたちが、ペア(番)を作るまでの数々の試練。雌が
浮気をしないように、ライバルの雄からパートナーを守る雄の気苦労。それでも巣の中のヒナが、
雄の子でないことも珍しくなく、三角関係の喧嘩が観察される。
 多くの野鳥と異なり、土と枯れ草だけを使う独特な巣作り、飛ぶ虫しか餌にしないツバメが編み
出した、“つばめ返し”の技。一日に300回も餌を運ぶ、忙しい子育て、そして、感動的なヒナの
巣立ち。さらに人の存在をうまく利用する特異な繁殖形態――。ツバメの生活は、謎と波瀾に満
ちている。





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