金子凱彦の野鳥調査  90回
                               日野の自然を守る会 金子凱彦

●東豊田緑地保全地域の野鳥調査
<調査地とコース>
 同保全地域は日野市のほぼ中央部に細長く広がる日野台地の段丘崖の一部で、1975年に東京
都により緑地保全地域に指定されました。東豊田3丁目、多摩平2丁目、7丁目に隣接した黒川清
流公園、多摩平第6公園、清水谷公園の約
60,000㎡の雑木林です。黒川清流公園の崖下には数カ所
から湧水が流れており、池が4カ所あります。東から「ひょうたん池」、「大池」、「わきみず池
」、「あずまや池」の名が付いています。
調査は黒川清流公園の東端の中央線脇にあるひょうたん
池から西へ黒川防災広場(汚水処理場跡地)、第6公園、山王下公園、清水谷公園の池まで約
1.7
kmのコースを1時間で歩き、その間に出現した、野鳥の種類と数を記録します。


黒川清流公園内の表示板に説明を増やし作成

調査日 2015年4月6日 晴れ、風無し、あたたかい

<調査結果>
(1)カルガモ3  (2)キジバト2  (3)アオサギ1(OH) (4)カワセミ2(♂♀)  (5)コゲラ2 (6)アオゲラ1
(7)モズ1♂  (8)ハシボソガラス5  (9)ハシブトガラス3  (10)シジュウカラ9  (11)ヒヨドリ24
(12)ウグイス2  (13)エナガ2  (14)ムクドリ2  (15)ツグミ2  (16)ビンズイ1  (17)ドバト6
(18ガビチョウ4
※4月より日本鳥類目録改定第7版に準じる

<備考>
○アオサギが優雅に黒川公園を低空で南から北側に横切る。
○コゲラ2羽が林内をツバメのごとくひらひら、すいすいと飛びまわっていた。腹の白が鮮や
 かで一瞬ツバメか?と思うほどであった。1羽が枯れ枝に止まるともう1羽も近くに止まるが、
 先の1羽が飛び立つとすかさずそれを追うように、もう1羽が一緒に飛びまわる。それを繰り
 返していたが、その間声は出さなかった。繁殖行動か?私は初めて見る光景であった。
○防災広場でモズの雄を観察する。広場内で営巣をしているか?
○清水谷公園の東端から防災広場の北側を、ヒヨドリ15羽ほどの群れが西から東に飛ぶ。
 春の渡りであろう。秋の渡りほど顕著ではないが、春もヒヨドリの渡りを観察することがで
 きる。
○長い尾羽が曲がったエナガを発見する。付近で営巣(抱卵)しているのか?エナガの幼鳥たち
 に会いたいものだ。
○清水谷公園の水路わきに飛来したビンズイを観察する。山に帰る途中であろうが、本調査地で
 はまれな野鳥である。

 

調査日 2015年4月20日 くもり

<調査結果>
(1)カルガモ4  (2)キジバト4  (3)カワセミ1  (4)アオゲラ1  (5)モズ1♂  (6)ハシボソガラス5
(7)ハシブトガラス3  (8)ヤマガラ1  (9)シジュウカラ9   (10)ヒヨドリ8  (11)ウグイス1
(12)ムクドリ8  (13)アカハラ1  (14)ドバト5  (15)ガビチョウ5


<備考>
○アオゲラのドラミングが林内に響いていた。
○中央線脇のひょうたん池でモズの雄を確認する。4月に数回見ており、付近で営巣しているで
 あろう。防災広場のモズとは違う。
○久しぶりにアカハラの囀りを聞く。キョロン、キョロンの声がウグイスのホー、ホキェキョと
 一緒に林内に響きわたっていた。


調査日 2015年4月24日 はれ、風無し

<調査結果>
(1) カルガモ1  (2)キジバト5  (3)カワセミ1♂  (4)アオゲラ1 (5)カケス2 (6)オナガ1
(7)ハシボソガラス6  (8)ハシブトガラス6  (9)シジュウカラ6  (10)ヒヨドリ9  (11)ウグイス1
(12)エナガ7  (13)ムクドリ4  (14)スズメ1  (15)アオジ1 (16)ドバト14  (17)ガビチョウ4

<備考>
○黒川に着くとアオゲラのドラミングの音が林中に響き渡っていた。今年も繁殖するであろうか。
○防災広場を南(中央線方向)から北に横切るカケス2羽を観察する。春になると見かける鳥で
 あるが、チョッと黒川に立ち寄り姿を消す。本日はカラス科の4種を観察できた。オナガは1
 羽の単独行動であった。
○待望のエナガのファミリーに出会う。
○木の枝に止まるアオジを観察する。繁殖のため山に帰る途中であろうか、脇の黄緑色が鮮やか
 であった。

 
 △アオサギ 黒川清流公園・あずまや池 4月24日 撮影:岩井満夫さん


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