金子凱彦の野鳥調査 第99回
日野の自然を守る会 金子凱彦
●東豊田緑地保全地域の野鳥調査
<調査地とコース>
同保全地域は日野市のほぼ中央部に細長く広がる日野台地の段丘崖の一部で、1975年に東京
都により緑地保全地域に指定されました。東豊田3丁目、多摩平2丁目、7丁目に隣接した黒川清
流公園、多摩平第6公園、清水谷公園の約60,000㎡の雑木林です。黒川清流公園の崖下には数カ所
から湧水が流れており、池が4カ所あります。東から「ひょうたん池」、「大池」、「わきみず池
」、「あずまや池」の名が付いています。調査は黒川清流公園の東端の中央線脇にあるひょうたん
池から西へ黒川防災広場(現在マンション建設中)、多摩平第6公園、山王下公園、清水谷公園の
池まで約1.7kmのコースを1時間で歩き、その間に出現した、野鳥の種類と数を記録します。
<備考>
○清水谷公園の池と山王下公園の水路でほぼ同時にカワセミの雌に出会う。山王下の個体の方が
下嘴の赤が鮮明であった。ふと昨年繁殖した雌が帰って来たのかなと思ったが、個体識別して
いないのでまったく不明である。なお翌日の9日には本会会員の小久保雅之さんがわきみず池
で雄を観察している。いよいよカワセミたちの恋の季節到来か。
○中央線わきの柿の木にムクドリが15羽ほど飛来し実を食していた。大池の柿の木にもムクドリ
が群れていた。これで1月まで残っていた柿もなくなるであろう。
○あずまや池の斜面でカシラダカとともにシメの姿を見る。シメは色彩がシックで魅力的な冬鳥
だ。
<備考>
○1月になり黒川清流公園でカワセミの雌の姿を頻繁に見るようになった。本日は大池方面から飛
来した1羽が、わきみず池を素通りしてあずまや池方向に飛ぶのを観察する。雌雄は不明であった。
○あずまや池にモズの雄が姿を現す。一緒に観察していた岩井さんによると池の東側の第2
コーポラス前でこの雄とともにもう1羽(雌雄不明)近くにいたとのことである。
○降雪の後でありカラ類の混郡を期待したまったく出会わなかった。単独行動のシジュウカラ1羽
だけであった。
○ひょうたん池の奥(北側)の雪のない斜面にムクドリが次々と降りて、採食していた。ツグミも
混じっていた。本日はツグミが多かったので、トラツグミも期待したが駄目であった。
△雪の黒川清流公園(1月20日撮影)、1月18日に降雪があった。
●調査日 2016年1月27日 晴れ
<調査結果>
(1) マガモ2(♂1♀1) (2)カルガモ17 (3)キジバト5 (4)カワセミ1 (5)コゲラ1
(6)モズ1♂ (7)ハシボソガラス2 (8)ハシブトガラス4 (9)ヤマガラ1 (10)シジュウカラ10
(11)ヒヨドリ7 (12)ウグイス2 (13)シロハラ2 (14)ツグミ4 (15)キセキレイ1
(16)ハクセキレイ4 (17)シメ1 (18)アオジ1 (19)ドバト10 (20)ガビチョウ1
<備考>
○あずまや池から東に飛ぶカワセミに出会うが雌雄は不明であった。
○調査終了後であったが大池の東側の下草が見事に刈り込まれている林でモズの雄を見る。
本日岩井さんがこの雄を撮影しいている。
○あずまや池に隣接する南斜面でヤマガラ、シジュウカラ、コゲラ、シメそれにシロハラが
飛来した。ここは餌場として利用されているようだ。1月24日にはエナガ10羽ほどの群れが
通過した。
○山王下公園でシロハラの声とともに姿も見る。
○久しぶりにアオジに会う。本調査地では越冬しているのだがなかなか出会えない。
<特記事項>
○黒川清流公園の昨秋から今冬のモズの越冬数は東端のひょうたん池から西端のあずまや池
までは雄、雌、雄の3羽のようである。ただ大池では別々であるが雄、雌を観察したことも
ある。
△モズの雄(12月27日)ひょうたん池の西側
△モズの雌(12月12日)大池の奥(北側)
△モズの雄(12月10日)あずまや池
以上3点は岩井満男さんが撮影