金子凱彦の野鳥調査 第98回
日野の自然を守る会 金子凱彦
●東豊田緑地保全地域の野鳥調査
<調査地とコース>
同保全地域は日野市のほぼ中央部に細長く広がる日野台地の段丘崖の一部で、1975年に東京
都により緑地保全地域に指定されました。東豊田3丁目、多摩平2丁目、7丁目に隣接した黒川清
流公園、多摩平第6公園、清水谷公園の約60,000㎡の雑木林です。黒川清流公園の崖下には数カ所
から湧水が流れており、池が4カ所あります。東から「ひょうたん池」、「大池」、「わきみず池
」、「あずまや池」の名が付いています。調査は黒川清流公園の東端の中央線脇にあるひょうたん
池から西へ黒川防災広場(汚水処理場跡地)、第6公園、山王下公園、清水谷公園の池まで約1.7
kmのコースを1時間で歩き、その間に出現した、野鳥の種類と数を記録します。
<備考>
○ひょうたん池から大池方向に水路沿いにカワセミが飛ぶ。12月になりたびたび姿を現すよう
になったが、警戒心がとても強い。
○柿の実をムクドリが食べていた。柿はまだ多数残っている。
○大池北側の下草が刈り込まれた見通しのよい斜面にツグミが多数降りて採食していた。斜面下
の小さな湧水では水飲みや水浴びをしている。時々警戒して飛び立つが、その数は20羽ほど
である。前回の6日にもツグミの群れを観察している。このまま群れが留まるとは思えないが、
ツグミの声には冬を感じさせられる。
○ひょうたん池と大池の中間の梅の木でジョウビタキの雄を発見する。逆光で見にくかったが翼
の白が鮮やかに見えた。大池で11月29日に雄に出会って以来である。
○あずまや池の北側斜面で、数は多くなかったがカシラダカを観察する。本年は飛来が遅いので
はないか。
<備考>
○アオゲラの雌雄が一緒に行動していた。ペアであろう。
○大池の東側でモズの声を聞くが雌雄不明、あずまや池では雄を観察する。
○山王下公園からシロハラの大きな声が聞こえてきたが姿は確認できなかった。昨年も同公園に
はシロハラの姿があった。
○前回と比べツグミは少なくなった。
○30羽ほどのイカルの群れに出会う。黒川公園にイカルが来ているとは聞いていたが、これほど
の群れに出会うとはラッキーであった。
●調査日 2015年12月29日 快晴
<調査結果>
(1) マガモ5(3♂2♀) (2)カルガモ11 (3)キジバト4 (4)カワセミ1
(5)ハシボソガラス5 (6)ハシブトガラス3 (7)シジュウカラ12 (8)ヒヨドリ9 (9)エナガ1
(10)シロハラ1 (11)ツグミ15 (12)キセキレイ1 (13)ハクセキレイ1 (14)シメ1
(15)ドバト13
<備考>
○清水谷公園の池をカワセミが飛ぶが雌雄は不明であった。
○葉の落ちた大ケヤキの高所にエナガが単独で行動していた。小さな小さな体が朝日を浴び鮮や
かに見えた。
○ツグミが多摩平第6公園の地面でせっせと採食していた。時々飛び立ち木に隠れるがまた降り
てくる。8羽まで数えるがもっといるのではないか。今年はツグミが多いのか?
○あずまや池の北斜面でシメを観察する。数は少ないが毎年越冬する。