金子凱彦の野鳥調査  84回
                               日野の自然を守る会 金子凱彦

●東豊田緑地保全地域の野鳥調査
<調査地とコース>
 同保全地域は日野市のほぼ中央部に細長く広がる日野台地の段丘崖の一部で、1975年に東京
都により緑地保全地域に指定されました。東豊田3丁目、多摩平2丁目、7丁目に隣接した黒川清
流公園、多摩平第6公園、清水谷公園の約
60,000㎡の雑木林です。黒川清流公園の崖下には数カ所
から湧水が流れており、池が4カ所あります。東から「ひょうたん池」、「大池」、「わきみず池
」、「あずまや池」の名が付いています。
調査は黒川清流公園の東端の中央線脇にあるひょうたん
池から西へ黒川防災広場(汚水処理場跡地)、第6公園、山王下公園、清水谷公園の池まで約
1.7
kmのコースを1時間で歩き、その間に出現した、野鳥の種類と数を記録します。


黒川清流公園内の表示板に説明を増やし作成

調査日 2014年10月10日、晴れ、風なし

<調査結果>
(1)カルガモ12  (2)キジバト3  (3)カワセミ1♀  (4)アオゲラ1  (5)ヒヨドリ10
(6)モズ1♂  (7)ヤマガラ1  (8)シジュウカラ4  (9)ハシボソガラス10 
(10)ハシブトガラス3  (11)ドバト38   


<備考>
○毎朝のようにひょうたん池周辺の水路でカワセミの雌を見る。時には小魚を見事に
 キャッチすることもある。
○アオゲラは小さな声を2、3度聞いただけである。
○防災広場のモズはここに定着したようである。ちなみに今年も雄である。
○エゴの実を食するヤマガラを久しぶりに観察する。
 

調査日 2014年10月13日 くもり

<調査結果>
(1)マガモ1♂  (2)カルガモ21  (3)キジバト3  (4)カワセミ1♀  (5)アオゲラ1
(6)ヒヨドリ15  (7)シジュウカ2  (8)ハシボソガラス3  (9)ハシブトガラス5  (10)ドバト9
(11)ガビチョウ5 

<備考>
○大池でエクリプスのマガモ1羽(♂)を観察する。マガモは今秋の初認になる。昨年は
 10月29日が大池への初飛来であった。
○カルガモも21羽と多くなる。
○黒川公園の池や水路でたびたびカワセミを見るようになった。雌である。
○今回もシジュウカラの群れに出会わなかった。


△わきみず池に飛来したカワセミの雌 10月13日 撮影:岩井満夫さん

調査日 2014年10月22日 くもりのち霧雨

<調査結果>
(1)マガモ1♂  (2)カルガモ15   (3)キジバト1  (4)カワセミ1♀  (5)ヒヨドリ9
(6)エナガ5  (7)シジュウカ11  (8)メジロ5  (9)ハシボソガラス5  (10)ハシブトガラス6
(11)ドバト17  (12)ガビチョウ3  

<備考>
○シジュウカラ3羽とエナガ5羽ほどの群れが、わきみず池の奥(北側)を移動していた。
 エナガの観察は久しぶりである。
○第2コーポラス角の柿の木に小鳥類が飛来する。カラスやヒヨドリが食べ残した実をメジロ、
 シジュウカラ、コゲラが食べている。


調査日 2014年10月27日 快晴、風なし

<調査結果>
(1)マガモ4♂(1羽はエクリプス)  (2)カルガモ26  (3)キジバト3  (4)コゲラ2
(5)ヒヨドリ12  (6)モズ2  (7)ジョウビタキ1♀  (8)ウグイス1  (9)ヤマガラ1
(10)シジュウカラ26±  (11メジロ25±  (12)ハシボソガラス3  (13)ハシブトガラス8
(14)ドバト5  (15)ガビチョウ5  

<備考>
○わきみず池と防災広場でモズの声を聞く。別個体であるかは不明だが記録は2羽とする。
 例年黒川清流公園では東端のひょうたん池周辺、大池やわきみず池周辺そして防災広場周辺
 の3ヵ所でモズが越冬する。
○防災広場の塀に止まるジョウビタキの雌を観察する。前日の26日にも同じ所で見ており、
 これが本年の初認になる。なお昨年の初認は10月21日で、わきみず池で雌を見た。
○ウグイスの笹鳴き(地鳴き)を今秋初めて聞く。初認である。なお昨年の笹鳴きは11月3日
 に聞いた。

<その他の記録>
岩井満夫さんが10月19日、20日に黒川公園でキビタキの雌を観察、撮影をしている。秋の通過
で、2012年10月にも観察した記録がある。今春、黒川公園で4月、5月と長期間囀っており、も
しや繁殖か?など話題になったキビタキであるが、これから越冬地の東南アジアに渡るのであ
ろう。来春、また黒川公園で美しい声を聞かせてほしいものだ。


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