金子凱彦の野鳥調査 第86回
日野の自然を守る会 金子凱彦
●東豊田緑地保全地域の野鳥調査
<調査地とコース>
同保全地域は日野市のほぼ中央部に細長く広がる日野台地の段丘崖の一部で、1975年に東京
都により緑地保全地域に指定されました。東豊田3丁目、多摩平2丁目、7丁目に隣接した黒川清
流公園、多摩平第6公園、清水谷公園の約60,000㎡の雑木林です。黒川清流公園の崖下には数カ所
から湧水が流れており、池が4カ所あります。東から「ひょうたん池」、「大池」、「わきみず池
」、「あずまや池」の名が付いています。調査は黒川清流公園の東端の中央線脇にあるひょうたん
池から西へ黒川防災広場(汚水処理場跡地)、第6公園、山王下公園、清水谷公園の池まで約1.7
kmのコースを1時間で歩き、その間に出現した、野鳥の種類と数を記録します。
●調査日 2014年12月23日 快晴、風なし
<調査結果>
(1)マガモ3(2♂1♀) (2)カルガモ26 (3)キジバト11 (4)コゲラ1 (5)キセキレイ1
(6)ハクセキレイ2 (7)ヒヨドリ24± (8)モズ1♂ (9)ジョウビタキ3(1♂2♀) (10)ツグミ3
(11)ウグイス1 (12)シジュウカ28± (13)メジロ12 (14)カシラダカ5 (15)アオジ1
(16)ムクドリ4 (17)シボソガラス4 (18)ハシブトガラス4 (19)ドバト22 (20)ガビチョウ4
<備考>
○大池の西側の湧水でキセキレイを観察する。ここはキセキレイのお気に入りの場所でこれ
からの季節はよく姿を見ることができる。
○多摩平側の第6公園でハクセキレイ2羽を観察するが、よく観察する大池周辺ではその姿
がなかった。
○モズの雄をあずまや池の東側(桜並木の北側)で観察する。多分防災広場の雄であろう。
この雄のテリトリーは、西は山王下公園、東へ防災広場、あずまや池そして本日の桜並木
周辺であろう(東西約300メートル)。
○本日はジョウビタキとよく出会った。①大池北側の遊歩道の杭に雄が飛来する。②わきみ
ず池前の遊歩道から雌がブッシュに逃げ込む。そして池を囲む柵にたびたび姿を現す。
③あずまや池で雌を観察する。防災広場でも見かける雌だ。
○中央線わきの柿の木に集まるヒヨドリの群れ(20±)の中に、ツグミを1羽発見する。
大池でも柿を食しているツグミを1羽見る。さらに防災広場では地面に降りて採食してい
る1羽を確認する。全部で3羽のツグミを観察するが、例年より飛来が遅いようである。
●調査日 2014年12月30日 晴れ
<調査結果>
(1)マガモ2(1♂1♀) (2)カルガモ27 (3)キジバト3 (4)キセキレイ1 (5)ハクセキレイ1
(6)ヒヨドリ20 (7)ツグミ2 (8)ウグイス1 (9)エナガ3 (10)ヤマガラ2 (11)シジュウカラ9
(12)メジロ11 (13)アオジ3 (14)スズメ12 (15)ムクドリ2 (16)ハシボソガラス7
(17)ハシブトガラス8 (18)ドバト8 (19)ガビチョウ1
<備考>
○高木の樹冠部を忙しそうに移動するエナガを久しぶりに見る。青空をバックに白い綿のよう
に見えた。発見したときは3羽であったが、もっといたのではないか。
○シジュウカラ、メジロの群れに、これも久しぶりにヤマガラを見る。今のところ20羽以上
の混群には出会っていない。何となくカラ類が少なくなっているように思うが…。時間のあ
る時に、カラ類の動向(個体数)を調べてみよう。