金子凱彦の野鳥調査 第93回
日野の自然を守る会 金子凱彦
●東豊田緑地保全地域の野鳥調査
<調査地とコース>
同保全地域は日野市のほぼ中央部に細長く広がる日野台地の段丘崖の一部で、1975年に東京
都により緑地保全地域に指定されました。東豊田3丁目、多摩平2丁目、7丁目に隣接した黒川清
流公園、多摩平第6公園、清水谷公園の約60,000㎡の雑木林です。黒川清流公園の崖下には数カ所
から湧水が流れており、池が4カ所あります。東から「ひょうたん池」、「大池」、「わきみず池
」、「あずまや池」の名が付いています。調査は黒川清流公園の東端の中央線脇にあるひょうたん
池から西へ黒川防災広場(汚水処理場跡地)、第6公園、山王下公園、清水谷公園の池まで約1.7
kmのコースを1時間で歩き、その間に出現した、野鳥の種類と数を記録します。
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黒川清流公園内の表示板に説明を増やし作成
●調査日 2015年7月10日 くもりのち晴れ
<調査結果>
(1)カルガモ3 (2)キジバト1 (3)ツミ1 (4)コゲラ1 (5)アオゲラ2 (6)ハシボソガラス4
(7)ハシブトガラス9 (8)ツバメ1 (9)シジュウカラ13 (10)ヒヨドリ10 (11) ムクドリ4
(12)ドバト4 (13)ガビチョウ3
<備考>
○あずまや池のカルガモの親子2羽は健在。初めて池に姿を現したのは6月16日であった。
(北側の多摩平の広場で孵化し、ヒナ7羽を連れて黒川に移動したが池にたどり着いたのは
ヒナ1羽だけであった、と聞く)幼鳥は親に寄り添うように水辺で休んでいた。
○ツミの声を聞くが姿は確認できなかった。本調査地では営巣していないので、周辺で繁殖を
しているのであろう。
○小さな声で鳴きながら林内を飛ぶアオゲラの幼鳥2羽を確認する。6月8日には3羽を観察
している。
○林内でハシブトガラスの幼鳥2羽を観察する。付近で巣立ったのか。
○防災広場でツバメ1羽が採食飛翔をしていた。雨上がりで虫が多いのか。
○今朝まで雨だったためか、シジュウカラが盛んに地面に降りては採食していた。体に黄色み
の残る幼鳥が多かった。
●調査日 2015年7月20日 晴れ
<調査結果>
(1)カルガモ2 (2)キジバト5 (3)カワセミ4 (4)アオゲラ2 (5)ハシボソガラス4
(6)ハシブトガラス1 (7)シジュウカラ6 (8)ヒヨドリ7 (9)ムクドリ21 (10)ハクセキレイ1
(11)ドバト2 (12)ガビチョウ6
<備考>
○清水谷公園の池でカワセミの幼鳥を発見!5分ほどすると色鮮やかな成鳥が餌をくわえて飛来、
池わきの藪にはいる、幼鳥が後を追う。さらにもう1羽の幼鳥が追う。10分間ほどで2回成
鳥が南側から飛来する。調査地の保全地域外で営巣し、幼鳥を連れて来たようである。池わき
の藪にはいる。
△7月25日 撮影:岩井満夫さん 清水谷公園の池にカワセミの幼鳥たちが姿を現す。
この日は3羽であったが、幼鳥は4羽であった。
《お知らせ》「日野の自然」9月号(No518)に「東豊田緑地保全地域で繁殖したカワセミ
の記録 2015年」を、岩井満夫さんの写真満載で掲載します。
●調査日 2015年7月29日 くもり、風無く蒸し暑い
<調査結果>
(1) カルガモ9 (2)キジバト1 (3)アオゲラ1 (4)ハシボソガラス3 (5)ハシブトガラス2
(6)シジュウカラ1 (7)ヒヨドリ6 (8)ドバト8 (9)ガビチョウ5
<備考>
○あずまや池の親子のカルガモは健在、そろそろそろそろ池を離れるであろう。
○わきみず池にてアオゲラの小さな声をかろうじて聞く。
○本日はくもり空で蒸し暑い調査日であった。鳥影もいたって少なかった。